いきなりだが、「認知症をよく理解するための九大法則・一原則」を列挙する。
===== 引用 はじめ P.7 ~ P.8
● 認知症をよく理解するための九大法則
九大法則① 記憶障害
物忘れは正さないで
過去の世界に逆戻り
九大法則② 症状の出現強度
身近な人にほど「意地悪」に
九大法則③ 自己有利
あからさまなウソは症状
九大法則④ まだら症状
異常な言動は割り切って
九大法則⑤ 感情残像
よい感情が残る接し方を
九大法則⑥ こだわり
割り切った対応が必要
九大法則⑦ 作用・反作用
介護者の心が鏡のように反映
九大法則⑧ 症状の了解可能性
相手の立場で不安を理解
九大法則⑨ 衰弱の進行
老化の進行が2~3倍速い
● 介護に関する一原則
介護に関する一原則
理解の深さが関係を変える
===== 引用 おわり
(注)著書により、表記のブレが多少ある。
私は、認知症の本をけっこう読んでいるが、これは、分かりやすい
(と言っても、タイトルだけでは分かりにくいだろうが)。
何故、これが有用か。背景の説明を抜き出す。
(1)
正しい知識の必要性
(2)
認知症症状の理解の難しさ
(3)
認知症をよく理解するための九大法則・一原則
<各論>
===== 引用 はじめ P.3
親思い・配偶者思いの介護者が一生懸命に介護しても、正しい理解を持たなければ、おそらく混乱に陥り、心身ともに消耗してしまうと思います。介護を受けている人の気持ちや状態がわかるようになり、上手に対応できるようになると、介護者の苦労が軽くなり、介護を受けている人の状態も必ずよくなるものです。
===== 引用 おわり
(2)
認知症症状の理解の難しさ
===== 引用 はじめ P.3
認知症の人の介護における最大の問題は、認知症の症状の理解が難しいことにあります。運動麻痺の不自由さ、高齢になって失明した人の不安さなど身体的な症状であれば、だれでもある程度体験的に理解できます。しかし、今言ったことも忘れてしまうひどい物忘れ、家族の顔すら忘れてしまう失認、金銭・物に対するひどい執着、徘徊、失禁など多彩な症状を理解することは極めて難しいものです。
===== 引用 おわり
(3)
認知症をよく理解するための九大法則・一原則
===== 引用 はじめ P.4
認知症を理解し上手な対応が可能になるように筆者が工夫したのが、「認知症をよく理解するための九大法則・一原則」です。認知症の特徴を知ることで、認知症の人の示す異常な言動が決して異常ではなく、私たちも同じ状況であれば同じ言動をしているに過ぎないと理解できるようになると確信しています。
===== 引用 おわり
出典:
杉山孝博、「最初に知っておきたい 認知症」、新日本出版社、2015年
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