【 コロナ ・ 病床逼迫 】 日本は人口千人当たりの病床数が経済協力開発機構(OECD)の統計では1位。米英に比べて4~5倍のベッド数がある。4~5倍のベッド数があって感染者数は米英の1割未満。それでなぜ、病床が逼迫するのか。
そもそも日本は人口千人当たりの病床数が経済協力開発機構(OECD)の統計では1位。米英に比べて4~5倍のベッド数がある。4~5倍のベッド数があって感染者数は米英の1割未満。それでなぜ、病床が逼迫するのか。
なぜ病床確保が進まないのか。結論から言うと、国と都道府県が責任を果たしていないだけだ。
医療法7条の規定上、知事には病院の許認可権があり、民間病院も含めてベッド数を決めることができる。ところが、医療行政は医師会主導になっている。国と都道府県は本来有している医療権限を事実上、行使できずにいる。医師会に気を使う国、国に気を使う県。そういう両すくみの構造の中で、全国の知事は「(権限の行使が)できない」と思い込んでいる。まさに「ノミの天井」。本当は高く飛べるのに、天井を作られてそこまでしか飛べなくなると、本来持っている能力も発揮できなくなってしまう。
以上は、泉房穂氏の主張だが、私(=藤波)は、少し違うと思う。
日本医師会、自治体、国、各々反省すべきところがありそうだが、泉房穂氏が、現明石市長として、自治体からの立場に特化して分析しているのは、よいと思う。泉房穂氏は、「病院の許認可権があるということは、言い換えれば作ることも潰すこともできる、となる。病床確保は形の上では知事からの「お願い」。「潰す」とはあえて言わない。権限というのは、使わずして行使できる状況下において、相手に自分の望みに対する理解を得ていく手段だ。私が知事であればベッド数で(病院側と)交渉する。知事は背景に権限がある中で基本的に頭を下げつつ、人的、金銭的支援を持ち出して交渉すべきだ。」と言う。
いかにも泉氏らしく、強引だ。病院の許認可権と病院にコロナ対応させるのとは別の権力だ。本当は、権力を行使しなくても、日本医師会が、使命感をもって自主的に対応してくれれば良いのだが、その見識も能力もないようだ。
国といっても、行政でできることは限りがあるので、ここで動かねばならないのは、立法だろう。与党ができなくても野党が動けばよいが、批判ばかりして建設的な動きはできていない。折角の政権奪取のチャンスなのに、手を打てない。
情けないところばかりなので、自治体がなんとかするしかない、と結論付けるなら、実は、泉氏の慧眼なのかもしれない。
タイトルの違い
新聞のタイトルは、「病床確保 知事は権限使え」
同じ記事の、インターネットでのタイトルは、「知事のコロナ対応「ノミの天井」」
その記事を元に私が書いたブログのタイトルは、「病床数が多いが、病床が逼迫する日本」
注目するところが違うと、同じ記事からでも、タイトルは別になる。
<出典>
泉房穂(兵庫県明石市長)、(9)病床確保 知事は権限使え
【コロナ直言】 産経新聞(2021/06/17)
https://www.sankei.com/article/20210616-UGYWE35HNFPONDXLDOWI4XOBDM/
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