画面の説明

このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2020年4月30日木曜日

(1955) 【来月予告】『平家物語』(再放送)。【投稿リスト】コッローディ『ピノッキオの冒険』 / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1096)  重度化予防効果の実証結果 / 「あすなら10の基本ケア」(3) <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1096-103.html
=====
 

【来月予告】 『平家物語』 / 100de名著
 予定では、カント『純粋理性批判』だったのですが、アンコール放送に変更になったようです。
 
 平家物語は既に取り上げたので、あらためては書きません。
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/05/1616100de.html
 
NHKの公式解説は、
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/87_heike/index.html#box03
 


【投稿リスト】 コッローディ『ピノッキオの冒険』

NHK公式解説は、
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/97_collodi/index.html
 
 
私が書いたのは、

 
(1925)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(0) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/03/1925-0100de.html
 
(1927)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(1-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1927-1-1100de.html
 
(1929)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(1-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1929-1-2100de.html
 
(1934)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(2-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1934-2-1100de.html
 
(1935)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(2-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1935-2-2100de.html
 
(1941)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1941-3-1100de.html
 
(1943)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1943-3-2100de.html
 
(1948)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(4-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1948-4-1100de.html
 
(1950)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(4-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1950-4-2100de.html
 
 
<出典>
和田忠彦(2020/4)、コッローディ『ピノッキオの冒険』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

2020年4月29日水曜日

(1954) 【日本赤十字社】新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1095)  不揃いのイス / 「あすなら10の基本ケア」(2) <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1095-102.html
=====
 

☆☆
新型コロナウイルスによる感染が流行しています。実はこのウイルスが怖いのは、「3つの感染症〟」という顔があることです。知らず知らずのうちに私たちも影響を受けていることをみなさんはご存知ですか?
☆☆
 
===== 引用はじめ
 この感染症は、“3つの顔”を持っており、これらが“負のスパイラル”としてつながることで、更なる感染の拡大につながっています。
 この度、日本赤十字社ではこの“負のスパイラル”を知り、断ち切るためのガイドとして
「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」を作成いたしました
===== 引用おわり
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/pdf/211841aef10ec4c3614a0f659d2f1e2037c5268c.pdf
 

 前回紹介の「ウイルスの次にやってくるもの」と姉妹編というより、こちらの方が親のようです。今回のものは、3つの「感染症」
   第1の“感染症” 「病気」
   第2の“感染症” 「不安」
   第3の“感染症” 「差別」
が「つながっている」と捉えています。前回のものは、②に関連するものです。

 今回も、不安を煽るのではなく、課題を明らかにし、「では、どうすればよいか」まで書いてあります。
 
 差別・偏見が蔓延っているようです。我が身を危険にさらしながら懸命に頑張っている人に、あまりにもひどい。
新型コロナウイルス(COVID-19)に関わる偏見や差別に立ち向かう ...
新型コロナが猛威振るう中、「保育所等が医療従事者の子ども ...
新型コロナ専門家会議 医療従事者への偏見や差別に警鐘 感染症 ...
「私だから拒まれた」看護師の悲痛な思い-コロナ恐れる偏見の目 ...
新型コロナウイルス 専門家会議~医療従事者に対する偏見や差別 ...
 
 危険のように見える人より、中途半端な人の方が、よほど危ない。
===== 引用はじめ


 徒然草「木登り名人」の現代語訳です。
 有名な木登り名人と世間の人が言った男が人を指図して、高い木に登らせて梢を切らせた時にたいへんあぶなそうに見えた間は、何も言わないで降りててくるときに軒の高さくらいになって「間違いをするな。気をつけて降りろ」と言葉をかけましたので、
私は、「これくらいの高さになってからでは、飛び降りても、きっと降りることができるだろう。どうしてそのように言うのか。」と申しましたところ、
木登り名人が「そのことでございます。目が回り、枝が危ない間は、自分が恐れておりますから申しません。間違いは易しい所になって、必ず起こすことでございます」という
===== 引用おわり
http://h22i.com/wp/archives/136

2020年4月28日火曜日

(1953) 【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」 - YouTube

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1094) 「あすなら10の基本ケア」(1) <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1094101.html
=====
 
 
☆☆
コロナというウイルスと戦う。新型肺炎ととい病気と戦う。それだけではないのだということ、日本赤十字社のアニメーションは伝えようとしている。”恐怖”。もしかしたら「ウイルスよりも恐ろしいもの」としている
☆☆
 
 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の次にやってくる恐ろしいものをテーマにした、日本赤十字社のアニメーション「ウイルスの次にやってくるもの」が公開されました。
 
 私が長々と解説を書いて、それを読んでいただくのでは、時間がもったいない。
 「私に3分間時間をください」
 見始めたら、途中でやめず、必ず最後まで見てください。前半より、後半の方が、大切です。
 そして、くだらないテレビを長々と見ないようにしましょう。
 
<出典>
【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」
https://www.youtube.com/watch?v=rbNuikVDrN4

2020年4月27日月曜日

(1952)  要請に強制力を持たせる、愛と納得とはなにか

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1093)  要介護の高齢者が〝働く〟介護事業所 <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1093.html
=====


☆☆
「自分や周囲の人を大切にしようとする」人々への愛、「自分を貶めたくない」という自分への愛、そして「緊急事態宣言が遅すぎた」と多くの人が言うことにより生まれた納得が、要請であるのに人の行動を変えている
☆☆
 
 「愛と納得があれば、多くの日本人は、強制されず要請だけでも、行動を変える」というのが、前回の結論だった。「愛」とは何か、「納得」とは何か。
 
 この「愛」には二つあると思う。一つは、自分をコロナから守りたい、それ以上に、家族や近しい人にコロナをうつしたくない。自分や周囲の人を大切にしようとする思い。禍(肺炎)から自分も含めて人々を守ろうとする。これが一つ目の愛。もう一つは、「矜持(自負、自尊といった「誇り」あるいは「プライド(pride)」の感情)」、自分を貶めたくないというのも、自分への「愛」と言えるだろう。パチンコを営業する人にも、通う人にも、この愛はない。
 
 では、「納得」とは何か。「外出するな」と言われても、納得していなければ、でかけてしまうだろう。公共の福祉よりも私権を優先すべきだという一定の勢力があり、ほとんどの人がおかしい、止めさせるべきだと考えても、強制的にやめさせられない、脆弱な安全体質の日本である。だから、「要請でも納得して守ってもらう」という、極めて難しい課題に挑戦せざるをえない。

 「緊急事態宣言が遅すぎた」という批判が結構出てきているが、皆が認識しているように、緊急事態宣言は大きな痛みを伴う。コロナの怖さを多くの人が実感していない時期に緊急事態宣言を出すと、大反発が出て来て、「緊急事態宣言が早すぎる」という大合唱が起こっていただろう。この違いが大切だ。
 
 「緊急事態宣言が遅すぎた」だと主張している人は、要請であっても守るだろう、一方「緊急事態宣言が早すぎる」と主張する人は、要請を聞き入れるわけがない。要請を納得していないのだから。
 
 「緊急事態宣言が遅すぎただと主張する人」が、「緊急事態宣言が早すぎると主張する人」より多ければ多いほど、要請に強制力が生まれる。疫学的にどうなのかは分からないが、要請しかできない日本では、納得する人を増やすという意味で、遅すぎだと多くの人が言うまでに遅かったのは、本当は『正解だった』と言えるのではないか。
 

<出典>
添付表は、
https://mainichi.jp/articles/20200426/k00/00m/040/129000c

 

2020年4月26日日曜日

(1951) 「多くの日本人は強制されなくても、要請で変容できる」

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1092)  環境さえ整えば、誰もが穏やかに生きていける <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1092.html
=====
 

☆☆
Jリーグ。スタジアム近隣の住民から苦情が来て試合前の大型スクリーンで自粛を要請した。次節、全くチアホーンが使用されなくなって驚いた。使用禁止と言ってないのに。日本人は自粛であっても実行できる国民性だ
☆☆
 
 「日本人は強制されなくても、要請で変容できる」というのが私の考えだが、“新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための営業自粛要請を無視するパチンコ店とそこに押し寄せるパチンコ客”のニュースを観ていると、違っていたのかなとも思う。、一方、“乗車率0%の新幹線も 「ステイホーム週間」初日 新型コロナ”というNHKニュースを観ると、ちゃんとできているとも思う。
 そもそも「日本人は」という括りが大きすぎる。「多くの日本人は強制されなくても要請で変容できるが、一部の日本人は要請だけでは変容できない」ということだろう。必ず、例外はある。
 そこで沸き起こるのは、何故「多く」はそうであり、「一部」はそうでないのか、という疑問である。
 
 興味深い記事があった。
===== 引用はじめ
 日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(日本トップリーグ連携機構会長)が自身のツイッターに、こう記していた。「Jリーグスタート時はチアホーンが全会場で普及して応援の行き帰りでも吹き鳴らされていた。スタジアム近隣の住民から苦情が来て試合前の大型スクリーンで自粛を要請した。次節、全くチアホーンが使用されなくなって驚いた。使用禁止と言ってないのに。日本人は自粛であっても実行できる国民性だ」
 誇っていい日本人の美徳だろう。
===== 引用おわり
 
 「ただしこれが、国民性だけでなし得た事象だとは思わない。」と続く。
===== 引用はじめ
 サッカーのプロリーグ創設には、さまざまな困難があった。構想は当初、冷笑に迎えらえた。それでも目標に邁進(まいしん)し開幕にこぎつけた。サポーターのチアホーン自粛は、そうしたリーグに対する敬意と大事に育てたい思いが実現させたといえる。いわば、リーグとサポーターの一体感が生んだ小さな奇跡だった。


===== 引用おわり
 
 「リーグに対する敬意と大事に育てたい思い」があったからこそ、要請だけで行動が変わったのだという。一般的な表現にすると「大切にしたいものを大切にする心。愛」だと思う。
 
 一方、乗車率0%新幹線の方は、「納得」だと思う。連日報道されている感染者数の数字だけでは行動はなかなか変わらなかったが、志村けんさんや岡江 久美子さんなどの死亡報道が大きく影響したのではないか。「名前も顔も知らない人」の死と、親しみをもっている人の死とでは、全然インパクトが違う。
 
 本日の結論、「愛と納得があれば、多くの日本人は、強制されず要請だけでも、行動を変える」
 
 続く。
 
<出典>
【風を読む】けちけちするなよ 論説副委員長・別府育郎
産経新聞(2020/04/21)
https://www.sankei.com/column/news/200421/clm2004210007-n1.html
 
写真は、以下より
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200426-00175294/

 

(1950)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(4-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1091)  汁物摂取で肥満予防を <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1091.html
=====


☆☆
人形になる前、まるたん棒であったとき、すでに言葉を持っていた。生まれる前からみずからの意志や個性を備えた存在だったピノッキオ。多くの人たちの創作意欲を刺激し、新しいピノッキオ像をつくり出そうとした
☆☆
 
第4回  27日放送/ 29日再放送
  タイトル: 「帰郷」という冒険
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 
【テキストの項目】

(1)  《おもちゃの国》へ
(2)  遊びの果てに待っていたもの
(3)  子どもを取り巻く過酷な運命
(4)  虐待されるピノッキオと間違いだらけの口上
(5)  巨大なサメ、現る
 
(6)  ジェッペットとの再会
(7)  心を入れ替えるピノッキオ
(8)  労働余暇としてのレクリエーション政策
(9)  ついに願いが叶うとき
(10)ラストシーンをどう解釈するか
(11)日本における受容の歴史
 
【展開】
(1)  《おもちゃの国》へ
(2)  遊びの果てに待っていたもの
(3)  子どもを取り巻く過酷な運命
(4)  虐待されるピノッキオと間違いだらけの口上
(5)  巨大なサメ、現る
 以上は、既に書きました。
 
(6)  ジェッペットとの再会
 逃げようとして必死に泳いだピノッキオだが、サメに呑み込まれてしまいました。お腹の中でピノッキオは、ジェッペットに再会します。
 あの大嵐の波にのまれた際、近くにいたサメに食べられた。その時にサメは一緒に大きな貨物船も呑みこみ、その積み荷の食べ物やろうそくで、ジェッペットは2年間ここで生き延びてきた。しかし、いま灯しているろうそくが最後だといいます。
 グズグズしていられない。脱出の可能性を話し合いました。
 
(7)  心を入れ替えるピノッキオ
 ピノッキオとジェッペットは、サメが眠っている隙に口から海に飛び込んで、脱出に成功しました。岸にたどりついたピノッキオは一軒の小屋を見つけます。あの物言うコオロギが待っていて、この小屋は仙女のプレゼンだ、弱った父親にミルクを飲ませたいならと手に入れる方法を教えてくれました。
 「その日から五か月、ピノッキオは毎朝、陽がのぼる前に起き出して、一杯のミルクのために揚水機を回しにでかけ」ました。少しずつ体力を回復したジェッペットを自分で作った手押し車にのせ、仕事の合間に散歩にでかけました。藁で編んだ籠やざるを作って収入を得、夜遅くまで読み書きの勉強もしました。
 
(8)  労働余暇としてのレクリエーション政策
 ファシスト党の政策に「ドーポラヴォーロ」(仕事のあと)というものがあり、労働者にさまざまな余暇活動を提供することでアフターワークも党が管理するという政策です。
 ピノッキオが仕事の合間に父親を手押し車に乗せて散歩につれていくシーンがありました。この「散歩」とは、経済の言葉で言えば労働余暇で、ファシスト時代のイタリアでとても注目されたのです。
 
(9)  ついに願いが叶うとき
 ピノッキオは、はっと夢から覚めて、あたりを見まわした。おどろいたことに、目が覚めてみると、ピノッキオは、もう、あやつり人形なんかではなく、ほかのみんなと同じ、ほんとうの人間の男の子になっていた。
 椅子によりかかっている元の、あの木のピノッキオをしばらく眺めていたピノッキオ。「あやつり人形だったぼくって、なんておかしなかっこうだったんだろう。でも、いまは、こうして本物の人間の男の子になれて、ほんとうにうれしいな!」
 ピノッキオがこうつぶやいたところで、物語は幕を閉じます。
 
(10)ラストシーンをどう解釈するか
 人形だった自分と男の子になった自分の両方を見ることができる立場に立つことこそが重要だった。ピノッキオは最終的に、自分を相対化したり、客観視できたりする、単なる男の子よりもさらに成熟した存在になったのです。
 わがままで、誘惑にすぐ負けて、失敗ばかりしていたあのころのピノッキオも、なんだか愛しいじゃないか。人間の男の子になった現実と、不条理なことも含めて引き受けて生きていた人形だったころの現実と、私たちはどちらを選ぶのか。両義的であるこの物語を、読者はどう受け止めるのだろうか。
 
(11)日本における受容の歴史
 日本で最初に出版されたピノッキオの物語は、1920(大正9)年、西村アヤという11歳の少女が書いた『ピノチヨ』(キンノツノ社)で、絵入りの単行本としては世界で最初の翻案だと思われます。1925(大正14)年には佐藤春夫が大人向けの完訳本『ピノチオ』(改造社)を、戦後だけでもおよそ10人の翻訳家が単行本を、出版しました。
 宝塚大劇場の公演『ピノチオ』を観劇した手塚治虫が1952(昭和27)年に漫画版『ピノキオ』を描いています。1963(昭和38)年にはフジテレビで、人形アニメ「ピノキオの冒険」が放送されました。
 
<出典>
和田忠彦(2020/4)、コッローディ『ピノッキオの冒険』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

2020年4月24日金曜日

(1949)  コロナウイルス感染者増加傾向は、日本で抑制されつつあるのか

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1090)  認知症に対する点鼻ワクチンの開発 <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1090.html
=====
 

☆☆
日本全体として発症者は抑制されつつあるが高レベル維持。都道府県の差が大きい。全国一律規制は、不適切。日本だけが規制が甘い。「私権の制限」を制限している日本で、このコロナ危機を乗り越えられるのか?
☆☆
 
 47日に改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令され、毎日、新型コロナウイルス感染者数が発表されています。都道府県ごと感染者の人数のだけでなく、増減の傾向と、住人一人当たりの感染者数も大切でしょう。確認してみました。
 
 一つ目の添付図は、日本全体と都道府県(13の特定警戒都道府県)ごとの増加数の傾向を色で表現したものです。一週間の移動平均で評価しています(理由は後述)
 日本全体でいうと、413日の前後一週間がピーク(531人)で、その後減ってはきているものの、442人までにしか減っていません(17%)。ただ、先ずは横ばいになれば、やがて新感染者数と退院者数との数がバランスし、入院中の患者が増加しなくなります。医療体制は既に危機的状況になっていますが、取り急ぎ増加は防ぎ、その後減ってきてほしいものです。
 都道府県別に見ると、ずいぶん違います。一番危ないのが、北海道で、一時収まったかのように見えていましたが、どんどん増えています。その他、危ない順に言うと、埼玉県、大阪府、東京都になります。逆に鎮静化しているのが、岐阜県、栃木県、京都府、福岡県です。ただ、一度鎮静化した後に増大傾向に転じた北海道もあるので、安心できません。国が一律の方針を出すと、どの都道府県でも実態に合わないでしょう。都道府県、あるいはもっと小さな単位で、その地に合った、その時期にあった施策を打ち出すことが大切でしょう。
 日々のデータを見ていると、振れます。都道府県の発表時間と集計時間との関係で、ある日は0になり、翌日に2日分が一気に報道されることがあります(特に大阪府にその傾向があります)。また、いつも月曜日の増加数は小さくなります(日曜日に検査が減るのでしょう)。このようなイレギュラーな要因に惑わされず、大きな傾向を把握するために、一週間の移動平均で見ています。
 
 人口一千万人の都道府県と、百万人の都道府県とでは、当然備えられている医療体制にも、10倍ぐらいの開きがあるでしょう。医療崩壊の危機を検討するため、人口百万人当たりの感染者数をまとめたのが、二つ目の表です。特定警戒都道府県以外で危ないのは、福井県と富山県、少し差があって高知県、沖縄県です。このうち傾向としては、福井県と高知県は最近、新規発症者は抑制されており、沖縄県は一定割合で発症し、富山県が増加傾向になっています(図には示していません)。
 海外ニュースを観ていると、日本だけが、規制が甘いように見えます。「私権の制限」を制限している日本で、このコロナ危機を乗り越えられるのでしょうか?
 
<出典>
データは、主として産経新聞の朝刊から採録しています。


2020年4月23日木曜日

(1948)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(4-1) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1089) 「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」無料公開(4/24 21:00-) <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1089424-2100.html
=====
 

☆☆
人間の男の子になれることが決まったのに、誘惑に負ける。遊びたい!という子どもが引き付けられるだろう。しかし、ロバになったり、サーカスに売り飛ばされたり、皮をはがれそうになる。逃げだしたがサメに追われる
☆☆
 
第4回  27日放送/ 29日再放送
  タイトル: 「帰郷」という冒険
 
【テキストの項目】

(1)  《おもちゃの国》へ
(2)  遊びの果てに待っていたもの
(3)  子どもを取り巻く過酷な運命
(4)  虐待されるピノッキオと間違いだらけの口上
(5)  巨大なサメ、現る
 
(6)  ジェッペットとの再会
(7)  心を入れ替えるピノッキオ
(8)  労働余暇としてのレクリエーション政策
(9)  ついに願いが叶うとき
(10)ラストシーンをどう解釈するか
(11)日本における受容の歴史
 

【展開】
(1)  《おもちゃの国》へ
 いよいよ明日、人間の男の子になれることになったピノッキオですが、《おもちゃの国》に行こうと誘われます。《おもちゃの国》では、毎日がお休みで、朝から晩まで遊んで暮らせるそうです。断っていたピノッキオですが、とうとう誘惑に負けてしまい、迎えの馬車に乗りました。
 馬車を引いていたロバが「なんとも哀れなお人好しだよ。お前ときたら、勝手なことばかりしたがって、いまにきっとしまったと思うはめになるぞ」とピノッキオにつぶやきます。
 
(2)  遊びの果てに待っていたもの
 翌朝、ピノッキオたちは《おもちゃの国》に到着します。住人は子どもだけで、全員が朝から晩まで大騒ぎで遊んでいます。
 ピノッキオは五か月を遊んで暮らしましだが、ある朝目覚めると、ロバの耳が生えていました。「ロバ熱」に冒され、2~3時間後には本物のロバになってしまいました。
 御者の小男は実は、子どもを騙して《おもちゃの国》に連れてきて、さんざん遊ばせたあとにロバにして売り飛ばす悪徳商人だったのです。
 
(3)  子どもを取り巻く過酷な運命
 この日のピノッキオの身に起こったことで明らかになったのは、ここは遊びの国などではなくまったく過酷な、虐待とでも言える使役や仕打ちが待っている場所だったということです。
 見た目がロバになったピノッキオはこのあと市場に連れていかれ、サーカス団に売り飛ばされてしまいます。子どもが労働商品として売買されることは、残念ながら当時のイタリアには現実にあったことでした。
 
(4)  虐待されるピノッキオと間違いだらけの口上
 サーカスの団長に買われたピノッキオを待っていたのは、芸を仕込まれるロバとしての過酷な生活でした。ピノッキオは「ムチでしこたまなぐられて、毛がすっかり抜けてしまった」といいます。
 大入り満員の観客を前に、団長は得意げに向上を述べます。コッローディのユーモアと皮肉のさじ加減が抜群に上手いと感じます。
 ピノッキオはこの公演の途中に足をくじき、お前はもう使い物にならないと、お払い箱にされ、あっさり市場で売り払われてしまいます。
 
(5)  巨大なサメ、現る
 市場でピノッキオを買ったのは、村の楽隊の太鼓に張る皮を探していた男でした。かれはロバのピノッキオを買うと、皮を剝ぐために四つ足をロープで縛って海に沈めます。溺れ死んだら引き上げてゆっくり皮をはごうという算段です。
 ところが仙女が遣わした魚がロバの皮をすっかり食べ尽くし、木の人形に戻ったピノッキオは男から逃げ出し、海を泳いでいきます。岩の上で青い毛並みの美しい子ヤギが鳴いていて、ピノッキオにはそのヤギが仙女の化身のように映ります。
 ピノッキオは岩をめざして泳ぎましたが、海の中から恐ろしい怪物、サメが現れました。
 
 以下は、後に書きます。
(6)  ジェッペットとの再会
(7)  心を入れ替えるピノッキオ
(8)  労働余暇としてのレクリエーション政策
(9)  ついに願いが叶うとき
(10)ラストシーンをどう解釈するか
(11)日本における受容の歴史
 
<出典>
和田忠彦(2020/4)、コッローディ『ピノッキオの冒険』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

2020年4月22日水曜日

(1947)  誇れる生き方を選べば、心が元気になれる(山本一力)

 
◆ 最新投稿情報
=====
(K1088)  長寿の秘訣は「友人」「家事」 <長寿>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1088.html
=====
 

☆☆
コロナウイルスの感染が広がりゆくという現象は、とてもしんどい。けれど、自分に誇りを覚える生き方を選んでいけば、心は元気ななれるんじゃないか。自分の根っこにある道義心を、いまこそ信じて。江戸時代に学ぶ
☆☆
 
 江戸時代の商人は、災害が起きたら普段よりも値引きしてものを売った。
===== 引用はじめ
 … 江戸の街は、大水や大火、疫病などに度々見舞われた。今よりもずっと自然災害や疫病に弱かった時代だ。

 だから江戸時代の商人は、災害が起きたら普段よりも値引きしてものを売った。いつもは8文だけれども4文でいいよ、と。当座のものをみんなが買えるように。
===== 引用おわり
 
 打ちこわしがあったとき、お上はある程度民衆が鎮まるまで静観した
===== 引用はじめ
 江戸にも米屋が蔵に米をため込んだりと、物資を独占する輩はいた。が、後に民衆の打ちこわしがあった。そんなとき、お上はある程度民衆が鎮まるまで静観した。なぜなら米はみんなのものだからだ。それはある意味、道義に照らしたふるまいだった。
===== 引用おわり
 
 1杯だけの牛丼
===== 引用はじめ
 9年前、東日本大震災が発生した夜、自宅近くの牛丼屋で目にした母子3人が、今も忘れられない。牛丼を1つだけ買って、「これはお父さんの分。後の人が買えなくなるからね」と母親が子供に言い聞かせてた。
===== 引用おわり
 
 自分に誇りを覚える生き方を選んでいけば、心は元気ななれるんじゃないか
===== 引用はじめ
 コロナウイルスの感染が広がりゆくという現象は、とてもしんどい。けれど、自分に誇りを覚える生き方を選んでいけば、心は元気ななれるんじゃないか。自分の根っこにある道義心を、いまこそ信じて。
===== 引用おわり
 


 以下、蛇足。
===== 引用はじめ
加古川市内のあるパチンコ店では、開店前から入場整理券を求める人の行列ができる。午後には駐車場が8割近く埋まり、神戸ナンバーの車も目立つ。常連という70代男性は「車は普段よりも倍近くあるかな」。明石市から訪れた20代のアルバイト男性は「近くの店は全部閉まり、仕方なく遠出してきた」と明かす。
===== 引用おわり
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202004/0013284973.shtml
 「誇れる生き方を選ばない人」が、1%にも満たないだろうが、存在する。その人たちが社会全体にとんでもない害悪をなす可能性があるが、今の法律では、それを止められない。道義の通じない人がいることも、事実。
 
 
<出典>
山本一力、日本人は自らを律することができる
産経新聞(2020/04/06)