画面の説明

このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2017年7月31日月曜日

(951) 学生とアルバイト / 子供・若者の文化と教育(13)


      最新投稿情報
=====
(K0092) 自立生活を支援するもの / 高齢化対応のAI・ロボット(4) <加齢による自立喪失>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00924.html
=====
 


 どのような変遷を経てアルバイトが、学生のあいだに浸透し、いかなる意味をもつようになってきたのかを、印刷教材では、歴史的に考察するとともに、番組ではゲスト講師を招き、現在の問題について、若者の就労問題との関係で考える。
 

【目次】 第13章 学生とアルバイト

1. 「アルバイト」という言葉の登場
2.  学生アルバイトの現状
3.  戦後学生アルバイトの歴史
4.  現代の学生にとってのアルバイトの意義
 

<各論>

1. 「アルバイト」という言葉の登場

(1)  アルバイトというドイツ語は基本的には、正規の、つまり常勤の労働・職業、もしくは研究、論文作成、労作などの知的作業・活動、といった意味しかもっていない
(2)  終戦後の混乱のなかで生きていくために、エリートとしての自負を、かなぐり捨てなければならないような職種の労働に、不本意ながらも、従事せざるをえなくなった
(3)  「内職」とか「苦学生」とかいったことばには、暗い感じがつきまとっていた。それに比べて、カタカナ言葉であることもあって、「アルバイト」という単語は明るい語感をもつ
 


2.  学生アルバイトの現状

 大学での五つの活動、「大学の授業」「授業関連の学習(予習・復習)」「授業外の学習」「文化・体育等のサークル活動」「バイト等の就労活動」を比較すると、アルバイトは、大学の授業に次いで、学生が時間を投入している活動になっている。
 


3.  戦後学生アルバイトの歴史

(1)  戦後日本の学生アルバイトは、その経験者の規模が増加してきたのみならず、その内容も臨時の短期的なものから、授業期間中の恒常的なものへと性格転換する形で、拡大してきた
(2)  1950年代初め頃までは、「パンのためのアルバイト」が主流で、アルバイト従事比率は減少傾向だった。1950年代以降、「小遣い稼ぎのためのアルバイト」が主流になり、アルバイト従事比率は増加傾向になった
(3)  1960年代以降の高度経済成長期に、「企業サイドの要因」もあり、学生アルバイトが拡大した。職種としては、1951年に14.9%だった「軽労働」は、2006年には65.9%に達した。ちなみに1951年に最も多かった学生アルバイト職種は「家庭教師(塾講師を含む)」37.1%だったが、その後低下して1968年には25%程度の水準に落ち着いた
(4)  1970年ごろから、ファースト・フード店やコンビニエンス・ストアなどを中心とした、初めからアルバイト雇用を前提とする経営が増大した。学生アルバイトは、臨時の短期的なものから、授業期間中の恒常的なものへと変化を遂げた

 

4.  現代の学生にとってのアルバイトの意義

(1)  娯楽・レジャーが、いまやほとんどすべての学生にとって、「健康で文化的な最低限度の大学生活」を送る上での必需品・標準装備とみなされるようになっており、「小遣い稼ぎのアルバイト」だとしても、経済的意義をもっている
(2)  アルバイトでの労働内容は、多くの場合、単純作業であり、就業体験としては役に立たない。一方、アルバイト目的として「社会勉強のため」という理由をあげる学生が増えている。
 


引用
岩田弘三「第13章 学生とアルバイト」
竹内清・岩田弘三編、子供・若者の文化と教育、放送大学教材(2011)
図 大学生のアルバイト従事比率


(950) 支援されての自立生活


      最新投稿情報
=====
(K0091) 支援されての自立生活 / 高齢化対応のAI・ロボット(3) <加齢による自立喪失>  … 内容は、ほぼ同じ
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00913.html

NPO法人新現役ネット 関西ブログ 読書サロン
http://kansaiblog.shingeneki.com/e645207.html
=====

 

「支援されての自立生活」というコンセプトが大切だと思う。

 

要介護認定では、「要支援」「要介護」でなければ、「非該当(自立)」となる。ここでいう「非該当(自立)」は、「支援」「介護」なしでも自立できるということであり、「支援なしでの自立」である。

「自立」には、「支援なしでの自立」の他に「支援されての自立」もある。

「支援なしでの自立」を維持できるよう努力しても、結局、維持できなくなることもあり、「支援されての自立」に移行する。

「支援されての自立」は本来、「できることは自分でし、できないことは助けてもらう」ことである。

 

「支援されての自立」には、「ミニマム支援」あるいは「過剰支援」が施される。

施設に入所するとありがちなのだが、「過剰支援」になると「自立放棄の生活」に陥り、尊厳が崩壊する。

「ミニマム支援」なら、「できることは自分でし、できないことは助けてもらう」を続けることができ、「支援されての自立生活」を確保でき、尊厳が維持できる。

 

「尊厳死」をみな気にするが、大切なのは「尊厳生」ではないか。

そして、適正な生き方をすれば、尊厳を維持したまま生き続けることが必ずでき、
そしてその先にあるのが「尊厳死」だろう。

2017年7月30日日曜日

(949) 四つの書き込みと、祝「五十か国」


      最新投稿情報
=====
(K0090) ロボティックベッド / 高齢化対応のAI・ロボット(2) <~>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00902.html
=====

 

現在、4つ書き込んでいる(内容は3つ)

A)   Facebook(1件/日) … 「藤波進 なみさん」で検索
    日々、考えたことを書き綴っている(内容は B)と同じ)

B)   Blog「輝き実現に向けて」(1件/日) … http://kagayaki56.blogspot.jp/
    日々、考えたことを書き綴っている(内容は A)と同じ)

C)   Blog「輝き実現研究所」(1件/日) … http://kagayakiken.blogspot.jp/
    少子高齢社会において、 輝き続ける人生を全うすることを目指し、
    個人の発達と社会システムの構築を促す

D)   「読書サロンだより」(2件/月) … http://shingeneki.osakazine.net/
    NPO法人新現役ネット 関西ブログ。テーマは「読書」


ここで、A)B)とでは、読者は違う。同じ内容だから、両方を継続的に見るとは考えられない。ただ、過去の投稿を見るには B)が便利だから、A)の読者も利用しているかもしれない。


私の使っているブログ(Blogger)では、「最近一週間における国別のページビュー数」を把握でき、それを継続的に見ているのだが、B)Blog閲覧者の国が通算で50か国になった。


ここで、A)Facebookでは、友達149人だが、そのうち9割は会ったことのある人で、国内に居住している。一方、B)Blogを閲覧してくれる人のうち3分の2が海外からである。誰かは分らないが、海外に知人はいないので、会ったことのない人がほとんどだと思う。私のような無名にサイトにも、世界中から見ず知らずの人が見に来てくださる。嬉しいことである。

全くわからないが、日本語で書いているので、海外在住の日本人が見ているのではないか。閲覧者数の推移から想像すると、ロシア、アメリカ、リトアニア、カナダ、ポルトガル、フランス、スペインには、かなり大きな日本人ネットワークがあり、そこに当たると、一気にたくさんの人が見に来てくれるのではないだろうか。

 

以下は、参考データ
とりあえず、集計してみた。


州別にみるとヨーロッパ、アジア、北アメリカが3分の1ずつである。

  ヨーロッパ(26か国) 33.73%
  アジア(14か国)   33.63%
  北アメリカ(3か国)  32.38%
  南アメリカ(4か国)   0.22%
  アフリカ(3か国)    0.03%
  オセアニア(なし)    0.00%

分類は、wikipediaの『国の一覧 (大陸別)』による。

 
一方、国別に上位十か国を見ると、

  日本     33.0%
  アメリカ   31.9%
  ロシア    23.5%
  フランス    3.2%
  リトアニア   2.2%
  ポルトガル   1.8%
  スペイン    1.7%
  カナダ     0.5%
  ウクライナ   0.4%
  ドイツ     0.3%

つまり、日本・アメリカ・ロシアの3か国で9割を占める。

なお、ロシアは集団で見に来て、集団で去っていく。これまで一週間で862人見に来ていただいたこともあるが、最近、継続的にみているのは、2~5人である。
日本とアメリカは、波はあるが、継続的に見ていただいている。

最近に限れば、その他、スペイン、イギリス、ポルトガル、ウクライナ、ハンガリー、フィリピン、ベネズエラ、フランスなどからも、継続的に見に来ていただいている。

 

五十か国のリストを上げると、

  ヨーロッパ(26か国)
アイルランド、イギリス、ウクライナ、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、セルビア、ドイツ、トルコ、ハンガリー、フィンランド、フランス、プルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、モルドバ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ロシア

  アジア(14か国) … 「香港」「マカオ」は中国とは別に集計されている
インド、インドネシア、クゥエート、サウジアラビア、大韓民国、台湾、中国、日本、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、香港、マカオ、ミャンマー

  北アメリカ(3か国)
アメリカ、カナダ、メキシコ

  南アメリカ(4か国)
アルゼンチン、ブラジル、ベネズエラ、ボリビア

  アフリカ(3か国)
アルジェリア、エチオピア、ギニア

  オセアニア
(なし)

(948) 老化遅延のための食生活指針 / 「楽しく食べる人生を!」(3)


      最新投稿情報
=====
(K0089) 生活不活発病 / 高齢化対応のAI・ロボット(1) <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00891.html
=====

 
役立ちそうな引用があったので、そのまま紹介する。
特に解説は必要ないだろう。

===== 引用はじめ

老化遅延のための食生活指針

1.3食のバランスをよくとり、欠食は絶対さける

2.動物性たんぱく質を十分に摂取する

3.魚と肉の摂取は1:1程度の割合にする

4.肉は、さまざまな種類を摂取し、偏らないようにする

5.油脂類の摂取が不足にならないように注意する

6.牛乳は、毎日200ml以上飲むようにする

7.野菜は、緑黄色野菜、根野菜など豊富な種類を毎日食べ、
  火を通して摂取量を確保する

8.食欲がないときはとくにおかずを先に食べごはんを残す

9.食材の調理法や保存法を習熟する

10.酢、香辛料、香り野菜を十分に取り入れる

11.味見してから調味料を使う

12.和風、中華、洋風とさまざまな料理を取り入れる

13.会食の機会を豊富につくる

14.かむ力を維持するため義歯は定期的に点検を受ける

15.健康情報を積極的に取り入れる

==== 引用おわり
熊谷 修、他.日本公衆衛生雑誌、46,1999

例えば、以下で引用されている。
http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/j_topics/topics_1882_2.html
ここで、少し解説されている。



2017年7月28日金曜日

(947) 嚥下障害・ドライマウス・睡眠時無呼吸 / 「楽しく食べる人生を!」(2)


      最新投稿情報
=====
(K0088) 認知症介護 駆け込み寺 <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k0088.html
=====

 

メモより


【嚥下障害】

(1) 少し口を開けて、唾を飲み込んでください → できない。日常なにも意識していないことでも、体が弱ると難しくなる。老化にともなって難しくなる。「のみこみ」には、首の力と舌の力が必要で、鍛えようはある

(2) 誤嚥しても、咳払いで戻せる(見せてもらった動画がわかりやすかった)。しっかり咳ができるよう、呼吸の能力を高めるとよい。胸郭を広げる、猫背にならない、体をねじる体操をする、できる対策があるようだ

(3) 飲みやすくするためにオブラートに包むが、そのままのんでは効果が少ない。オブラートに包んだ後、水に浸してからのむのが、正しい手順らしい

 
【ドライマウス】

(4) ドライマウスは、歯周病、摂食・嚥下障害、口臭、発音障害など、様々な症状を惹起する

(5) 口喝の副作用を持つ薬剤が多い

(6) 咀嚼回数を増やすなど食事の生活習慣、鼻呼吸を意識するなどその他の生活習慣、を変更することが、ドライマウス防止に役立つ

 
【睡眠時無呼吸】

(7) 走り回っていた子犬が急に倒れて寝てしまう動画は、睡眠時無呼吸の怖さを知るうえでインパクトがあった

(8) 睡眠時無呼吸症の臨床症状として「起床後の頭痛」とあったのが、私には気になった

(9) 睡眠時無呼吸症は、高血圧、糖尿病など、全身への影響が大きい

 
【正確な情話】

(10)      一部しか紹介していない。正確には「医療法人美和会 平成歯科クリニック」のホームページをご覧ください。http://www.hdc-yoikoku.com/ あるいは直接相談してください。TEL:072-820-4159 (大阪府寝屋川市)  小谷泰子院長
 

2017年7月27日木曜日

(946) 「顎口腔機能治療部」/「楽しく食べる人生を!」(1)


      最新投稿情報
=====
(K0087) 催し物情報(6) <催し物紹介>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00876.html
=====

 

昨日(7/26)NPO法人ふれあい時遊館主催の「~人生100歳時代を考える~」を聴講した。
第一部のタイトルが「楽しく食べる人生を!」で、
講師は医療法人美和会平成歯科クリニック 小谷泰子院長だった。
 

話を聞いて良かった、と思った。その後、なぜ「良かった」と思ったかを考えてみた。

二つ理由が見つかった。
  今まで知らなかった情報を得られ、かつ、それは私の関心の範囲内だった
  「なるほど、ならば明日、…をしよう」と思えるような情報が含まれていた

私の場合、単に「教養として知った」ことには、あまり関心がない。

 

最初から面白かった。「虫歯になった」と来た人には、他の歯科を紹介します、と変なことを言う。平成歯科クリニックは、「嚥下障害・ドライマウス・睡眠時無呼吸に特化した歯科医院」だそうだ。聞いたことのないパターンだ。歯医者なのに、何を変なことをしているのだと、正直、思った。

ただ、この三つは、いずれも我々の健康にとって大切なことであり、かつ、よく知らない。
詳しく調べる価値があると思った。

 

資料に「大阪大学歯学部付属病院 顎口腔機能治療部」とあったので、
帰宅後インターネットで調べたところ、二つサイトがあった。

http://web.dent.osaka-u.ac.jp/~ofdord/index.html

 
次のような説明が書いてあった。

===== 引用はじめ
診療科の概要
 うまくしゃべれない、食べられない、飲み込めない、息が吹けない、口がかわく、いびきをかく、寝ているときに息が止まる、これらはすべて口の機能障害です.
 ふだん当たり前のように使っている口ですが,口はとても大切な役割を果たしています.口がうまく働かなくなると、日常生活にも支障が出てきます.
 顎口腔機能治療部は、このような口の機能が障害された方を治療しています.
===== おわり


なるほど。
 

===== (図参照)
顎口腔機能治療部では,5本柱の内容で診療を行っています
  栄養歯科外来
  スピーチ外来
  摂食・嚥下外来
  睡眠歯科外来
  ドライマウス外来
=====
 

なるほど。平成クリニックが対象としているのは、この五つのうち、下の三つなのだ。
位置づけがわかった。
 

しかし、わからない。
なぜ、歯科医が「嚥下障害・ドライマウス・睡眠時無呼吸」を対象とするのか。

例えば、虫歯を治療するとして、歯の口の中にある。だから、概念としては、「口(口腔)」は、「歯」を含む。だから、本来は「大阪大学口腔部」があって、その下に「歯科」や「顎口腔機能治療科」があるべきなのだ。

実際は、口腔内において「歯科」の問題が圧倒的に多いため、「歯学部」が全体の名前になって、そこから輩出する医者はみな「歯科医」と呼ばれることになった。だから、「歯科医」が「顎口腔機能治療」を行うということになった。

 

変だけれど、いたしかたない。放っておくことにする。
我々にとって大切なのは、「顎口腔機能治療部」の内容をよく知り、
実践すべきは実践し、健康を維持・増進することであろう。
 

なお、小谷院長は、おばあちゃんが食べるのを楽しみにしていて、それをサポートしたいと思ったのが、歯学部に進学した動機だそうだ。だから「歯学部」に入学してから「顎口腔機能治療」を選択したのではなく、「顎口腔機能治療」をしたくて「歯学部」に進学したことになる。志がある。

 

以下、ご参考

 栄養歯科外来とは

  口は消化管の入り口です.食べ物は,口で咬んで飲み込むことにより,初めて消化管に入り栄養となります.ですから,咬むこと(咀嚼といいます)や飲み込むこと(嚥下といいます)が上手くいかなくなると栄養状態が悪くなります.…

 
 スピーチ外来とは?

  おしゃべりをしているときには,口がいろいろな動きをしています.例えば,パピプペポ,と言うと上下の唇がついたり離れたりしていますし,タチツテト,と言うと舌の先が動いて上あごにさわっています.このような動きがうまくいかないと発音に支障が生じます.この状態を「構音障害」といいます.…

 
 摂食・嚥下外来とは

  摂食・嚥下とは、①食べ物を認識して口に取り込み、②口の中で食べ物を飲み込みやすい形にして、③口からのどへ、④のどから食道へ、⑤食道から胃へ、送り込む一連の流れをいいます。その流れのいずれかが障害され、食べ物をスムーズに飲み込めなくなることを嚥下障害といいます。 嚥下障害を生じると楽しいはずの食事が苦痛なものに変わってしまいます。また障害が重度になると、食事ができなくなったり、肺炎を引き起こすこともあります。…

 
 睡眠歯科外来とは?

  睡眠中にいびきをかいたり,呼吸が止まったりする方はいらっしゃいませんか?睡眠歯科外来では,スリープスプリントというマウスピースを使って,いびきや無呼吸の治療をしています.(どんな症状?)睡眠中に呼吸が止まる時間や頻度が多くなると,深い眠りができずに,寝起きが悪くなったり,日中につい居眠りをしてしまったりするという症状が出てきます.このような病気を睡眠時無呼吸症といいます.いびきは無呼吸の前症状です.…

 
 ドライマウス外来とは?

  口の中がネバネバする.あるいは,口の中が乾燥して飲み込みにくい、話しにくいなどの症状のある方はいらっしゃいませんか?(どんな症状?)ドライマウスとは日本語で口腔乾燥症のことをいいます。唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてを指すことになります。(ドライマウスは病名ではありません。)…

2017年7月26日水曜日

(945) 日本社会における儒教の影響 / 仏教と儒教(14)


      最新投稿情報
===== 新たに投稿した
(K0086) ワンダフル世界 〜サルサガムテープと全国の仲間〜  <インクルーシブ社会>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k0086.html
=====
 

 日本の近世社会において儒教の影響は広範なものがあった。一般に儒教は封建思想として簡単に理解されるが、具体的には複雑多様な社会的機能を果たしていた。教育的啓蒙的な意味もあり、近代教育制度も儒教から形成された。また近代的な合理主義は儒教の用語で説明された。幕末において、日本の危機を訴えたのも儒教の政治思想が基本となっている。日本儒教は縦横に変化して日本社会に対応していた。


【構成】  第14章 日本社会における儒教の影響
 1 儒教の多様な機能
 2 儒教と近代合理主義 - 懐徳堂
 3 儒教と近代教育制度 - 広瀬淡窓
 4 儒教と明治維新 - 松田松陰
 

【各論】

 儒教の多様な機能

   思想の多様性
 日本儒教には朱子学・陽明学があり、これを批判して古学があり、さらに朱子学と古学の所説を取捨選択する折衷学があった。中国や朝鮮には、このような多様性はない

   機能の多様性
 日本儒教には、徳川幕藩体制(社会構造)に対応しあらたに求められた「人倫」という観念(思想)が背景に働いているが、中国や朝鮮の儒教にはこのような機能はない。あるのは、宗族(社会構造)に対する「孝」(思想)、科挙・士大夫(社会構造)に対する「聖人」「修己治人」「仁」(思想)である。

   多様な機能の具体的形態と支持階層
 日本儒教における代表的な機能のひとつは今日いうところの初等中等教育を推進することに不あったと理解することができる。藩校・寺子屋などでは、素読・手習いなどというかたちで実利的な読み書きの能力を授けると同時に、社会(人間関係)に生きるうえで必要な道徳(仁義・忠孝など)の存在を教えた。
 日本において儒教は、士道のように武士の学問であり、また仁斎や懐徳堂のように町人の文化でもあり、上総道学のような農民の学問でもあった。

 
 儒教と近代合理主義 - 懐徳堂

 1724年に創設された懐徳堂は、大阪の町人による私塾であるが、1726年には幕府の官許を受けて大阪商人の公的学問所として承認された。懐徳堂の学問は、大阪の町人を対象とするが、一地域の町人の枠を超えたきわめて個性的・独創的な業績を残している。
 代表的な学者として、徹底した合理主義者、片山蟠桃がいる。その思想の特徴は、神秘主義の排除であった。
 

 儒教と近代教育制度 - 広瀬淡窓

 広瀬淡窓は1817年に私塾・咸宜園を開いた。塾生の出身者は、大村益次郎、高野長英など多数いる。
 咸宜園が画期的であるのは、これまでの私塾が少人数教育でいわば一種自由放任主義の段階にあったのとはことなり、教育制度(学制)に対する明確な構想を示したことであろう。

 
 儒教と明治維新 - 松田松陰

 松陰は、日本という国家が本来どうあるべきかを考え、また現在いかなる危機にあるかを認識した。しかし、松陰という思想家が重要である所以は、たんなる幕末の志士というのではなく、その人格が徹底的に誠実であることにつきるのであろう。

 

引用
高島元洋、「第14章 日本社会における儒教の影響」
竹村牧男・高島元洋編、仏教と儒教~日本人の心を形成してきたもの~、放送大学教材(2013)

2017年7月25日火曜日

(944) 日本の儒教の完成(古学の2) / 仏教と儒教(13)


      最新投稿情報
===== 新たに投稿した
(K0085) 人生における危機とその対応 / 「生きづらさの中を生きる」(8) <個人の発達>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00858.html
=====

 

 古学は儒教を徹底的に日本化する。徂徠は仁斎の影響を受けているが、その思想はさらに独創的である。丸山真男氏は、徂徠学は「政治」を発見したと解釈する。朱子学は人間を「理」という規格において理解するが、徂徠は人間の多様性とそれを寛容に受け入れる「理」という規格において理解するが、徂徠は人間の多様性とそれを寛容に受け入れる「道」の存在を説く。そこには人間をとらえる近代的な視点があった。

 
【構成】  第13章 日本の儒教の完成(古学の2)
 伊藤仁斎と荻生徂徠
 荻生徂徠の思想
 徂徠学の意味


【各論】

 伊藤仁斎と荻生徂徠

 伊藤仁斎の古学は『論語』『孟子』の解釈を中心に「古義学」を構成した。荻生徂徠はさらに『六経』にまで遡り「古文辞学」を構成した。詩文や文学の解釈にとどまらず、経学といわれる政治思想に画期的な視座を導入した。著書に、学問について論じた『学則』、道について論じた『弁道』、儒教の主要概念について定義をした古学の概説書『弁名』、『論語』の注釈書として独創的な『論語微』などがある。
 

 荻生徂徠の思想

【Ⅰ】存在論 - 仁斎の「生生観」と徂徠の「活物観」
 仁斎は、人間が「生生」のなかにあるがゆえに、「拡充」を人のあるべき活動とし、個々人の修養(拡充)を問題にした。徂徠は、人間が「活物」であることを宇宙の「生生」の事実として受け止め、多様な個々人はどのような社会組織(道)において存在し得るかを問題にした。

【Ⅱ】人間論・社会組織論 - 人は学問をしても「聖人」になれない
 朱子学は、個々人において「居敬」「窮理」を実践し「聖人」になることを要求する。しかし徂徠によれば、普通の人間は「聡明叡知の徳」がないため、「窮理」ができない。聖人は、持ち合わせている「聡明叡知の徳」をもって「天地」と「人物」に通暁し、ここから「道」を制作する。

【Ⅲ】実践論 - 人間の多様性と有限性
 「気質」は「変化」しない。米はいつまでたっても米であり、豆はいつまでたっても豆であり、米とか豆とかがたとえば修養することがあっても穀物における「聖人」のようなものになることはない。「聖人は学んで至るべからず」。
 一方「気質」は「成就」できる。「長短得失(長所と短所)」のある「気質」は、「道」すなわち「長養(やしないそだてること)の道」において世界の「用」にたつ。「気質」を養い「成就」するとは、「米は米にて(世界の)用に立ち、豆は豆にて(世界の)用に立つ」ということである。
 

 徂徠学の意味
 近世思想にあっ徂徠学はどのような意味を持っていたか。

   日本の近代化における前提条件
 日本儒教は朱子学から古学に展開したが、丸山真男は、朱子学の「自然的秩序の論理」が徂徠学の「作為の論理」へ転換したと解釈した。「作為の論理」とは、道(制度)は自然にあるものではなく、聖人の作為をまってはじめて成立するという考え方である。丸山氏は、この作為する聖人像に「主体的人格」を読み込み、「近代意識の成熟を準備する前提条件」を探ろうとした。

   徂徠学の疑似活物観
 徂徠が展開したのは、いわゆる活物観ではなく疑似活物観というべきものである。人は自然の有機的連関から疎外された状態にある。自然はそもそもそのままにほっておいても「活物」であるが、人が「活物」であるためには、「道」が存在しなくてはならない。「道」(制度)は、天地自然にあるのではなく、聖人が作為した人工物である。人は「道」という社会システムのなかで、自然と有機的に連関する。

   徂徠学の歴史意識と文明批判
 朱子学の天人合一観を徂徠は否定し、人と自然の関係は一体でないとした。自然は「神妙不測」なものであり、学問の対象にはなり得ない。人為の成果は、自然から分離して、変化する「制度」として理解される。学問の目的は、変化する「歴史」を研究することにある。この歴史意識は『徂徠先生答問書』『太平策』『政談』において、文明批判として表現された。

 

引用
高島元洋、「第13章 日本の儒教の完成(古学の2)」
竹村牧男・高島元洋編、仏教と儒教~日本人の心を形成してきたもの~、放送大学教材(2013)

(943) 「当事者の会・家族の会」「寄り添う」


      最新投稿情報
=====
(K0084) 心の病について / 「生きづらさの中を生きる」(7) <心の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/07/k00847.html
=====
 

 一昨日(2/23)、日本ホスピス・在宅ケア研究会が主催する「神戸フォーラム2017」に参加した。私は、「『あなたの生き方を決めるのは誰?』~しなやかに生きる~」会場に参加した。

 部屋に入ると、私には知っている人が全くいない。しかし、方々で「お久しぶりです」という声が行きかい、連帯が深まっている。隣の人もその輪に入っていたのでお尋ねすると、「私はがんを患い、方々の当事者の会に出ている。そこで出会った人たちです」「あなたは、サバイバーですか?」と問われて、質問の意味は分かるが、どう答えてよいかわ分からず、「一般市民です」と答えた。どういう言葉を使えばよかったのだろうか?

 変な表現だが、配られた資料に次のように書いてあった。私はピンクのその一である。

討論会前にご自身の立場を示したシールを、胸の辺りに提示してください。
 緑色:体験者(がん、その他)
 黄色:上記の家族・遺族
 オレンジ色:医療者、介護者
 ピンク:上記に該当しない市民、及び立場表明を希望されない方
 

 プログラム案内には書いていないが、どうやら当事者の会・家族の会に近いところに、飛び込んでいるのだと実感した。
 

 後半の討論会では、司会者の下、参加者が発言していった。それを聞いていて、何も言えない、と思った。私が発言しても、それは体験に根差したものではなく、頭の中で考えたことなのである。通じ合う言葉を失っている。ある種の孤独感を味わった。

 
 なるほどと思った。今この部屋の中で、当事者に囲まれ私は孤独である。しかし、一般社会に戻ると、当事者でない人に囲まれて、彼ら当事者がポツンといる。言葉が通じない。私が感じている孤独感に似たものを、彼らは日常に感じているのではないだろうか。「当事者の会・家族の会」は、とても力になり必要だ、と知識の上で知っていた。このささやかな体験を通じて、今までなかった光がさしかかった。

 さらに、「寄り添うこと」について考えた。カウンセリングでは、傾聴しなさい、寄り添いなさいと言われる。ここでいう「寄り添う」を「本当に寄り添う」に限定することなく、「寄り添おうとしていること」もまた「寄り添う」の意味に含めても良いのではないかと思った。

 「寄り添います」「寄り添うことができました」という言葉が、不遜の言葉のように思われた。
 

 ちなみに、皆さんの胸元を見たところ「オレンジ色:医療者、介護者」の人が、圧倒的に多かった。