考えねばならないことが、三つあるのではないか
(1)
貧困そのもの解消
(2)
貧困の連鎖からの脱却
(3)
家庭の養育能力の低下(および地域の養育能力の低下)のカバー
(1)
貧困そのもの解消
「本質的には、貧困問題ではない」と書いたが、貧困も深くかかわり、①貧困が解消すると、良い影響を与えるだろう。ただし、ここでは論じない。
(2)
貧困の連鎖からの脱却
→→→→→↓
↑ ↓
↑ 「貧困は人をパワーレスにしていく」
↑ ↓
↑ 「自己効力感が持てない」
↑ ↓
↑←←「自己肯定感の低下」
この連鎖の、どこからか抜け出さねばならない。
①
貧困の解消
②
貧困でもパワーアップ
③
自己効力感をもつ
④
自己肯定感の向上
などが考えられる。
このうち、①は先に述べた(1)の課題。②③④は、次に述べる(3)を追求しながら、追求できるのではないか。
本質は、「貧困問題」ではなく、ここにあると思う。
「貧困問題」に取り組む一方、貧困でなお強く生き続け、自らそこを脱却する力をつけ、実際に脱却していく。これが追求すべき姿ではないか。ただ単に本人の努力を促すだけですまそうとするのは、無責任だろう。頑張るのは本人だ。その頑張れる環境づくりを支援することが必要だと思う。
(3)
家庭の養育能力の低下(および地域の養育能力の低下)のカバー
本質的な問題は、家庭の養育力の低下にあるのではないかと思った。
核家族化に伴い親等に相談したり応援してもらったりしにくくなったり、女性の職場進出やシングルマザーの労働などにより子育てに時間的な制約ができたり、貧困により金による解決が難しくなったりして、養育に十分手が回らない。
また、地域の養育能力も低下し、期待できない。
なお、この問題は貧困化で精鋭化するが、貧困でなくても起こり得る。
セミナーでは、学習支援活動「WACCA塾」や子ども食堂「ひらのっ子食堂」が紹介されたが、NPO活動などにより、弱体化した家庭・地域の養育能力の低下に対する支援が期待される。
さらにNPOと地縁団体との協業を進めば、弱体化した地縁団体の強化に結び付く可能性もある。
(ご参考)新たな地域づくりの担い手として近年地域とのかかわりを持ち始めているNPOは、特定の目的の下に集まった専門性の高い団体である。他方、町内会・自治会などの地縁型団体は従来より地域とのかかわりが深く、行政と住民との橋渡し的な役割を果たしているなど地域内での人的ネットワークを持つ団体である。両者が良好なパートナーシップを築き、NPOの持つ専門性と地縁団体が持つ地域内の人的ネットワークを共有することは、地域の活動の効果を高める上で意義があるものと思われる。
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