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2019年3月1日金曜日

(1529)  夏目漱石スペシャル(1-1) / 100分de名著

 
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(K0670)  個人Blog 2月下旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/03/k0670-blog.html
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『三四郎』
===== 引用はじめ   箇条書きにし、タイトルをつけた。
<あらすじ>

1.【列車の女】東大(東京帝国大学)に合格し郷里の九州から上京した23歳の小川 三四郎は生真面目な堅物。たまたま列車に乗り合わせ、間違って相部屋にされた女性にも無用の気を遣い、別れ際に「貴方はよっぽど度胸のない方ですね」と詰られる始末。「女性」という生き物に対する免疫など全くない初心な青年だった。

2.【里見美彌子】そんな三四郎は大都会・帝都東京の人の多さに辟易していた。ある日、講義に遅刻しかけた三四郎は近道として選んだ大学構内の池のほとりで団扇を手にした若く美しい女性里見 美穪子を偶然目にする。一目惚れし、毒気を抜かれ、すっかり講義に出る気をなくした三四郎は珍しくサボってしまう。

3.【佐々木与次郎】講義をサボって抜け出した友人の佐々木 与次郎と出くわした三四郎は洋食屋「淀見軒」に誘われライスカレー(現在のカレーライス)を食べることになる。三四郎は与次郎から「つまらない講義に耳を傾けるより、世間の風というものを入れ給え」と忠告される。

4.【野々宮宗八】与次郎から同郷で理科大学(現在の理工学部)教師の野々宮 宗八が探していたと聞かされた三四郎は宗八に遭いに行き、同郷の誼で三四郎の実家から贈られた品々への礼を言われて自宅に誘われ、本郷を散歩することになる。

5.【野々宮よし子】7つ年上で30歳の宗八は散歩の途中に用品店で女物のリボンを購入する。家に招き入れられた三四郎は宗八の妹よし子と引き合わされる。宗八が購入したリボンはよし子への土産ではなく、かわりに櫛を渡されたよし子は子供に飴玉を与えるようだと兄を非難する。実験という仕事柄、夜になっても帰宅しないことをよし子から咎められていた宗八はよし子を邪魔にし、三四郎に相手させる。

6.【美彌子と再会】一方、与次郎が「先生」と慕う英語教師広田 萇の引っ越しが決まり、手伝うことになった三四郎は広田の新居で偶然にも美穪子と再会し名刺を渡される。三四郎は花は必ず剪って、瓶裏にながむべきものであると悟る。三四郎と美穪子は新居の掃除を二人で行うことになる。二階に上がった美穪子は空を見上げて雲の形に見とれていた。三四郎はそんな美穪子に惹きこまれていく。

7.【広田家での会話(1)】荷物を運び入れた与次郎も合流し、荷解きするうちに講義を終えた広田も帰宅する。与次郎は広田を「偉大なる暗闇」と評し、折角多くの書籍を読んでいるのにちっとも光らないとボヤく。一方、宗八も海外での高い評価に対し、国内では安い給料で雇われて穴蔵に閉じ込められていると評する。そんな与次郎の人物評に広田は君はせいぜい丸行灯で二尺程度を照らしているだけだと叱責する。美穪子が差し入れとして持ち込んだ大きなバスケットに一杯のサンドイッチを振る舞ううち宗八もやって来る。広田家は賑やかだった。

8.【広田家での会話(2)】与次郎は広田家の二階に居候するつもりでいた。話題が変わり、与次郎の翻訳に広田が難をつける。宗八が原文を問うとすかさず美穪子が英文を口にする。美しさだけでなく教養も光る美穪子に三四郎はますます関心を抱く。一方、宗八はよし子を里見家に居候させようとしていた。美穪子には兄が二人居たが上の兄は亡くなっていた。その兄と親友だったのが広田で、下の兄と同窓だったのが宗八だった。そして美穪子は野々宮家にたびたび出入りしていた。三四郎は団子坂の菊人形見物に誘われる。

9.20円立て替え(1)】一方、広田が新居を借りるにあたり宗八から借りた金を返すため用立てた20円を預かった与次郎が馬券でスッてしまったと相談され、三四郎は仕送りから20円を立て替えてやる。

10.        stray sheep(1)】菊人形見物に繰り出した美穪子、よし子、広田、宗八に同行した三四郎の一行は雑踏で物乞いや迷子とすれ違う。だが、広田も宗八も「場所が悪い」と関わり合いを避ける。すると美穪子は「気分が悪い」と言いだして三四郎を連れ出し、一行から離れる。「気分が悪い」というのは美穪子の口実に過ぎず、本当は「気分を害した」のだった。重苦しい曇り空を「大理石」と評する美穪子。二人がはぐれたことで宗八たちが慌てていると三四郎は心配するが、大きな迷子だからと美穪子は取りあわず、責任を持ちたがらない人たちだからと流してしまう。そして、三四郎に迷子の英訳として「stray sheep」だと教える。泥濘を避けるために置かれた石を三四郎はひらりと飛び越えるが美穪子は不安定な石に足を取られ、三四郎に抱きかかる形で倒れてしまう。美穪子は三四郎の腕の中で「stray sheep」と囁くのだった。講義に身が入らない三四郎はノートにstray sheepと書き殴るようになる。

11.        20円立て替え(2)】一方、与次郎は三四郎が立て替えた20円の工面をつけようとし、美穪子からアテを得たものの三四郎が来ないと渡さないと言われてしまう。里見家に赴いた三四郎は金は呼び出しの口実に過ぎず、美穪子に翻弄されていると怒りを感じてしまう。美穪子は預金通帳と印鑑を三四郎に渡し、好きなだけ使いなさいと告げる。

12.        【絵画展】また画家の原口の開く絵画展のチケットがあると美穪子は三四郎を誘う。そこで宗八と鉢合わせた美穪子は三四郎になにかを囁くフリをして宗八を愚弄する。そうした美穪子の態度に三四郎は怒りを感じてしまう。三四郎は美穪子に恋をしている自覚を持つが、美穪子の思いが誰に向いているか全くわからない。広田を訪ねた三四郎は広田は結婚というものに否定的で、恋愛についても達観した人物だということを知る。

13.        【香水】冬物を買いに出た三四郎は香水を買いに来た美穪子とよし子に偶然出会い、品定めを任される。

14.        【美彌子の結婚】風邪をこじらせて伏せった三四郎は美穪子が近々嫁ぐことが決まったと与次郎から知らされる。だが、相手は宗八ではなかった。真相を確かめるべく原口のアトリエを訪ねた三四郎はモデルをしている美穪子と対面し、金を返すと言い出す。美穪子は疲れた表情を見せるようなり原口に帰される。そこで三四郎は金は口実に過ぎず貴方に会いに来たのだと美穪子に告げる。三四郎が帰省する間に、美穪子は三四郎の知らない美穪子の兄の友人と結婚していた。三四郎と宗八は失恋したのだ。

15.        stray sheep(2)】完成した原口の絵が評判となっていた。そこには池のほとりで扇子を手にした美穪子が描かれていた。原口は佐々木に売りたいと語るが、与次郎はもっと相応しい人物がいると絵の前に置かれた椅子に体を投げ出す三四郎をみやる。夫妻で会場を訪れた美穪子は三四郎に描かれた服装で原口が作品に取りかかった時期が分からないかしらと囁く。それは正しく三四郎が偶然美穪子を見初めた時期だった。そして、美穪子は三四郎が選んだヘリオトロープの香水を含んだハンカチを差し出す。失恋を与次郎に慰められた三四郎は絵は良いが題である「森の女」というのがいけないと語る。三四郎は絵に相応しい題は「stray sheep」と囁くのだった。

===== 引用おわり
Wikipedia 『三四郎』
 


第1回  4日放送/ 6日再放送
  タイトル:『三四郎』と歩行のゆくえ
 


【テキストの項目】

(1)  成長物語としての『三四郎』
(2)  三四郎、日本、漱石
(3)  女はいつも「謎」
(4)  三四郎は歩き、謎と出会う
(5)  「こころ」をつかまえる
(6)  三四郎は本当に美彌子と出会ったのか
(7)  小説の最大イベントは「他者との遭遇」
 


<出典>
阿部公彦(2019/3)、夏目漱石スペシャル、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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