ある小学校の夏祭りを見てきた。なんだか様子が変わっているので、ごみ集めをしている方に「突撃インタビュー」して、様子・背景がわかった。主催者に近い人だろうと思って、その人を選んだ。
正式名は分からないので仮に「夏祭り実行委員会」(以後、「委員会」)という名前を付けておこう。これは、こどもたちの自主的な委員会で、この夏祭りを企画している。委員になるのは「だいたい同じこども」である。確認しなかったが、多分、例えば4~6年が委員になり、再任を認めている。そのことにより、経験や反省が受け継がれていくのであろう。夏祭りの運営もこどもたちの委員会が中心だが、大人(多分、先生と父兄だろう)が手伝っている。資金面は、青少協がバックアップしている。
出し物は10個あった。順不同に書いていくと、①エビつり、②スーパーボールすくい、③ヨーヨーつり、④コロコロボール、⑤ゆらゆらコイン、⑥豆つかみ、⑦宝つり、⑧千本引き、⑨ボーリング、⑩ストラックアウト。すべて、遊んだあと、飴玉やちょっとしたお菓子などのお土産をもらえる。⑦宝釣りは、福袋みたいなものをフックにひっかけて釣り上げる。もろに、お土産狙いである。飴玉1個とか2個とか、成績によって差をつけているものもあるが、最低1個は参加すれば必ずもらえる。
ポスターも委員会が作成し、近隣に貼っている。ポスターを見て、当日、子どもたちが並び、整理券をもらって参加する。小学校の校庭で開催されており、その小学校の生徒が中心だが、近隣のこども、たまたまおばあちゃんの家に遠くから遊びにきたこども、小学校の卒業生も含む。こどもなら誰でもOKだが、先着200名に限定している。景品を200個しか準備していないからである。整理券には、10個の出し物が書いてあって、遊ぶたびにチェックする。すなわち、参加したこどもは10個の遊びすべてを1回だけ遊べることになる。
「こころ豊かな人づくり500人委員会」の現役生チーム「まんまるほっこりクラブ」が出店していると聞いて見に行った。①エビつりを担当していた。2槽の容器に小エビが入っていて、それを釣り上げる。垂らした糸の先に餌があって、それにエビが「しがみつく」のを待って、そっと引き上げボールに移す。私もやらせてもらったが、難しい。ちょっとズルをしてやっと一匹つりあげて、止めた。「こんなの釣れるか!」と腹がたったが(笑)、4分間で6匹釣り上げているこどももいた。小さな子連れのお母さんが、必死にやっていた。忍耐力が必要で、とても難しいが、難しいから面白い。
会場に行って、出し物ごとに出店者の垂れ幕ものぼりもがないことが、最初に気になった。「①エビつり」だけは(他にもある?)外部の大人が入っているが、これは例外であり、他はこどもたちの企画である。出し物は、委員会が自分たちで考え決めるのが原則である。「『エビつり』できるよ」と、委員会に「売り込んだ」ら、「採用」されたのがきっかけと聞く。おととし出店したら大好評で、委員会から「また出店してください」と依頼があった。「昨年は来られなかったが、今年は来られた」とのこと。
これを書くに当たって、小学校のホームページを確認した。「神戸市優秀ホームページ特別賞」を受賞するほど、充実しているのだが、この夏祭りの記事が見当たらなかった。念のため、小学校名は伏せておく。
感想
1.「大人が企画して、こどもが参加する」のではなく、「こどもが引っ張って、大人が陰で支える」が素晴らしい。彼らの中から、後々、リーダーになったり、ボランティアなどにも携わったりしてくれる青年・大人が生まれてくるだろう。
2.①魅力ある出し物(魅力の有無は子どもたちが判定する)、②築き上げた信頼関係(小学校あるいは青少協との信頼関係がないと提案しても受け入れられないだろう)、③熱意(こちらから提案し、採用されたら、誠実に履行する)があるからこそ、例外的に「エビつり」が継続的に参加できているのだろう。①②③は努力して積み上げてきたものであり、その努力なしに「青少年健全育成は難しい」と嘆くばかりでは、先に進めない。
0 件のコメント:
コメントを投稿