【 藤原正彦 ・ グローバリズム 】 グローバリズムで、長期的視野を失った日本。(1)「科学技術大国」の凋落、(2)第一の理由。国立大学法人、(3)第二の理由。株主至上主義、(4)いまや世界はグローバリズムの終焉を見て動き出している
グローバリズムで、長期的視野を失った日本
(1)
「科学技術大国」の凋落
(2)
「科学技術大国」失墜の第一の理由。国立大学法人
(3)
「科学技術大国」失墜の第二の理由。株主至上主義
(4)
いまや世界はグローバリズムの終焉を見て動き出している
【展開】
(1)
「科学技術大国」の凋落
二、三十年ほど前までは、家庭の電気製品は日本製が世界を席巻していたのに、今や見る影もない。製造業凋落の原因を、政府・与党からも野党からも追究する声が出てこない。自分たちの同僚や先輩の政治責任を追及することになるからだろう。
(2)
「科学技術大国」失墜の第一の理由。国立大学法人
国立大学が「国立大学法人」となり、大学は国からの運営資金を毎年減らされた。基礎科学力が低下すれば、裾野に広がる応用的な科学力、技術力も下がるのは当然だ。「グローバリズム」つまり金銭至上主義のおかけで、日本は長期的視野を失ってしまったのだ。
(3)
「科学技術大国」失墜の第二の理由。株主至上主義
2つ目は、株主至上主義である。株主は目先の利益を追求し、株価上昇だけを考える。10年20年先をみた技術開発がおろそかになるのは当然である。株主至上主義とは技術力低下を促しい製造業を漬すための最善の方法なのだ。
(4)
いまや世界はグローバリズムの終焉を見て動き出している
世界は新型コロナによるパンデミックに、グローバリズムの終焉を見て動き出している。英国は世界のワクチン製造会社や国内製造拠点に多額の政府支援を打ち出した。その間、日本は感染者数増減を見ては、緊急事態宣言を出したり引っ込めたりしていただけだった。
<出典>
戦後76年、ワクチンを恵まれる屈辱 藤原正彦
産経新聞(2021/08/15)
https://www.sankei.com/article/20210813-OW2N4277VZJAHCRBOOPIXMQMY4/
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