【 こどもの行動 ・ 目標勾配 】角を曲がると入り口が見えてきました。みんな、少しはや足になっています。先生が「急がないで」と声を掛けます。1人の子どもが駆け出してしまいました。「目標勾配」:対象までの距離が生み出す心理的な勾配
楽しみにしていた遠足の話です。みんなで公園に行くのです。バスを降りて並んで公園に向かって歩いてゆきます。角を曲がると入り口が見えてきました。みんな、少しはや足になっています。先生が「急がないで」と声を掛けます。1人の子どもが駆け出してしまいました。「あー」という声があちこちで起き、何人かが追随します。
ゆうちゃんもよく分からずに駆け出し、入り口まで行きました。最初はみんなと普通に歩いていたのに、どうして走り出してしまったのでしょうか?
「目標勾配」という現象があります。目標までの距離が近くなれば近くなるほど、その対象に到達したいという気持ちが強くなり、より早く対象に近づこうという行動に出ます。
このような対象までの距離が生み出す心理的な勾配は、「いやだなあ」というマイナス面でも働きます。遠足やおでかけは待ち遠しいが、みんなの前での発表会などはマイナスの例でしょうか。その日が近づけば近づくほど、どんどん緊張が高まり、気持ちがブルーになってしまうのです。
このような目標に対する心理的な意味付けの強化は、距離や時間的なものだけでなく、最初はたくさんあった目標がどんどん少なくなり、それを手に入れるチャンスが減ってきたときにもみられます。限られた座席をじゃんけんで選ぶような場合には、負けるたびに座席への心理的な価値が高くなってゆきます。
<出典>
子どもの行動から学べること / ゴールに近づけば駆け出す「目標勾配」
【子ども点描】 産経新聞(2021/06/17)
https://www.sankei.com/article/20210628-3VMF5FAZO5INLOFUFHABT4G3EU/
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