【 木村敬一 ・ 自伝 】悩んでつけたタイトルは「闇を泳ぐ」。2歳で視力を失った。物が見えた記憶はないが、さまざまな出会いに支えられた。「闇」は温かくて、幸せな場所。文中で強調した。《暗闇の中は、決して絶望にあふれてなんかいない》
「パラアスリートはスポーツができるだけでいいのだろうか」。4度目のパラリンピックに臨んだ競泳の木村敬一(30)は新型コロナウイルス禍の1年、自問自答を続けた。
振り返れば、パラアスリートとして常に自問自答していた。小学4年で始めた競泳は「目が見えない状況から逃げ出さない自分をアピールできるもの」。その一心で競技者の頂点であるパラリンピックにたどりついたが、「自分は本当に社会の役に立っているのか」と疑問に感じることもあった。
アスリートの役割とは何か。活動をプールの外に広げたことで、木村は一つの答えに到達した。「表現し、伝えていくことだ」。東京パラリンピックの開幕を間近に控えた今月20日、自伝を出版した。「この本を読んだ人が楽しんだり、感動したりしたらそれが、社会の役に立つということになるのでは」と考えるようになった。
悩んでつけたタイトルは「闇を泳ぐ」。2歳で視力を失った。物が見えた記憶はないが、さまざまな出会いに支えられた。「闇」は温かくて、幸せな場所。木村は文中で強調した。《暗闇の中は、決して絶望にあふれてなんかいない》。
<出典>
泳いで、書いて、伝え続ける パラ競泳・木村敬一
産経新聞(2021/08/31 夕 )
https://www.sankei.com/article/20210831-MTFTMXEE7ZNQRFBL6SXFMUG4VA/?outputType=theme_tokyo2020
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