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(K0671) 介護保険制度体験ゲーム <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/03/k0671.html
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第1回 4日放送/ 6日再放送
タイトル:『三四郎』と歩行のゆくえ
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
【展開】
(1) 成長物語としての『三四郎』
『三四郎』は、いわゆる教養小説(*)の形態をとっています。しかし三四郎は、大人になりそうでいながら、完全には成長することができないまま、物語が先に終わってしまう――。そんな印象を残すのです。
(*) 教養小説とは、若い主人公が現実社会との苦闘、恋愛や失恋など、さまざまな体験を積み重ねながら自己を形成し、人格を発展させていく過程を描いた小説のこと。
(2) 三四郎、日本、漱石
三四郎青年の成長、日本国家の成長、そして漱石自身の小説家としての成長。『三四郎』という作品には、こうした何重もの成長の物語を読むことができます。
(3) 女はいつも「謎」
女性に関して経験がなく後手にまわる。美彌子をはじめとする都会の女性たちは、彼からすれば、実際にそうである以上にやり手に見えたことでしょう。それゆえに惹かれ、さらに翻弄される。
(4) 三四郎は歩き、謎と出会う
作品のあちこちで「謎との直面」が発生します。この「謎との直面」と一対のセットになっているものが「移動」です。歩いて未知のものと出会っていく移動のリズム感が小説の面白さを支え、歩くことの身体的な躍動感が私たちをわくわくさせるのです。
(5) 「こころ」をつかまえる
「動」に対して「静」の一瞬を導入することで、漱石は「こころ」への入り口を用意したのではないか。三四郎が美彌子を池のほとりで目撃する場面はその典型でしょう。私たちはこの制止的なシーンのなかで三四郎の「こころ」が動き始めるのを感じるはずです。
(6) 三四郎は本当に美彌子と出会ったのか
三四郎にとって美彌子という謎は結局解けないままでした。女性を勝手に謎と見立てて解を得ようとするのではなく、生身の人間として向き合う。その難しさを三四郎は体現してみせたといえます。
(7) 小説の最大イベントは「他者との遭遇」
三四郎はこれまで接したことがない人々と出会っていきます。美彌子がその最たる存在です。しかし結果的には、美彌子=他者と出会い損ねる。
<出典>
阿部公彦(2019/3)、夏目漱石スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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