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2016年7月4日月曜日

(559)  「若きウェルテルの悩み」(ゲーテ)


 6/29 22:00- BS朝日 放映済 「あらすじ名作劇場」
私は、見そびれましたので、放映とは関係なく以下を書きます。

 

『若きウェルテルの悩み』を簡単に言うと、

1.作者・ゲーテの実体験をもとに執筆されている、とも言われています

2.ウェルテルが恋した相手は、婚約者がいる女性シャルロッテ。叶うことのない想いであることに気付きながらも、その美貌と優しさに惹かれてしまいます。葛藤するウェルテルは絶望し、やがて追いつめられ…

3.いまでも世界中で広く読まれている

(上記HPより抜粋)

 

 
『若きウェルテルの悩み』の構成

1.      第1部 シャルロッテとの出会いと別れ

1.1.     冒頭: 生活ぶりや交友関係
1.2.     出会い: シャルロッテが婚約者のいる身であることを知りつつ、その美しさと豊かな感性に惹かれ我を忘れたようになる
1.3.     交友: シャルロッテのもとにたびたび訪れ、幸福な日々
1.4.     別れ: 婚約者アルベルトが到着すると苦悩に苛まれるようになり、やがて耐え切れなくなってこの土地を去ってしまう

 
2.      第2部 新たな土地に移って以降の出来事

2.1.     シャルロッテの元を離れ、また戻る
2.1.1.    新たな土地でウェルテルは求めて官職に就いたが、退官してしまう
2.1.2.    数か月各地をさまよった後やがてシャルロッテのいるもとの土地に戻ってくる
2.1.3.    しかしすでに結婚していたシャルロッテとアルベルトは、ウェルテルの期待に反して彼に対し冷たく振舞う

2.2.     殺人事件をきっかけとして、自殺へ
2.2.1.    ウェルテルの旧知の作男が、自分の主人である未亡人への思いから殺人を犯してしまう。
2.2.2.    この出来事が引き金となり、ウェルテルは自殺を決意する
2.2.3.    深夜12時の鐘とともに筆を置き、自殺を決行する

2.3.     最後  ウェルテルの葬儀の模様

 

『若きウェルテルの悩み』の魅力(私の感想)

 小説の構成がしっかりしていると思うが、それで魅せるものではなく、また、事件を追うものでもない。その構成に乗った、まさに「若き悩み」の記述が人を引き付けるのだろう。

 
単純な三角関係ではない。3人の思いが交錯する

===== 引用 はじめ

ウェルテルはロッテに情熱的な愛を寄せ、一途に彼女を思い続ける。しかしロッテはアルベルトという堅実で人柄の良い男との婚約が決まっており、近く結ばれることになっていた。ウェルテルはロッテとアルベルト両者にとっての親友であり続け、その実、心の内で苦悩する。今すぐにでも彼らから離れなければ、今に自分はロッテを力づくでも奪ってしまいそうだった。

 
ウェルテルはロッテの制止を振り切って、突然彼らの前から姿を消した。いかに情熱が尊いものか説いていた彼は、自身の狂おしいまでの情熱を抑え込んで、善良なアルベルトにロッテを任せたのだった。

 
ウェルテルは新たに選んだ地で役所の書記官の仕事をもらっていた。しかし、貴族社会や世間に対して絶望し、その傷心からやがて再びロッテのいる地へ戻ってくる。ロッテはアルベルトと幸せに暮らしており、彼らは共に愛し合っている。ウェルテルは消えることの無いロッテへの情熱と、アルベルトへの羨望、そして彼らとの関係に思い悩む。

 
一方ロッテも、ウェルテルからの愛に気付き、またそれを無下に打ち捨てることのできない自分に苦悩する。3人が友人のままに居られるように、ウェルテルに別の女性をと考えてみるものの、どうしてもどの女性も彼には合わないように思えてしまう。ロッテはウェルテルを友人以上に想っていたのかもしれない。無論、アルベルトをそれ以上に愛していたのだろうが。真相がどうあれ、確かにロッテはウェルテルの苦悩に触れたのだった。

 
またアルベルトもウェルテルの想いに気付いた。彼も、始めは一友人としての気使いもあり、葛藤で苦しむウェルテルの為にも、ロッテへ彼と会わないように言って聞かせた。しかし、ロッテはウェルテルの苦悩を知り、どうしても彼を一人には出来なかった。この夫婦にも、ウェルテルの情熱への考え方で、擦れ違いが生まれる。

===== 引用 おわり
http://ncode.syosetu.com/n5890y/1/

 

私の感想:

ゲーテ25歳の作品である。純粋でみずみずしい心を残したまま、人と人との心を結びつける感性の成熟と、その二つが重なった時期だから書けた小説ではないだろうか。誠実さと情熱、どちらも捨てないところに、深まる悩みを描いた作品だと思う。

 

 『若きウェルテルの悩み』あらすじ

===== あらすじ はじめ

作品は2部で構成されており、主に主人公ウェルテルが友人ヴィルヘルムに宛てた数十通の書簡によって構成されている(シャルロッテ宛のものも数通含まれる)。

 
1部冒頭では、ウェルテルが新たにやってきた土地での生活ぶりや交友関係が報告される。

辺りの風物の素晴らしさや、身分の低い人々の素朴さに引かれたこと、とある公爵とその老法官と親しくなったこと、その老法官の妻が最近死んで、長女がまだ幼い兄弟たちの母親代わりをしていること、ワールハイムという土地にある料亭が気に入って、そこでしばしばホメーロスを耽読していることなど。

ある日ウェルテルは郊外で開かれた舞踏会に知り合いと連れ立って出かけることになり、その際に老法官の娘シャルロッテと初めて対面する。ウェルテルは彼女が婚約者のいる身であることを知りつつ、その美しさと豊かな感性に惹かれ我を忘れたようになる。

この日からウェルテルはシャルロッテのもとにたびたび訪れるようになり、彼女の幼い弟や妹たちになつかれ、シャルロッテからもまた憎からず思われる。

しかし幸福な日々は長く続かず、彼女の婚約者アルベルトが到着すると苦悩に苛まれるようになり、やがて耐え切れなくなってこの土地を去ってしまう。

 
2部では新たな土地に移って以降の出来事が描かれる。

 新たな土地でウェルテルは求めて官職に就き、公務に没頭しようとする。しかし同僚たちの卑俗さや形式主義に我慢がならなくなり、伯爵家に招かれた際に周囲から侮辱を受けたことをきっかけに退官してしまう。

 その後頼った知り合いの公爵のもとでも気分の落ち着きが得られず、数か月各地をさまよった後やがてシャルロッテのいるもとの土地に戻ってくる。

 しかしすでに結婚していたシャルロッテとアルベルトは、ウェルテルの期待に反して彼に対し冷たく振舞う。

 
この第2部の半ばから「編集者」による解説が挿入され、ウェルテルの書簡と平行してシャルロッテや周辺人物の状況を説明しながら物語を進めていく。

ウェルテルがシャルロッテへの思いに煩悶している中、ある日ウェルテルの旧知の作男が、自分の主人である未亡人への思いから殺人を犯してしまう。作男に自分の状況を重ね合わせたウェルテルは作男を弁護しようとするが、アルベルトと、シャルロッテの父親である老法官に跳ねつけられてしまう。

この出来事が引き金となり、ウェルテルは自殺を決意する。彼は使いをやってアルベルトの持つピストルを借りようとする。アルベルトの傍らでその使いの用事を聞いたシャルロッテは事情を察し衝撃を受けるが、夫の前ではどうすることもできず、黙ってピストルを使いに渡してしまう。

ウェルテルはそのピストルがシャルロッテの触れたものであることに対する感謝を遺書に記し、深夜12時の鐘とともに筆を置き、自殺を決行する。


最後に編集者によって、心痛のためにシャルロッテが出席できなかったウェルテルの葬儀の模様が報告される。

===== ありすじ おわり
Wikipedia 『若きウェルテルの悩み』

 

次回「あらすじ名作劇場」は、【713日(水)放送】(22:00~)

  今週の放映はない
  次回の内容は、まだ決まっていない

 
次回のお知らせ:

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