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(K0326) ハードとソフト /自治会長奮闘記(10) <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/03/k0326-10.html
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目標&ポイント
===== 引用はじめそもそも人口減少社会というものを私たちはどうとらえればよいのかといった点を含め、人口減少社会のあり方を大きな視野のなかで考える。
経済成長と豊かさや幸福の意味、定常経済論ないし脱成長論との関連等を含め幅広く吟味する。
===== 引用おわり
【目次 / 第15章 人口減少社会の構想】
1. 人口減少社会と「幸福」
(1) そもそも人口減少社会をどうとらえるか(2) 「幸福または幸福度指標」をめぐる議論の活発化
2. 定常経済論の系譜と展望
(1) 定常経済あるいは脱成長をめぐる議論の系譜
(2) 定常経済論の3つのステップ
3. 「定常型社会=持続可能な福祉社会」の可能性
(1) どの様な社会をめざすのか ―― 福祉と環境の総合化
(2) 人類史における拡大・成長と定常化
本章の中心になるコンセプトは「定常経済論」である。
===== 引用はじめ
幸福(ないし幸福指標)及びそれと経済成長との関わりをめぐる議論や政策展開は、人口減少に関するテーマとも深く関わり、多くの示唆を与えてくれると考える。
この場合、特に中心的な論点となるのが、“経済や人口の限りない「拡大・成長」を追求するのではなく、むしろその「定常」(場合によっては縮小)を実現していくことが、人々の幸福や真の「豊かさ」につながる”という考え方であり、これは「定常経済(ないし定常型社会)」論、あるいは近年「脱成長」論と呼ばれているものである。
===== 引用おわり
「定常型社会」または「持続可能な福祉社会」という社会像 … 目指す姿
===== 引用はじめ
「定常型社会」とは「経済成長ということを絶対的な目標としなくとも十分な豊かさが実現されていく社会」を指しており、それは実質的には「持続可能な福祉社会」と呼びうる社会モデルと実質的に重なっている。ここで「持続可能な福祉社会」とは、「個人の生活保障や分配の公正が実現されつつ、それが資源・環境制約とも両立しながら長期にわたって存続できるような社会」という趣旨である。
===== 引用おわり
ここで、「福祉」と「環境」というキーワードに注目する。
①
富の「分配」の問題 … その平等ないし公正 … 福祉② 富の「総量」の問題 … その持続可能性 … 環境
通常は一緒に論じられることの少ない「福祉」と「環境」を総合的にとらえる時、興味深いことに、両者の間には一定の相関があることが添付図からみて取れる。
図の縦軸は、「富の「分配」の問題 … その平等ないし公正 … 福祉」を表し、具体的には「ジニ係数」を使っている。ジニ係数は、経済格差の度合いを示している(上ほど数値が大きく格差大)。
図の横軸は、「富の「総量」の問題 … その持続可能性 … 環境」を表し、具体的には「EPI(環境パフォーマンス指標)」を使っている。EPIは、イェール大学で開発された総合指標(環境汚染・二酸化炭素排出・生態系保全等に関する指標を総合化したもの)である(右ほど環境パフォーマンスが高い)。
図の左上には、アメリカ、韓国、日本といった国々が存在する。格差が大きく、環境パフォーマンスが低い。図の右下には、スイス、ドイツ、北欧などの国々が存在する。格差が相対的に小さく、環境パフォーマンスが良好である。まさにここで論じている「持続可能な福祉社会」ひいては「定常型社会」の像に近い国々と言える。
このように、「福祉」(ここでは格差の度合い)と「環境」のありようは一定程度相関する。何故か。想定したメカニズムを添付図(福祉/環境
連関メカニズム)に示す。
出典
広井良典、「第15章 人口減少社会の構想」、宮本みち子・大江守之、「人口減少社会の構想」、放送大学教材(‘17)
【ご参考】「定常経済論」について
・ 「定常経済」について考える(幸せ経済社会研究所)https://www.ishes.org/economic_growth/sse/index.html
・ 脱成長・定常経済論とエコノベーション(明治大学政治経済学部教授の大森正之氏)
https://www.i-ise.com/jp/column/hiroba/2017/20170925.html
・ ハーマン・デイリー氏に聞く 「定常経済」へ、いまこそ移行すべきとき(大元の出典:「世界」2014年8月号)
https://www.es-inc.jp/library/writing/2014/libwri_id005276.html
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