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2017年12月20日水曜日

(1092)  ごみ屋敷 1年で半減 / 「すべての権利の行使は、他者の権利の侵害の上に成り立つ」


      最新投稿情報
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(K0233) 『精神障害をもつ人のための 親なき後に備える』 <インクルーシブ社会>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/12/k0233.html
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 私の仮説だが、「すべての権利の行使は、他者の権利の侵害の上に成り立つ」

 例えば、「第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」を実現するために生活保護費を支給しようとするなら、他の人が働いて得た金を税金として徴収しなければならない。それは、働いて得た金を自分の為に自由に使える権利を侵害していると、私は考える。

 税金をとってはいけないと言っているのではない。消費税率は、上げれば上げるほど良い訳ではなく、下げれば下げるほど良い訳でもない。その中間のどこかに決めるしかない。所得税も同じである。「金持ちからできるだけ沢山の税金を取る」のが正義だと思わない。それは金持ちの権利を一方的に侵害している。税率を変えてよいが、どこかで妥協するしかない。

 

 Aさんの権利とBさんの権利がぶつかるとき、どこかで共に妥協して「こんなところかな」と落ち着かせるしかない。しかし、実際はBさんの権利は全く無視して、Aさんの権利ばかり主張されていることが多い。

 ごみ屋敷は、ごみ屋敷所有者あるいは住人の権利を守ることのみを重視すると、周辺住民が快適な生活を享受する権利を侵すことになる。しかし、ごみ屋敷側の権利が強く、解決が難しかった(住宅敷地内のごみに対応する法的根拠がなく、居住者が「ごみではなく財産」などと主張すると行政指導や強制撤去ができなかった)。

 

このたび、

===== 引用はじめ
 住宅敷地内に大量のごみをため込む「ごみ屋敷」でごみの強制撤去ができる条例を昨年10月に施行させた神戸市は12日、施行から1年間で市内のごみ屋敷の総軒数を半数近くまで減少させたと発表した。
===== 引用おわり

 たいしたものである。式で書くと、
105-73+24=56

 言葉で書くと、「条例施行前の昨年8月時点で市内にはごみ屋敷が105軒あった」「市は条例施行から1年間で73軒のごみ屋敷解消に成功。新たなごみ屋敷が24軒増えたが、市内の総軒数は105から56に減少した」

 

ゴミ屋敷が減ったのには、

===== 引用はじめ
 市は、繰り返し指導しても改善されない場合に、勧告や命令などの指導や行政代執行による強制撤去ができる条例を制定した。また、個人情報も共有できるようになり、区役所や社会福祉協議会などで連絡会議を定期的に開催。関係機関が連携を強めてごみ屋敷の解消を進めた。
===== 引用おわり
という背景がある。


 法的に強制撤去できるようになったが、実際は「解消できた要因はケースワーカーらの個別訪問による徹底した指導が多く、勧告や強制撤去はなかった」とのこと。
 並々ならぬ努力があったに違いない。


 「今年8月にボランティアらによるごみ出しが行われた」「現在はヘルパーらによる見守り支援が行われている」
 素晴らしいことだ。

 

 ある人達の権利を主張することも大切だが、その権利行使に伴う他者の権利侵害を避けることも大切である。このバランス感覚が特に重要だろう。

 権利の行使が他者の権利の侵害にならないか、なるとすればどのあたりで妥協するのが適切なのか。ごみ屋敷のみではなく、色々なケースでこのことに留意しバランス感覚をもって結論を出せば、多くの人にとってもっと住みやすい社会ができていくと思う。
 

 いかなる権利であれ、自己の権利ばかり主張するのは、おかしい。
 

出典
「ごみ屋敷1年で半減 神戸市の対策条例 組織連携の支援奏功」
http://www.sankei.com/region/news/171213/rgn1712130054-n1.html
産経新聞(2017/12/13)
添付写真は、新聞から転載した。


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