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2021年8月10日火曜日

(2422) 努力が報われる世界(2) / 東京オリンピックを振り返って

 【 オリンピック ・ 努力が報われる】 ところがオリンピックという祝祭に登場する戦士たちは「努力すれば報われる」というもう一つの事実を提示してくれた。それは幻想かもしれない。しかし彼らの努力は世襲されない。


 東京オリンピックでの連日の日本人選手の活躍で、テレビの前から離れられない。しかし、新型コロナウイルス感染者が急増している。非常に懸念される状況だ。オリンピック開催が原因なのかは科学的に検証してもらいたい。そうでないと罪悪感を覚える選手が出てこないともかぎらない。

 

 ところで、統計数理研究所の「日本人の国民性調査」によると「努力しても報われない」と思う人が増えている。努力がいつかは報われると思うかとの質問に「報われない」と答えた人が昭和63年の17%から平成25年には26%に跳ね上がっている。特に20代、30代の男性に否定的な傾向が強く、生活水準の悪化が進んでいるからだと分析している。

 格差の固定化は上級国民という言葉を生んだ。格差の固定化、社会の上層部の同質化は日本だけではない。米国や英国なども同様である。これが問題なのは人は生まれながらにして平等ではないことだ。上層部の人は、生まれた時からスタート台が高い。下層部の人は、その事実に屈辱感を抱き、いつしか絶望する。

 国民の多くはこのような不都合な事実を肌で感じている。ところがオリンピックという祝祭に登場する戦士たちは「努力すれば報われる」というもう一つの事実を提示してくれた。それは幻想かもしれない。しかし彼らの努力は世襲されない。昨日の勝利者が今日の勝利者とはならない。

 

(ここからは藤波の意見)

 オリンピック開催について賛否が分かれている。功罪、両方あったのではないか。こでは、「功」の方を取り上げた。

 「罪」に目を向けると批判が沸き起こってくる。おそらく、検証が進んでいくだろう。その一方、「功」に向けると、勇気が出て、前に進んでいきたくなる。

 「功罪」の「罪」を見つめてその被害を最小限にする一方、「功」も見つめることにより「努力は報われる」ことを今一度、特に若者に思い返して欲しい。難しいことは考えなくても、素直に「感動」をかみしめるとき、勇気と意欲が出てくるのではないだろうか。

 

<出典> 作家・江上剛さん

努力が報われる世界 確信

産経新聞(2021/08/04)

格差克服、次世代伝える「努力の価値」

https://www.sankei.com/article/20210803-7PT2CISSLNMIHF2MU2434FXLPE/?outputType=theme_tokyo2020

(有料会員記事)

 

<添付図>

https://www.ism.ac.jp/kokuminsei/page2/index.html



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