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(K0688) 「人工透析」中止問題 / 最期の選択(4) <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/03/k06884.html
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1.
あらすじ
2. どんな小説か
2.1. 耽美的な小説
2.2. おとぎ話
2.3. 日常の中の不思議な別世界
2.4. 都市の記号で綴る日常の異界
3. 評価
3.1. 永井荷風
3.2. ドナルド・キーン
4. 後世への影響
【展開】
1.
あらすじ
強い刺激を求めて探偵小説や性科学の書物を読みふける主人公の「私」は変装の快楽を知り、夜ごと女装しては浅草の周辺を歩くようになる。ある晩、映画館の中で、以前関係を持った女に偶然出くわし正体を見破られた「私」は求められるままに女の隠れ家に通いだす。女の秘密を守るため、目隠しして人力車に乗る、という趣向で。お互いの名前も住所も知らないまま、夢の中の出来事のような密会を楽しむ2人。やがて、女の秘密に対する好奇心が「私」に芽生え、関係は転機を迎える-。
2.
どんな小説か
2.1. 耽美的な小説
現実をありのままに描こうとする自然主義文学の隆盛にあらがうようにして、谷崎潤一郎は奇抜な設定を用いた耽美(たんび)的な小説を相次ぎ送り出す。現実とも幻ともつかぬ男女の交流を描く一作。2.2. おとぎ話
都市の風俗を巧みにとり入れながら、現実ではとてもあり得ないような『おとぎ話』を想像力豊かに紡ぐ。
2.3. 日常の中の不思議な別世界
私たちは普段、物事の正面しか見ていない。でも見慣れた世界の裏側には、想像を刺激する未知の異空間が存在する。当たり前の世界に退屈しきった感覚を活性化してくれる『日常の中の不思議な別世界』を今の私たちも心のどこかで求めている。その意味でとても現代的な話です。
2.4. 都市の記号で綴る日常の異界
『秘密』はさまざまな文化的な記号が織りなす華麗な物語。文学史の中では比較的目立たない作品だったけれど、1980年代以降、研究者が好んで読解を試みるようになった。
3.
評価
3.1. 永井荷風
作家の永井荷風は「刺青(しせい)」「少年」といった初期作品群を激賞。▽肉体的恐怖から生ずる神秘幽玄▽全く都会的たる事▽文章の完全なる事-の3点を挙げ、谷崎文学の新しさをたたえた。その美質は『秘密』にも当てはまる。3.2. ドナルド・キーン
二十世紀の日本文学の中に時の試練に耐え世界的な器量を持つ作家がいるとすれば、それは谷崎ではないかと考えるものである。
4.
後世への影響
都市にある異界をすくい上げる視線は、江戸川乱歩の手による奇想あふれる見世物(みせもの)小屋のような一連のミステリー小説にも影響を与えたとされる。
【プロフィル】谷崎潤一郎(たにざき・じゅんいちろう)
明治19(1886)年、東京・日本橋生まれ。東京帝大国文科中退。43年に第二次「新思潮」を創刊し「刺青」などを発表。以降、『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』『鍵』などの名作を送り出す。昭和24年に文化勲章受章。39年には日本人として初めて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に。40(1965)年に79歳で死去。
<引用>
谷崎潤一郎『秘密』 都市の記号で綴る日常の異界【明治の50冊】 49 産経新聞(2019/03/18)
(49)谷崎潤一郎『秘密』 都市の記号で綴る日常の異界
https://www.sankei.com/life/news/190318/lif1903180012-n1.html
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