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このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2021年3月31日水曜日

(2290)  なりたいのは会社員!

 

◆ 最新投稿情報

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(K1431)  超ラジオ体操と筋トレ <体の健康>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1431.html

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☆☆

注目すべきポイント第1のポイントは、「会社員」の人気が小学生から高校生まで男女ともに高いことです。この背景には、コロナ禍で在宅勤務が広がり、親の働く姿を身近にみるようになったこともあると思います

☆☆

 

 第一生命保険は17日、将来なりたい職業の令和2年度のランキングを発表した。小学生の女子の1位が「パティシエ」だったほかは、男子の小中高生、女子の中高生のいずれも「会社員」がトップだった。

 

===== 引用はじめ

 今回の調査から注目すべきポイントを3つ挙げてみました。

 第1のポイントは、「会社員」の人気が小学生から高校生まで男女ともに高いことです。この背景には、コロナ禍で在宅勤務が広がり、親の働く姿を身近にみるようになったこともあると思います。 …

 第2のポイントは、「会社員」以外の職業については男女で異なり、それぞれ身近なものや好きなものを将来につなげようとしていることです。男子は小学生から高校生まで YouTuber/動画投稿者、ITエンジニア/プログラマー、ゲーム制作者というようにIT系の職業が上位を占めています。女子は教師/教員、看護師、パティシエが多いです。 …

 第3のポイントは、女子について、教師や保育士、看護師など、資格を取得して働く職業が上位にあることです。結婚を望む割合も、男子より女子の方が高いです。結婚して働き続けることを将来の姿として思い描いている女子が多いことがわかります。 …

===== 引用おわり

 

 添付図を見ての、私(=藤波)の感想

  小学生と中学生とは大きく違う。中学生と高校生とは全く同じ。つまり職業観は、小学生から中学生になる頃、大きく変わる

  「いいな」「面白そうだな」と自分本位の考えから、現実的なものに変わる

  女子の「会社員」「公務員」「看護師」は、大きな組織の一員として、自分を位置づけているのではないか

  「ITエンジニア・プログラマー」は、自分の腕で勝負するとイメージする。しかし(この図からは読み取れないが)「女子化」しているのではないか

 

<出典>

男女とも人気は「会社員」 なりたい職業調査、在宅で身近に

産経新聞(2021/03/18)

https://www.sankei.com/politics/news/210317/plt2103170029-n1.html

 

32回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表

(第一生命保険株式会社)

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf



2021年3月30日火曜日

(2289)  刷新される見通しとなった大学入学共通テスト 「情報」問題を解説

 

◆ 最新投稿情報

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(K1430)  認知症の人の世界を理解する「9大法則と1原則」(杉山孝博)(3) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1430-3.html

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☆☆

7年に刷新する大学入学共通テストの出題教科・科目の再編案をまとめた。地理歴史と公民、理科などの科目を見直すほか、教科にプログラミングを含む「情報」を新設し、現行の6教科30科目から7教科21科目とする

☆☆

https://www.sankei.com/life/news/210324/lif2103240023-n1.html

 

===== 引用はじめ

 令和7年1月の大学入学共通テストから出題教科・科目が刷新される見通しとなった。大学入試センターが24日に公表した「歴史総合」や「情報」などの問題例では、4年度から段階的に実施される高校の新学習指導要領を踏まえ、複数の資料や会話文の読み解きを通して能動的な思考力を試す出題が中心となった。特徴的な問題を紹介する。

===== 引用おわり

 

===== 引用はじめ

■情報 論理的な思考力を確認

  第2問は、18歳になって選挙権を得た生徒2人の会話を場面に設定し、比例代表選挙で得票数に応じて議席を配分する「ドント方式」のプログラミングを考えさせる。18歳選挙権は公民科のキーワードでもあり、高校生にとって身近なテーマだ。

  問1では、会話文を読みながら、表に示された得票データなどを踏まえ、繰り返しなどの処理を使って当選者数を導き出すプログラムの完成が求められる。

  令和4年度に新設される必修科目「情報I」で学ぶ基本的な知識が必要であるものの、この設問で試されているのは、問題解決のため、的確な手順を選び出せる論理的な思考力の有無だ。

===== 引用おわり

 

 下記「情報 サンプル問題」の第2問 問1に当たります。これは、簡単に解けました。久しぶりに受験勉強をしたくなりました

 

情報 サンプル問題

https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040365.pdf&n=%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C%EF%BC%88%E6%83%85%E5%A0%B1%EF%BC%89_%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E7%89%88.pdf

 

「情報」試作問題(検討用イメージ)

http://www.ipsj.or.jp/education/9faeag0000012a50-att/sanko2.pdf

 

<出典>

刷新される見通しとなった大学入学共通テスト 特徴的な問題を解説

https://www.sankei.com/life/news/210324/lif2103240044-n1.html



2021年3月29日月曜日

(2288)  渋沢栄一『論語と算盤』(0) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

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(K1429)  介護付き有料老人ホーム。高い理由と費用を抑える方法 <高齢期の住まい>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1429.html

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☆☆

また、渋沢栄一の姿から私たちが学べるのは、経済や社会にまつわることだけではありません。渋沢は、その人生で何度も苦境に陥りますが、その度に逆境をはねのけ、立ち上がり、自らの道を歩み続けました

☆☆

 

100de名著」 渋沢栄一『論語と算盤』が、45()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

講師は、守屋淳(作家、中国古典研究家)

 

 

<全4回のシリーズ>  いずれも4

【はじめに】  近代日本の「原点」に学ぶ

 

第1回  5日放送/ 7日再放送

  タイトル: 高い志が行動原理を培う

 

第2回  12日放送/ 14日再放送

  タイトル: 「信用」で経済を回せ

 

第3回  19日放送/ 21日再放送

  タイトル: 「合本主義」というヴィジョン

 

第4回  26日放送/ 28日再放送

  タイトル: 対極にあるものを両立させる

 

 

【はじめに】  近代日本の「原点」に学ぶ

 お札になったこと、さらに今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公になったことをきっかけに、渋沢という人物に興味を持たれた方も、多いのではないでしょうか。

 渋沢栄一は、明治時代に活躍した実業家であり、近代日本社会や経済の礎を築いた人物です。生涯で約五百の会社や約六百の社会事業にかかわりました。経済分野のみならず、社会全般、ひいては国際関係にまで大きな業績を残した人なのですが、十年ほど前まで一般にはその名前があまり知られていませんでした。

 『論語と算盤』は、厳密には渋沢栄一の「著作」ではなく、渋沢の膨大な講演の記録を、編集者の梶山彬が十のテーマに分けて切り貼りし、再構成した「講演抄」に当たるものです。

 彼の「論語と算盤」というモットーに端的ですが、渋沢栄一の思想を学ぶことで、社会や政治、経済、倫理、ビジネスなどの大局的なバランスを俯敵する重要さをあらためて考えさせられたのです。

 渋沢栄一と『論語と算盤』が注目され始めた時期は、リーマンショックで世界経済が大打撃を受けた時期と重なります。日本の資本主義や経営は何を道しるべにすべきなのか。そう考えたビジネスパーソンたちがスポットを当てたのが、「近代日本の建設者」とでもいうべき渋沢栄一でした。

 現在の日本の制度や仕組みの多くは、近代化を推し進めた明治期に端を発しています。渋沢栄一が百年前に唱えた「合本主義」――企業だけでなく社会全体を富ませようとする経済のあり方――は、現代に生きる私たちが未来を描く時、大きな示唆を与えてくれます。

 

<出典>

守屋淳(2021/4)、渋沢栄一『論語と算盤』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



(2287)  品格に欠ける相手に、いかに対決するか

 

◆ 最新投稿情報

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(K1428)  認知症の人の世界を理解する「9大法則と1原則」(杉山孝博)(2) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1428-2.html

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☆☆

中国のGDP(国内総生産)が世界一になったとしても、主要民主主義国のGDPの合計は中国のそれよりはるかに大きい。民主主義の価値観を共有する国々の連帯が、品格に欠ける中国より劣勢になるとは考えにくい

☆☆

 

 西原正氏が、「中国の政治体制に欠ける品格」と題して、「国際社会はもっと声を大きくして中国を批判すべきである。」と主張していますが、私は違和感を覚えます。

 第一に、これは品格の問題ではない。第二に、声を大きくして批判しても、解決にならない。第三に、「財団法人平和・安全保障研究所理事長」「国際安全保障学会会長」「防衛大学校名誉教授」がこんなことを言っていて日本は大丈夫か。

 

 先ずは、「中国の政治体制に欠ける品格」とは何を指すかというと、

===== 引用はじめ

 中国は経済力と軍事力の分野で秀でていても、指導者たちの統治手法はきわめて品格に欠ける。国民から人権を奪い、政府の政策に従う人たちのみを「愛国者」と呼んだり、少数民族への文化的配慮を無視したりするなど、驚くばかりである。また国民と共有すべき情報の隠蔽(いんぺい)や、弱小国に対する傲慢な態度もそうである。

 最近の5つの例を見よう。

===== 引用おわり

 

 次に、「最近の5つの例」とは何を指すか、タイトルを拾うと、

  人権を失った香港

  人権を失ったウィグル族

  コロナ感染に見る情報隠蔽

  債務付け

  弱小国いじめ

 各々の詳細を知りたい方へ。<出典>にリンクがあります。

 

 「私(=藤波)は違和感を覚えます」とは、

(1)        第一に、これは品格の問題ではない。

 これは、日本が受けている脅威であり、我々の安全が危険にさらされている、ということが一番大事な認識だと思う。中国に品格が欠けているかどうかは、中国の問題。我々が真剣に考えるべきは、中国に品格が欠けているかどうかではなく、中国が日本の安全を脅かしていること、そして、それにどう対抗するか。自分ごとなのに、他人ごとにしてしまっている。

 

(2)        第二に、声を大きくして批判しても、解決にならない。

 個人であれ、団体であれ、国であれ、おおよそ品格に欠けている相手を批判したところで、ほとんど効果がない。もしも効果がある相手なら、少しは品格がある。確かに日本からの批判は軟弱であり、声を大きくして批判するのには賛成だが、それだけで終わっては、事態は、いっそう悪化に進む。

 

(3)        第三に、「財団法人平和・安全保障研究所理事長」「国際安全保障学会会長」「防衛大学校名誉教授」がこんなことを言っていて日本は大丈夫か。

 経歴を見ると、氏は防衛に関する専門家のようである。何故専門家なのにこのようなことしか書けないのかと疑問を感じたが、よく考えると、だからこそ、言葉を慎重に選ばないと猛烈なバッシングを受ける。自分を最初に防衛しなければならない立場なのだから、致し方ないのかもしれない。

 

 防衛についても、防衛をいかにすべきかを喧々諤々と議論できない。日本は、マスコミによる言論統制が激しすぎて、まことに不自由な国になってしまった。マスコミは今や、言論統制される立場にはいない。自身の価値観に反する相手を言論統制するのに忙しい… 話題が変わってしまった。ここで終わりにする。

 

<出典>

中国の政治体質に欠ける品格

【正論】 産経新聞(2021/03/16)

https://special.sankei.com/f/seiron/article/20210316/0001.html



2021年3月28日日曜日

(2286) 【来月予告】渋沢栄一『論語と算盤』。【投稿リスト】『100分de災害を考える』 / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

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(K1427)  神戸・銭湯フォーカスプロジェクト <見守り>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1427.html

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【来月予告】 渋沢栄一『論語と算盤』 / 100de名著

 

20214月号 (100de名著)    テキストは、3月25日発売(NHK出版)

渋沢栄一『論語と算盤』。講師:守屋淳(作家、中国古典研究家)

 

「モラル」と「ビジネス」を両立させる思想とは

 

NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、新一万円札の顔にもなる渋沢栄一の代表作『論語と算盤』。行き過ぎた資本主義の弊害が問題視されるなか、『論語』の教えを重視し、倫理的で社会全体を富ませる経済のあり方を追求した渋沢の思想と人生を、中国古典の専門家である守屋淳氏が解説する。

 

【投稿リスト】 『100de災害を考える』

公式解説は、

https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/107_saigai/index.html

 

 

私が書いたのは、

 

(2256)  『100de災害を考える』(0) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/02/2256-100de0100de.html

 

(2257)  『100de災害を考える』(1-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/02/2257-100de1-1100de.html

 

(2258)  『100de災害を考える』(1-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/02/2258-100de1-2100de.html

 

(2262)  『100de災害を考える』(2-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2262-100de2-1100de.html

 

(2264)  『100de災害を考える』(2-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2264-100de2-2100de.html

 

(2269)  『100de災害を考える』(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2269-100de3-1100de.html

 

(2272)  『100de災害を考える』(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2272-100de3-2100de.html

 

(2277)  『100de災害を考える』(4-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2277-100de4-1100de.html

 

(2278)  『100de災害を考える』(4-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/03/2278-100de4-2100de.html

 

<出典>

若松英輔(2021/3)、『100de災害を考える』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



(2285)  的外れな告げ口(2)

 

◆ 最新投稿情報

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(K1426)  認知症の人の世界を理解する「9大法則と1原則」(杉山孝博)(1) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1426-1.html

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☆☆

過去の歴史から見て、告げ口によって事態が好転したことはないだろう。告げ口文化の韓国歴史ドラマ。王宮での権力争いは告げ口が主役だ。「王様、彼は謀反を企てております」。で、名君になるべき若者が失脚する

☆☆

 

 前回に続き、増田明美さん書いた記事です。

===== 引用はじめ

 侮辱された(と第三者が言っている)渡辺直美さんは以前、子供向けのバラエティー番組内で、ダンス&ボーカルデュオ「ピッグ☆レディ」を結成している。骨付き肉を思わせるハンドマイクを持ち、かわいらしいブタの鼻を着けた「ぽっちゃりデュオ」だった。

 名前は1970年代に絶大な人気を誇った「ピンク・レディー」をもじったのだろう。「太っていることは決して悪くない」と、“ぽっちゃり女子”にエールを送る歌をうたっていた。それは面白くて勇気をもらえる内容だった。

 エンターテインメントの世界で活躍する渡辺さん本人が寄せたコメントの全文を読むと、侮辱されたとは思っていないのも分かる。

 

 今回、世界に恥をさらしてしまったのは、的外れな告げ口を大々的に取り上げた日本のメディアではないだろうか。そして、理不尽な批判に組織委員会はピシっと正論で対抗してほしかった。

===== 引用おわり

 

 以下は、2012919日の記事です。

===== 引用はじめ

 はんにゃとフルーツポンチがMCを務める子供番組「ピラメキーノ」(テレビ東京系)にて、渡辺直美とニッチェ江上がダンス&ボーカルデュオ「ピッグレディ」を結成した。

 渡辺は「太ってることは決して悪くない! しょうがない! プラスに考えて、自信を持って前を向いて、立派な太った大人になってほしいですね。我々も頑張ります!」とぽっちゃり女子にメッセージ。江上も「ピッグレディで全国のデブ女子に勇気を与えたいです。デブは恥ずかしいことじゃない!

===== 引用おわり

https://natalie.mu/owarai/news/76664

 

 次は、2021318日の渡辺直美さんの発言。

===== 引用はじめ

 容姿については「表に出る立場の渡辺直美として、体が大きいと言われる事も事実ですし、見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいております。実際、私自身はこの体形で幸せです。なので今まで通り、太っている事だけにこだわらず『渡辺直美』として表現していきたい」とした。

===== 引用おわり

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202103180000948.html

 

 渡辺直美さんの考えは、ぶれていません。

  太っている人を侮辱しているのは、誰だろうか? その人の論理は、「太っていることは恥ずべきことだ」という前提から組み立てられています。その前提は、太っている人を侮辱するものだと、私には思えます。


<出典>

スポーツジャーナリスト・増田明美 的外れな告げ口に対抗を

【思ふことあり】 産経新聞(2021/03/23)

https://www.sankei.com/column/news/210323/clm2103230007-n2.html



2021年3月27日土曜日

(2284)  的外れな告げ口(1)

 

◆ 最新投稿情報

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(K1425)  セーフプレースメント・トータルサービス / 70歳就業は努力義務(3) <高齢期の仕事>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1425-3.html

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☆☆

辞任に疑問。今回の佐々木さんのアイデアは、チーム内で「没」にされたものだ。ビジネスの世界の手法で、没にしたアイデアの責任を取らなければいけないなら、創造力を捨てろと言っているようなものである

☆☆

 

 増田明美さん書いた記事です。特に付け加えることはないので、以下、全て引用です。次回に続く。

 

 東京五輪・パラリンピックの開閉会式で、企画・演出の統括役を務めるクリエーティブディレクターの佐々木宏さんが辞任した。違和感と怒りを感じる。

 問題は約1年前、演出チーム内でさまざまな企画を出し合う段階で出た一つのアイデア。それが女性タレントの容姿を侮辱したとされている。しかし、佐々木さんはその場でメンバーに注意され、謝罪し、撤回。指摘されたメンバーにお礼まで述べている。素晴らしいチームで準備を進めていたことが分かるのだ。

 アイデアを出し合った内輪のやり取りを1年たった今、告げ口した人のなんと卑怯(ひきょう)なことか。加えて、「女性の容姿を侮辱」などと、事実を歪曲(わいきょく)させてセンセーショナルな見出しで伝えるメディアも情けない。

 

 チームで新たなコト、モノを創り上げる作業をしたことがある人なら分かると思う。質より量を重視して、集団でアイデアを出し合う方法としてブレーンストーミングやアイデアフラッシュなどいくつかの手法があるが、ポイントは自由闊達(かったつ)な意見を出し合うこと。

 間違った言葉や役に立たないこともどんどん出していい。私なんか、この段階でのことを告げ口されたら命がいくつあっても足りないと思う。とにかく皆でアイデアを出して、ダメなものはチーム内で議論しながら削除していく。

 今回の佐々木さんのアイデアは、チーム内で「没」にされたものだ。ビジネスの世界の手法で、没にしたアイデアの責任を取らなければいけないなら、創造力を捨てろと言っているようなものである。

 

<出典>

スポーツジャーナリスト・増田明美 的外れな告げ口に対抗を

【思ふことあり】 産経新聞(2021/03/23)

https://www.sankei.com/column/news/210323/clm2103230007-n1.html



(2283)  コロナなぜ人を自殺に追い込む

 

◆ 最新投稿情報

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(K1424)  ニーズとメリット / 70歳就業は努力義務(2) <高齢期の仕事>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1424-2.html

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☆☆

コロナ禍の中で最も真剣に考え取り組まねばならない課題が、疲憊期において打ちのめされている多くの人々を不安と恐怖、孤独や孤立からどうやって救出するかというテーマであり、今後の政策の焦点となること願う

☆☆

 

 昨年の日本人の自殺者は、リーマン・ショック直後の平成21年以来、11年ぶりに増加に転じたという。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛など生活環境の変化が大きく影響したものと考えられている。自殺者増をもたらしたのは女性と若者である。

 コロナの影響が女性の非正規雇用者比率の高いサービス産業において顕著であり、そのために少なくない数の女性が仕事を失って生活に窮し、自殺にまで追い込まれた可能性がある。また、昨年中に自殺した小中高校生は前年を上回って過去最高となり、15~39歳人口の死因の第1位が自殺となったという。キャンパスでの生活に強い制約を課されている大学生のストレスはいよいよ強い。

 

 外部から生体にかかるストレス反応についてのハンス・セリエによる古典的研究:

 生体は外部からのストレスに、最初はうまく適応できないものの、やがてストレスに抗する生体防衛反応が機能し始め、ほどなく2つがバランスを取って、なんとか心身を平静に保つことができるようになる。

 しかし、さらに強いストレスに晒(さら)されると生体の防衛反応が次第に消耗して、平時には適正に調整されていた心身のさまざまな機能が崩壊する疲憊期、つまり心身の極度の疲労状態に入る。

 

 感染症それ自体への対処にはもちろん最善を尽くしてもらわねばならない。しかし同時に、感染におののき、そのおののきから生じる不安、恐怖、抑鬱、自殺などへの対処が、今後、緊急課題として浮上してくると構えなければならない。

 

<出典>

渡辺利夫、コロナなぜ人を自殺に追い込む

【正論】 産経新聞(2021/03/23)

https://special.sankei.com/f/seiron/article/20210323/0001.html?838201

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添付は、

https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00976/



2021年3月26日金曜日

(2282)  正義の制裁

 

◆ 最新投稿情報

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(K1423)  制度と企業の動き / 70歳就業は努力義務(1) <高齢期の仕事>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1423-1.html

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☆☆

国会でも、自身は絶対に正しいと陶酔して、一方的に相手を責め立てる質問者を見受ける――テレビで国会中継を聴いていると不快になる。論争する相手への敬意が感じられない。悪者にしたて正義を振りかざしている

☆☆

 

===== 引用はじめ

 「正義」は際限なく生贄(いけにえ)対象を欲し、たたきのめす。

 世の中が正邪・善悪の二元論で成り立つような単純なものではないことは、誰しも分かっているはずである。もちろん反省すべきは反省し、正すべきは正していく必要はあるが、特定個人を断罪し、攻撃し続けても息苦しい社会を生むだけだろう。

 こんな嫌な風潮が広がるのはなぜか。脳科学者、中野信子さんのベストセラー『正義中毒 人は、なぜ他人を許せないのか』によると、他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質が放出されるからだという。中野さんは、正義に溺れてしまった状態を正義中毒と名付けた。

===== 引用おわり

 

<出典>

【産経抄】 産経新聞(2020/03/06)

https://special.sankei.com/f/sankeisyo/article/20210306/0001.html?533366

  会員記事(無料)



2021年3月24日水曜日

(2281)  理想の指導者像とは

 

◆ 最新投稿情報

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(K1422)  コストかけず介護の現場を効率化、その名も「タダカヨ」(2) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1422-2.html

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☆☆

斉藤先生は「言う通りにやれば強くなるんだ」と、選手に信念を押し付ける人。井上監督は一段高い場所から選手たちを導いている観。鈴木総監督は、選手との距離を縮めながらともに上を目指す「平和」を志向

☆☆

 

 鈴木桂治は、先日、日本オリンピック委員会(JOC)の主宰するナショナルコーチアカデミーで、「金メダリストのコーチング論」と題して講演した。比較対象として語ったのは、(1)亡き恩師の斉藤仁先生と、(2)男子日本代表監督の井上康生さん、そして(3)私(=鈴木桂治)。

 

(1)  亡き恩師の斉藤仁  ~ 「熱」

 斉藤先生は「言う通りにやれば強くなるんだ」と、選手に信念を押し付ける人だった。信頼関係の有無など気に留めず、慕われようという下心もない。あるのは「強くしてやる」というすさまじい熱量だった。異様なほど「1」に執着する人を黙らせる答えは、勝つことだけ。

 

(2)  男子日本代表監督の井上康生  ~ 「誠実」

 いまの男子日本代表は中心に選手がいて、井上監督が一段高い場所から彼らを導いている観がある。「最強(選手として)かつ最高(人として)たれ」を代表の信条に掲げ、監督自らが道を踏み外すことなく、厳しく身を律している。選手が心酔するのもうなずけるし、「この人についていこう」と周囲を自然に服させる指導者だと思う。

 

(3)  国士舘大学柔道部総監督の鈴木桂治  ~ 「平和」

 選手との距離を縮めながらともに上を目指す「平和」を志向している。「信用してくれ」と頭を下げるのは、何の解決にもならない。疑念を持たれぬためには本音で付き合うほかない。意見をぶつけ合い、彼らが存分に力を出せる状況を作ることが互いの信頼につながる。酒食をともにし、彼らの芯にあるものに触れようと努めてもきた。「わがままを言ってくれ」というのが私のスタンスだ。

 

 時代に応じて、場の状況に応じて、指導者に求められるものは変わっていく。

 

<出典>

理想の指導者像とは

【鈴木桂治 柔らのすゝめ】 産経新聞(2021/03/24)

 

写真は、

https://book.asahi.com/article/12472824



2021年3月23日火曜日

(2280)  裁判にも影響「後知恵バイアス」…無意識に記憶が変わる(2)

 

◆ 最新投稿情報

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(K1421)  個人Blog 3月中旬リスト <サイト紹介>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1421-blog-3.html

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言われてみればそんな気がする-。誰しもがそんなことを感じた経験があるだろう。人間は後から結果や知識を与えられると、知覚や記憶を無意識に変化させてしまうことがある。「後知恵バイアス」と呼ばれる現象だ

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 言われてみればそんな気がする-。誰しもがそんなことを感じた経験があるだろう。人間は後から結果や知識を与えられると、知覚や記憶を無意識に変化させてしまうことがある。「後知恵バイアス」と呼ばれる現象だ。

 阪市立大の山祐嗣教授(認知心理学)によると、結果や知識を得ることで、無意識に過去の記憶を書き換えたり、知覚を修正してしまったりする現象を指す。

 山教授は「日常生活でも頻繁に起きる」とも指摘する。たとえばスポーツや選挙で自身の予想と異なる結果が出た際、「予想は外れたけど、こうなる可能性があることも分かっていた」と感じたことはないだろうか。強がりや負け惜しみではない。無意識にこう思ってしまうのも後知恵バイアスの典型といえる。

 山教授によると、物事の考え方や文化の違いにより、西洋人より東洋人の方が後知恵バイアスが起きやすいというデータもあるらしい。山教授は「後知恵により、記憶だけでなく、ものの見え方や感じ方も変わるということを知っておくべきだ」と訴えた。

 

<出典>

裁判にも影響「後知恵バイアス」…無意識に記憶が変わる

産経新聞(2021/03/17 )

https://www.sankei.com/premium/news/210317/prm2103170001-n1.html



(2279)  裁判にも影響「後知恵バイアス」…無意識に記憶が変わる(1)

 

◆ 最新投稿情報

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(K1420)  コストかけず介護の現場を効率化、その名も「タダカヨ」(1) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1420-1.html

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☆☆

平均値を比較したところ、鉄砲水の発生という「結果」を事前に知らされたグループの方が、より強く濁りを評価する傾向が出た。「同じ写真でも、結果を知ることで濁りが強く見える。典型的な後知恵バイアスだった」

☆☆

 

 後知恵バイアスは、事件や裁判にも影響を与えることがあるという。

 ある川で起きた鉄砲水による水難事故をめぐる刑事裁判。当事者が発生の予兆である川の濁りを事前に認識し、事故を回避できたかどうかが争点だった。

 だ、事故前に撮影された川の写真は評価が分かれるものだった。事故前に現場にいた関係者は写真を見て、「水は濁っていた」と証言。しかし本当に川が濁っていたのかどうか、写真だけで断定できる要素はなかった。

 「鉄砲水が起きたことを知っているため、濁っているように感じているのではないか」と考えた弁護側は平成27年、認知心理学を専門とする山教授に証言を依頼した。

 

 「後知恵」の存在は、記憶やものの見え方にどの程度の影響が出るのか。山教授は学生114人を対象にいくつかの実験を行い、影響を調べた。

 ある実験では学生を2つのグループに分け、河川の写真を提示。水の濁りが鉄砲水の予兆であることをあらかじめ伝え、濁りの程度を7段階で評価するよう求めた。ただ、片方のグループには「実際に鉄砲水が起きた川」として写真を見せた一方で、もう片方には鉄砲水の情報を与えず、評価をどう左右するかを検証した。

 平均値を比較したところ、鉄砲水の発生という「結果」を事前に知らされたグループの方が、より強く濁りを評価する傾向が出た。条件を変えた別の実験でも同様のデータが得られ、「同じ写真でも、結果を知ることで濁りが強く見える。典型的な後知恵バイアスだった」

 

<出典>

裁判にも影響「後知恵バイアス」…無意識に記憶が変わる

産経新聞(2021/03/17 )

https://www.sankei.com/premium/news/210317/prm2103170001-n1.html



2021年3月21日日曜日

(2278)  『100分de災害を考える』(4-2) / 100分de名著

 

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(K1419)  信号無視など違反11種対象 75歳以上の運転技能検査 警察庁有識者会議が報告書 <その他>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1419.html

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☆☆

「分かる」とは、変わること ~ その通りだと私も思う。納得。分かるのは私であり、その私が分からないから分かったに変わったということは、私が変わったということ。分かることは、私の存在そのものに関わる

☆☆

 

第4回  22日放送/ 24日再放送

  タイトル: 池田晶子『14歳からの哲学』--「自己」とのつながり

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

 

【テキストの項目】

(1)   大事なことは平易な姿をしている

(2)  「おもう」から「考える」へ

(3)  「言葉の意味」を考える

 

(4)  「自分」は死ぬのだろうか

(5)   わからないことから始まる

(6)  「分かる」とは、変わること

 

【展開】

(1)   事なことは平易な姿をしている

(2)  「おもう」から「考える」へ

(3)  「言葉の意味」を考える

 以上は、既に書きました。

 

(4)  「自分」は死ぬのだろうか

 もし自分がないなら、そこには自分はないのだから、「自分がない」と考えている自分もないはずだね。だから、やつぱり「自分がない」と自分が考えることはできないということになる。自分がないということを考えることができないということは、ひょっとしたら、自分は死ぬということはない、自分は死なない、ということなんじゃなかろうか。

 なるほど他人にとつては、誰それさんは死んでいなくなったけれども、誰それさん自身がいなくなったのかどうかを、誰それさんではないところの他人が、なぜ言えるのだろうか。目に見える物としての死体は、燃やせばなくなる。(中略)では心としての誰それさんは、どうなったのだろう。目には見えないものが、なくなったのかどうか、そもそも目には見えないのに、どうしてわかるのだろう。

 

(5)   わからないことから始まる

 全然わけがわからなくなりましたって言うなら、君、大成功だよ。わからなくなったからこそ、これから考えられるんだ。悩まないで、考えてゆけるんだ。(中略)大丈夫、考えてゆけるよ。だって、君には、考える精神があるからだ。

 わからない、という状態に身を置くことから、考えることが始まる。これは誰にも実感があるのではないでしょうか。しかし、「考える」ということは、ある種の挑戦です。そして、忍耐と辛抱が必要です。私たちは「考えられない」のではなく、「考える」ことを、あまりに簡単に手放しているのではないでしようか。

 頭でわかろうとするのではなく、精神によって考えなければ、憎しみや苦しみを克服できない。

 

(6)  「分かる」とは、変わること

 頭でわかるだけの知識、借り物の知識なんかに、どうして一人の人間の人生を変えてしまうだけの力があるだろう。なぜなら、「考える」とは、まさにその自分の人生、その謎を考えることに他ならないからだ。(中略)考えるということは、答えを求めるということじゃないんだ。考えるということは、答えがないということを知って、人が問いそのものと化すということなんだ。どうしてそうなると君は思う。

 謎が存在するからだ。謎が謎として存在するから、人は考える、考え続けることになるんだ。

 この本に書いてあることを自分で考えて、自分の知識として確実に知ったのなら、君の生き方考え方は、必ず変わる。変わるはずなんだ。本当に知る、「わかる」とは、つまり、そういうことなんだ。

 

 

<出典>

若松英輔(2021/3)、『100de災害を考える』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2021年3月19日金曜日

(2277)  『100分de災害を考える』(4-1) / 100分de名著

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(K1418)  高齢化社会 軽くでも体を動かし続けることが大切 <体の健康>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/03/k1418.html

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☆☆

生きていることが素晴らしかったりつまらなかったりするのは、自分がそれを素晴らしいと思ったり、つまらないと思ったりしているからなんだ。いったい他の誰が、自分の代わりにそう思うことができるのだろうか

☆☆

 

第4回  22日放送/ 24日再放送

  タイトル: 池田晶子『14歳からの哲学』--「自己」とのつながり

 

 

【テキストの項目】

(1)   大事なことは平易な姿をしている

(2)  「おもう」から「考える」へ

(3)  「言葉の意味」を考える

 

(4)  「自分」は死ぬのだろうか

(5)   わからないことから始まる

(6)  「分かる」とは、変わること

 

【展開】

 そして最後に、私たちは真の意味で「自分/自己」とのつながりを確かめなくてはなりません。そのことを平易な、しかし熱い言葉で書き記しているのが池田晶子の『14歳からの哲学』です。大きな危機に直面したとき、私たちは生きる意味や指針を自分の外に求め、情報や知識をたよりにしがちです。しかし、池田晶子はそうした態度を強く戒めます。私たち自身に留まって、存在のありようを深く確かめること、そのこと自体が真理の発見を導くというのです。

 

(1)   事なことは平易な姿をしている

 『14歳からの哲学――考えるための教科書』は、これから十四歳になろうとする実在の「君」に語りかけるように書かれた著作で、難解な哲学用語も引用も、ほとんど出てきません。ありのままの生活の深部を覗こうとするのですから、彼女が用いる言語もじつに平易です。

 この本は、読者が何歳であったとしても、内なる十四歳の眼を開くように促してきます。それは、自分にとって切実な問題としっかりと向き合うまなざしといってもよいかもしれません。

 十四歳の眼は、通常では見通すことのできないものを見つめます。そして、知ることに留まらず、その奥にあるものを感じようとします。自分の経験をたよりにしながら、全身全霊でそれと対峙します。

 

(2)  「おもう」から「考える」へ

 池田晶子は、「おもう」は「不思議な感じの出てくるところ」だと書いています。つまり「おもう」とは、自分のなかにある「不思議な感じ」を体感する行為なのです。さらに池田は、その体感から哲学は始まったのだと述べ、「おもう」ことから「考える」ことへと「君」を誘います。「考える」ことの意義をめぐって、「悩む」ことと対比させつつ語る一節を読んでみたいと思います。

 もし本当にそれがわからないことなのだったら、君は、悩むのではなくて、考えるべきなんじゃないだろうか。あれこれ思い悩むのではなくて、しっかりと考えるべきなんじゃないだろうか。

 考えるというのは、それがどういうことなのかを考えるということであって、それをどうすればいいのかを悩むってことじゃない。

 

(3)  「言葉の意味」を考える

 「考える」と並んで、池田晶子が大切にしたのは「言葉」という言葉です。私たちは「考える」ときに言葉を使います。言葉を使って考え、他者と対話し、書物を読む。そして、言葉はときに、はっきりと語られていないものを伝えることがある不思議なものです。

 このことからわかるのは、何か目に見える物を意味する言葉でも、その言葉の意味は、決して目に見える物ではないということだ。いいえ、私は目の前に犬の姿をありありと思い浮かべられますと言う人もいるだろう。でも、その犬の姿を、手でさわることはやっぱりできないね。つまり、言葉の意味というものは、日に見えて手でさわれるこの現実の世界には、存在していないということなんだ。意味というのは、別の世界に存在するものなんだ。

 

 以下は、後に書きます。

(4)  「自分」は死ぬのだろうか

(5)   わからないことから始まる

(6)  「分かる」とは、変わること

 

<出典>

若松英輔(2021/3)、『100de災害を考える』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)