画面の説明

このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2021年1月31日日曜日

(2231)  対処方法は? / 「塩対応」(2)

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1372)  パドル体操 <体の健康>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1372.html

=====

 

 

☆☆

相手が不快な感じを受ける態度や対応をする「しょっぱい対応」から変化したと言われています。アイドルが握手会などイベントの時にファンへの対応が素っ気なく、ファンがそのアイドルの様子を「塩対応」と言った

☆☆

 

【目次】

1.   「塩対応」ってどんな意味か

2.   「塩対応」をする男性の心理とは?

3.   「塩対応」をされた場合の適切な対処方法について

4.   最後に

 

【展開】

1.   「塩対応」ってどんな意味か

 素っ気ない、おざなりな対応を「塩対応」と言う

2.   「塩対応」をする男性の心理とは?

2.1.  トラブルを避けたい

2.2.  つかず離れずの距離感を保ちたい

2.3.  他人の目や評価を気にしない

3.   「塩対応」をされた場合の適切な対処方法について

3.1.  言葉と態度で感情を伝える

3.2.  相手を否定しない

3.3.  本心と塩対応は裏腹、そのギャップをいじらない

4.   最後に

 アイドルや芸能人の戦略的な塩対応と職場や恋愛での塩対応は違います。履き違えて塩対応ばかりしていると、周囲の目もだんだんと冷たくなってしまいます。

 

 

 私自身の態度を省みると、当たっていると思う。私は、テンションを上げていくような会話は少ない。2.で書いている「男性の心理」3つは、よく私に当てはまっている。私は「塩対応」的な態度を取っていることが多いと思う。

 3.3はよく分からないが、確かに相手が、3.13.2の対応をしてくれると、その人との関係性は良くなっている。

 

 

<出典>

https://oggi.jp/6148018



2021年1月30日土曜日

(2230)  フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(1-2) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1371)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(11) <臨死期>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1371-11.html

=====

 

☆☆

一つの国語を話すということは、一つの世界、一つの文化を引き受けるということである。白人になりたいと思うアンティル人は、言語という文化の道具をわがものにすればするほど白人に近づくであろう

☆☆

 

第1回  1日放送/ 3日再放送

  タイトル: 言語をめぐる葛藤

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

【テキストの項目】

(1)   マルティニークの少年

(2)  「座礁した船」――フォール・ド・フランス

(3)   古くからの植民地

 

(4)   支配される者の言語感覚

(5)   フランス語への憧憬、クレオール語の否定

(6)   対等にふるまうことの困難

(7)   真実を語る手段としての言語

 

【展開】

(1)   マルティニークの少年

(2)  「座礁した船」--フォール・ド・フランス

(3)   古くからの植民地

 

(4)   支配される者の言語感覚

 さまざまな言語が混じり合う多様で流動的なプランテーションの環境のなかから、独自の言語クレオール語が誕生します。クレオール語が、マルティニークとグアドループで暮らす人々の母語になったのです。ところが、このクレオール語は長いあいだ、多くの人々が日常的に使用しているにもかかわらず、黒人の話すフランス語もどきの劣った言語として貶められてきました。

 フランス語は支配者の言葉です。支配される側、劣位に置かれた側が、支配する側に近づきたい、そちらの側に属したいと願うのは人の自然の感情でしょう。そのためにはどうしたらよいでしょうか。まず支配者言語を習得しなければなりません。それがいちばん確実な方法です。

 

(5)   フランス語への憧憬、クレオール語の否定

 奴隷制に支えられた植民地支配が、被支配者であった黒人のあいだに、支配者=白人のフランス語に憧れ、クレオール語を奴隷の言語として嫌悪するような自己否定的な言語観を植え付けてしまったのです。

 片言のフランス語で話しかけられることによって、話しかけられた相手は単純な言葉遣いでしか話せない、素朴で陽気だが知的に劣った未開の存在に閉じ込められてしまうのです。ファノンは子供向けの絵本や映画、それから広告にそうしたステレオタイプが溢れていることを指摘しています。とりわけ有名なのは、「バナニア」というチョコレート飲料の広告で、「おいしいバナニアあるよ! y’a Banania!」という文法的に間違ったフランス語とともに描かれた、白い歯を見せて笑う黒人(セネガル兵)のイラストです。

 

(6)   対等にふるまうことの困難

 語りかけるときに使われる言葉遣いで、相手へのゆがんだ差別意識があらわになるというファノンの指摘は重要です。僕たちもまた、自らの差別的意識に気づかずに他者に話しかけていることはないでしょうか。たとえば、外国人に対して、あるいは自分とはちがう性的指向の人に対して話しかけるときに、気づかないうちに差別的な態度を示していることはないでしょうか。

 人間はどんな肌の色であろうが、みな平等だというのがファノンの人間観です。『黒い皮膚・白い仮面』の主張の根幹にあるのは、疑う余地のないこの真実です。ファノンからすれば、「理想主義」でもなんでもない単純明快な事実です。それがどうして理解されず、白人は黒人を差別しつづけ、黒人は白人に対して劣等感を抱きつづけなくてはならないのか。

 

(7)   真実を語る手段としての言語

 普遍的な真実には色はありません。それを運ぶ言語もまた然りです。そしてその言語は誰のものでもありません。だからこそ、黒人が洗練されたフランス語を話すことに驚く白人に対してファノンは苛立ったのです。

 ファノンがフランス語を使いこなすのは、彼の郷里の人々のように自人に同化したいからではありません。そのような劣等感が生まれる歴史的・社会的・文化的な構造を、その心理の仕組みを、色の区別なく、つまり差別する側と差別される側の両方に理解してもらうためです。

 ファノンはフランス語を使って白人になろうとしたのではありません。何かに、誰かに、自分以外のものになる必要などまったくなかったのです。人間であること以外に何の存在理由もいらないのです。

 

 

<出典>

小野正嗣(2021/2)、フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2021年1月29日金曜日

(2229)  意味は? / 「塩対応」(1)

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1370)  代表 高瀬比左子さんの思い/ 「未来をつくるkaigoカフェ」(3) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1370-kaigo3.html

=====

 

☆☆

「おれの苦しみはおまえなんかには絶対に分からへん。そやから、おれは芝居する。芝居すると、そういうものがちょっとは分かる気がする。分かってもらえる気がする」と言われ、自分の舞台や演技のことを思い出す

☆☆

 

 「塩対応」という言葉を始めて知った。『朝ドラ「おちょやん」 杉咲花と成田凌の塩対応と神対応』(1/28放映)というタイトルの記事で出てきた。「神対応」の方は、聞いたことがある。

===== 引用はじめ

 千代が胸に退職届を忍ばせて撮影所の廊下を歩いていると、旧知の喜劇役者・一平(成田凌)に出くわす。父親のテルヲ(トータス松本)にまつわる悩みで「あんたにウチの何が分かんねん」と怒りをあらわすと、一平から返ってきたのは、なぐさめではなく、「分かるはずないやろ。人の苦しみがそない簡単に分かってたまるか」という冷たい答え。千代は目に涙をにじませ、絶句する。

 小気味良いほどの一平の塩対応。本来ならば意気消沈するところだが、千代の心はそこから前向きに動く。一平から「おれの苦しみはおまえなんかには絶対に分からへん。そやから、おれは芝居する。芝居すると、そういうものがちょっとは分かる気がする。分かってもらえる気がする」と言われ、かつての自分の舞台や演技のことを走馬灯のように思い出す。そこにあるのは、芝居をやり遂げた時の充足感。無言のままの千代の表情に、気持ちの変化が表れる。

 「芝居をすることで分かってもらえる気がする」。千代を演じる杉咲はインタビューで「私はそのセリフがすごく好きで、私自身にとても響きましたし、本当にそうだなと感じました」と打ち明けている。あの場面の表情は、演技を超えた、心の奥底からの表現だった。

===== 引用おわり

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E6%9C%9D%E3%83%89%E3%83%A9-%E3%81%8A%E3%81%A1%E3%82%87%E3%82%84%E3%82%93-%E6%9D%89%E5%92%B2%E8%8A%B1%E3%81%A8%E6%88%90%E7%94%B0%E5%87%8C%E3%81%AE%E5%A1%A9%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%A8%E7%A5%9E%E5%AF%BE%E5%BF%9C/ar-BB1d9Bkd?ocid=msedgdhp

 

 「塩対応」とは

===== 引用はじめ

 そっけない、愛想のない、冷淡な接し方を指す言い方。いわゆる「しょっぱい」対応という意味の語。

 「しょっぱい」は主に味の塩辛さを表現する語であるが、この他に、表情などに不快さが表れている様子を指すことがある。「(相手を)舐めている」という表現が連想されている場合もある。

 「塩対応」は、アイドルの握手会などにおける素っ気ない(ファンとしては残念な)対応を指す表現としてしばしば用いられる。単に「塩」と呼ばれている場合もある。この「塩対応」に対して、ファンを大事に扱う真心が感じられる対応は「神対応」などと呼ばれる。

===== 引用おわり (実用日本語表現辞典)

https://www.weblio.jp/content/%E5%A1%A9%E5%AF%BE%E5%BF%9C#:~:text=%E3%80%8C%EF%BC%88%E7%9B%B8%E6%89%8B%E3%82%92%EF%BC%89%E8%88%90%E3%82%81%E3%81%A6,%E7%A5%9E%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%80%8D%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82

 

<出典>

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E6%9C%9D%E3%83%89%E3%83%A9-%E3%81%8A%E3%81%A1%E3%82%87%E3%82%84%E3%82%93-%E6%9D%89%E5%92%B2%E8%8A%B1%E3%81%A8%E6%88%90%E7%94%B0%E5%87%8C%E3%81%AE%E5%A1%A9%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%A8%E7%A5%9E%E5%AF%BE%E5%BF%9C/ar-BB1d9Bkd?ocid=msedgdhp



2021年1月28日木曜日

(2228)  フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(1-1) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1369)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(10) <臨死期>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1369-10.html

=====

 

☆☆

ファノンがフランス領であったマルティニークで生まれたという事実はとても重要です。植民地という場所で生きていくなかで直面したさまざまな問題を真剣に考え抜くことから、『黒い皮膚・白い仮面』は書かれました

☆☆

 

第1回  1日放送/ 3日再放送

  タイトル: 言語をめぐる葛藤

 

 

【テキストの項目】

(1)   マルティニークの少年

(2)  「座礁した船」――フォール・ド・フランス

(3)   古くからの植民地

 

(4)   支配される者の言語感覚

(5)   フランス語への憧憬、クレオール語の否定

(6)   対等にふるまうことの困難

(7)   真実を語る手段としての言語

 

【展開】

(1)   マルティニークの少年

 フランツ・ファノンは、1925年、フランス領のカリブ海に浮かぶ島の一つ、マルティニークの中心地フオール・ド・フランスに生まれました。マルティェークに暮らす多くの黒人がそうであるように、ファノンの父の祖先も奴隷でした。

 ファノンは外向的な性格の運動好きの少年でした。サッカーが大好きで、仲間を集めてチームを作る一方で、仲間たちとグループを作って、イタズラをしたりチケツトを買わずに映画館に入ったり、敵対するグループと喧嘩したりする悪ガキでもありました。

 思春期になると、サッカーと悪さから足は遠のき、町の中心のサヴアンナ広場のそばのシェルシェール図書館に足繁く通うようになります。そこでファノンは、十七世紀と十八世紀のフランス文学と哲学を読みふけります。

 

(2)  「座礁した船」--フォール・ド・フランス

 『黒い皮膚・白い仮面』を、そしてフランツ・ファノンの思想を考える上で、ファノンがフランス領であったマルティニークで生まれたという事実はとても重要です。植民地という場所で生きていくなかで直面したさまざまな問題を真剣に考え抜くことから、『黒い皮膚・白い仮面』は書かれたと言えるからです。

 「アルコールに爆砕され、この湾の泥の中に座礁し、そしてこの不吉に座礁した町の埃の中に座礁したアンティル諸島」(セゼール)。フォール・ド・フランスも否定的なイメージの波をただ浴びながら、どこにも行くことのできない坐礁した船のようです。しかしファノンはセゼールのこのセゼールの作品のなかに、自分の知っている故郷の姿をたしかに認めたのではないでしょうか。

 

(3)   古くからの植民地

 ファノンにとつて無邪気に言祝ぐことのできない故郷、マルティニーク。ファノンが生まれたとき、マルティニークはフランス領でした。現在はフランスの海外県ですが、当時はその植民地だったのです。

 カリブ海の植民地の歴史はずっと古いものです。そのため「古くからの植民地」などと呼ばれたりもします。小アンティル諸島に位置するマルティニークとグアドループの植民地化が始まるのは、1635年です。

 

 以下は、後日書きます。

(4)   支配される者の言語感覚

(5)   フランス語への憧憬、クレオール語の否定

(6)   対等にふるまうことの困難

(7)   真実を語る手段としての言語

 

<出典>

小野正嗣(2021/2)、フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2021年1月27日水曜日

(2227)  サラリーマン川柳下の句

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1368)  リアルイベント / 「未来をつくるkaigoカフェ」(2) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1368-kaigo2.html

=====

 

第一生命保険は27日、恒例の「サラリーマン川柳」の入選作100句を発表した。

https://www.dai-ichi-life-connect.jp/cp/202101/sarasen/index.html?route=000006&staff=00000000

 

下の句をつけてみました。

 

コロナ禍が 程よく上司を ディスタンス

 上司によく効く ワクチンを待つ

 

会社へは 来るなと上司 行けと妻

 子供と遊んで 居場所をつくる

 

はんこレス 上司の仕事 吹き飛んだ

 寂しげに見る パソコン画面

 

激論も パジャマ姿の 下半身

 パジャマ戦士は 今日も闘う

 

リモートで ミュート忘れて 愚痴バレる

 忘れたふりして 愚痴を伝える

 

自粛中 見えた夫の 定年後

 濃厚接触 いかに避けるか

 

テレワーク いつもと違う 父を知る

 誕生祝いに イヤホンセット

 

いつだろう 同期の素顔 見れるのは

 マスクのうらの キミの口紅

 

出勤が 運動だったと 気付く腹

 太っ腹だよ オレの人生

 

わが部署は 次世代おらず 5爺(ファイブジィ)

 コミュニケーション 今もスムーズ

  

<出典>

https://news.yahoo.co.jp/articles/a401fabaa7820cd515a46baabb28b92e7e5cf2b6



2021年1月26日火曜日

(2226)  フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(0) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1367)  2020/12/18オンライン / 「未来をつくるkaigoカフェ」(1) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1367-20201218kaigo1.html

=====

 

☆☆

人種差別的な現実に、ときに目を覆い、耳を塞ぎたくなります。しかし現実から逃げることはできませんし、逃げてはいけません。ファノンはみずからが体験した、そして彼が目撃した人種差別から目を背けませんでした

☆☆

 

100de名著」 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』が、21()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

講師は、小野正嗣(作家、仏語文学研究者、早稲田大学教授)

 

 

<全4回のシリーズ>  いずれも2

【はじめに】  問い続ける勇気を与える書

 

第1回  1日放送/ 3日再放送

  タイトル: 言語をめぐる葛藤

 

第2回  8日放送/ 10日再放送

  タイトル: 内面化される差別構造

 

第3回  15日放送/ 17日再放送

  タイトル: 「呪われたる者」の叫び

 

第4回  22日放送/ 24日再放送

  タイトル: 疎外からの解放を求めて

 

 

【はじめに】  問い続ける勇気を与える書

 

  人種差別はどうして起こるのか。

  それはどのように個々人の心と身体、その生き方に、そして集団の振る舞いに影響を与えるのか。

  どうして黒人は劣等感を抱かされ、自人はその優越を疑わないのか。

  どうすれば黒人は人種差別から解放されるのか。

  どうすれば黒人と白人はともにたがいを尊重し、わかりあうことができるのか。

  どうすれば人間は人種差別のない世界を実現できるのか。

 

 そうした問いを、まだ20代の半ばの医学生フランツ・ファノンは、みずからの差別体験を出発点に、精神医学の知見を支えに、哲学や精神分析を参照し、例としてふんだんに文学作品を引用しながら考察しました。それが1952年に刊行された『黒い皮膚・白い仮面』です。

 人種差別は、海外だけの問題ではありません。残念ながら僕たちとも無関係ではありません。無関係どころか、僕たちの問題そのものです。日常生活のあらゆるところに人種差別はあります。

 

 この世界に人種差別が存在する以上、そして人種差別は決して他人事ではない以上、僕たちは「どうすれば人種差別をなくすことができるか?」と絶えず問わなければなりません。それは「どうすれば僕たちは〈人間〉の名に値する存在となれるか」と言い換えることができるかもしれません。

 『黒い皮膚・白い仮面』から聞こえてくる若きファノンの声は、ときに抑えきれず発せられる怒りに満ちたその叫びとともに、僕たちが世界に向かって、自分自身に向かって問いを投げかけ続ける勇気を与えてくれるのです。

 

<出典>

小野正嗣(2021/2)、フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2021年1月25日月曜日

(2225) 【来月予告】フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』。【投稿リスト】カール・マルクス『資本論』 / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1366)  新型コロナウイルスから「高齢者を守る」 / 高齢者のコロナ対策(2) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1366-2.html

=====

 

【来月予告】 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』 / 100de名著

 

20212月号 (100de名著)    テキストは、1月25日発売予定(NHK出版)

フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』。講師:小野正嗣(作家、仏語文学研究者、早稲田大学教授)

 

BLM(ブラック・ライヴズ・マター)を考えるうえでも今、必読の書

 

フランス領マルティニークで生まれたファノンは、人間の自由と平等を信じ、レジスタンスに志願し、本国で精神医学を学ぶ。だが「白人」のまなざしは彼を「黒人」として差別し続ける。人間の心理に内面化された差別の構造を凝視したファノンの思想を、仏語文学研究者で作家の小野正嗣氏が解説する。

 

 

【投稿リスト】 カール・マルクス『資本論』

公式解説は、

https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/105_sihonron/index.html

 

私が書いたのは、

 

(2198)  カール・マルクス『資本論』(0) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/12/2198-0100de.html

 

(2199)  カール・マルクス『資本論』(1-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/12/2199-1-1100de.html

 

(2202)  カール・マルクス『資本論』(1-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2202-1-2100de.html

 

(2207)  カール・マルクス『資本論』(2-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2207-2-1100de.html

 

(2209)  カール・マルクス『資本論』(2-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2209-2-2100de.html

 

(2214)  カール・マルクス『資本論』(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2214-3-1100de.html

 

(2216)  カール・マルクス『資本論』(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2216-3-2100de.html

 

(2221)  カール・マルクス『資本論』(4-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2221-4-1100de.html

 

(2223)  カール・マルクス『資本論』(4-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/01/2223-4-2100de.html

 

<出典>

斎藤幸平(2021/1)、カール・マルクス『資本論』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



(2224)  ホスピスボランティア シンポジウム(2/21)案内

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1365)  介護事業の倒産が最多 / 高齢者のコロナ対策(1) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1365-1.html

=====

 

 私の属している神戸つむぎの会で開催するシンポジウムのご案内です。ホスピスの大切さが少しずつ理解されてきていると思いますが、現在は、病院や施設が中心です。これから在宅で最期を迎える人が増えるので、難しいけれど避けては通れない課題です。

 

シンポジウム名:

 在宅医療におけるホスピスボランティアのあり方について

 ~ その人らしさを支えるとは~

講師:関本雅子(医療法人社団関本クリニック理事長)

日時:2021221() 13:0016:00

場所:Zoom開催

参加費:無料

※ 事前申込要

 

<お問い合わせ>

神戸つむぎの会

TEL:078-806-0261

FAX:078-806-0262

Mail:alto@kobeima.org

 

Facebookイベントページは、

https://fb.me/e/3qShaZySc

以下は、「お申込みフォーム」の拡大



2021年1月23日土曜日

(2223)  カール・マルクス『資本論』(4-2) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1364) (受診)「私の病院につきあって」という(2) / 認知症の人の不可解な行動(58) <認知症>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1364258.html

=====

 

☆☆

資本によって「否定」され、生産手段と自然を掠奪された労働者が、将来社会では資本の独占を「否定」し、解体して、生産手段と地球を「コモンとして」取り戻す。「コモンとして」とは、共有財産として、ということ

☆☆

 

第4回  25日放送/ 27日再放送

  タイトル: <コモン>の再生 - 晩期マルクスのエコロジーとコミュニズム

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

【テキストの項目】

(1)   資本の略奪欲は自然にも及ぶ

(2)   修復不可能な亀裂

(3)  「複雑さ」の破壊

(4)  『資本論』に編まれなかった晩年の思想

(5)   エコロジーへの傾斜

(6)   原古的な共同体に見た理想

 

(7)   富をシェアする「コミュニズム」

(8)  「脱成長」という第三の道

(9)  「コモン」=商品化への抵抗

(10) 各地で動き始めた「アソシエーション」

(11) 今こそマルクスに学ぶ

 

【展開】

(1)   資本の略奪欲は自然にも及ぶ

(2)   修復不可能な亀裂

(3)  「複雑さ」の破壊

(4)  『資本論』に編まれなかった晩年の思想

(5)   エコロジーへの傾斜

(6)   原古的な共同体に見た理想

 以上は、既に書きました。

 

(7)   富をシェアする「コミュニズム」

 マルクスが思い描いていた将来社会は、コモンの再生に他なりません。いわば、コモン(common)に基づいた社会、つまり、コミュニズム(communism)です。わかりやすくいえば、社会の「富」が「商品」として現れないように、みんなでシェアして、自治管理していく、平等で持続可能な定常型経済社会を晩年のマルクスは構想していたのです。どのように富をコモンとしてシェアするかというと、「人々は各々の能力に応じて(人々に)与え、必要に応じて(人々から)受け取ることができる」。

 コミュニズムは贈与の世界といってもいいでしょう。対価を求めない「贈与」、つまり、分かち合いや助け合いの相互扶助によって、富の持つ豊かさをシェアしていこうということです。

 

(8)  「脱成長」という第三の道

 マルクスがポスト資本主義として構想した将来社会は、コモンを基礎とした“豊かな”社会です。ここでいう豊かさとは、もちろん単なる物質的な豊かさではありません。お金のあるなしに関係なく、みんなにとって大事なものを、みんなで共有できる豊かさ、すべての人が「全面的に発達した個人」として生きられる豊かさです。商品として貶められてきた社会の「富」が持つポテンシャルを、最大限に発揮し、さらに発展させることができる社会といってもいいでしょう。

 マルクスが目指した豊かさは、個人資産の額やGDPで計れるようなものではありません。GDPだけを重視する経済から脱却して、人間と自然を重視し、人々の必要を満たす規模を定常するという意味で、私はこれを「脱成長」型経済と呼んでいます。

 

(9)  「コモン」=商品化への抵抗

 第2回で、今、世界では労働日をめぐって相反する二つの動きが出ているという話をしました。同様に「コモン」をめぐっても、新自由主義がもたらした残念な現実がある一方で、資本の論理に抵抗する様々な取り組みや運動が生まれています。

 残念な現実は、世界経済が低迷し、イノベーションも停滞するなかで、資本主義が、これまで以上にその暴力性をむき出しにして、やみくもに商品化を推し進めようとしていることです。

 「府と市の二重行政を解消して効率化を図る」『大阪都構想』や、「国民の食を支える主要作物に関して、質の高い種子を開発・提供する責任を課した」『種子法』の撤廃は、商品化を進め、コモンを奪います。

 

(10) 各地で動き始めた「アソシエーション」

 2050年までの脱炭素社会を目指すアムステルダム市が、コロナ禍の最中に、オックスフオード大学の経済学者ケイト・ラワースの「ドーナツ経済」という考えを導入することを発表して、世界的な注目を集めています。

 ドーナツ経済について、簡単に説明しましょう。ドーナツの内側が社会的基盤を示しています。教育や民主主義、住宅、電気などへのアクセスが不十分になると、人々はドーナツの穴に落っこちてしまう。一方、外側は環境的上限を表しています。むやみやたらにエネルギーや資源を使用するなら、地球は破壊されてしまうでしょう。だから、できるだけ多くの人がこの両方の円の間に入るような生活を実現する必要があるというのが、ラワースの基本的発想です。

 

(11) 今こそマルクスに学ぶ

 「資本主義は、そろそろ限界かもしれない」と感じている人は、若い世代を中心に確実に増えています。これからも、これまで通り経済成長と技術革新を続けていけば、いつかはみんなが豊かになるというトリクル・ダウンの神話は、もはや説得力を失っています。

 では、どんな社会、どんな世界で暮らしたいのか。そのために、どのような選択をするのか。喫緊の課題ですが、私たちに今、そのはっきりとした答えはありません。

 マルクスが、今日の社会的、経済的課題に対する唯一の絶対的答えを持っているというわけではありませんが、少なくとも彼は、資本主義的な経済成長で問題解決を図るということとは違う可能性を、最も体系的に追求した思想家の一人です。今のような危機の時代にこそ、『資本論』を読んで、資本主義の強固なイデオロギーを打破し、今とは違う豊かな社会を思い描く想像力、構想する力を取り戻すきっかけとしていただきたいと心から願っています。

  

<出典>

斎藤幸平(2021/1)、カール・マルクス『資本論』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)