「子どもの貧困問題」は前回で終えたのだが、Facebook私の投稿(649)(前回)に対するコメントに疑問が書きこまれた。
重要なことだけれど、返信欄には書けないので、特別延長する。
Q1.『子供の貧困問題』以前よりひっかかっています。
何を基準に、貧困とライン引きするのか……
Q2.貧困だといいながら、スマホをもってラインやチャットをしている…
不思議だあ~~
A1.『子供の貧困問題』 … 何を基準に、貧困とライン引きするのか
具体的な数字で検討する。
wikipedia『貧困線』から引用する
===== 引用 はじめ
相対的貧困(そうたいてきひんこん)の定義は「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員」であり、この割合を示すものが相対的貧困率である。
ただし、預貯金や不動産等の資産は考慮していない。
実収入-非消費支出=可処分所得
可処分所得÷√世帯人員=等価処分所得
※等価弾性値=0.5(平方根)。現物給付、預貯金、資産は考慮しない。
===== 引用 おわり
===== 引用 はじめ
日本:
2013年の国民生活基礎調査では、日本の2012年の等価可処分所得の中央値(名目値244万円、1985年基準実質値221万円)の半分(名目値122万円、1985年基準実質値111万円)未満の等価処分所得の世帯が、相対的貧困率の対象となる。
各名目値で単身者では可処分所得が約122万円未満、2人世帯では約173万円未満、3人世帯では約211万円未満、4人世帯では約244万円未満に相当する。
===== 引用 おわり
物価の推移を考慮して年次推移を観察したい場合は「1985年基準実質値」を使えばよいが、ここではその必要がないので「名目値」で検討を進める。
・ 単身者では可処分所得が約122万円未満だと、相対的貧困
上記の通り
・ 2人世帯では約173万円未満だと、相対的貧困
122 * 2 / √2 ≒ 173
・ 3人世帯では約211万円未満だと、相対的貧困
122 * 3 / √3 ≒ 211
・ 4人世帯では約244万円未満だと、相対的貧困
122 * 4 / √4 = 244
日本で、親子二人所帯の場合、
年間の可処分所得が211万円を切ると、
貧困になる。
可処分所得は、収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入のことである。
収入とは、就労所得、財産所得、仕送り等、公的年金などの合計である。
生活保護を受けている場合は、現金給付は収入に含まれるが、現物給付(保健・医療・介護サービス等)は含まれない。また、資産の多寡については考慮しない。
貧困とライン引きは、このようになる。
「親子二人所帯122万円/年の可処分所得」を、
貧困と見るか見ないかで、意見が分かれる。
A2.貧困だといいながら、スマホをもってラインやチャットをしている…
(1)
多くの先進国では、娯楽や嗜好品なども貧困線を算出する際に加算している。これは「単に衣食住が満たされる状況は、貧困状態未満である」という認識を持つため。
→ 「娯楽や嗜好品に金を使うなら、貧困ではない」とは言えない
(2)
就職活動をするとき、スマホがないと大変不便である
→ 貧困から自ら抜け出すための就職活動に必要なら、「スマホを持つな」とは言えない
(3)
スマホがないと、いじめられる … セミナーでもこの話が出たが
学校種別にみると、学校種が上がるほど「自分専用の携帯電話」の所有が多くなっており、小学生では3割(30.3%)、中学生では5割弱(48.8%)となり、高校生ではほとんど(96.4%)の者が自分専用の携帯電話を所有している。
→ 高校生はともかくとして、小学生では7割、中学生では5割が「自分専用の携帯電話」を持っていない。貧困か否かにかかわらず、持っていなくてもいじめられないよう、周囲が注意を払うのが本筋だろう。
答になっているかどうか、分からないが、整理してみた。
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