「好きな老人」というタイトルなのに、
述べたのは「嫌いな老人」についてばかりだった、前回。
タイトルに立ち返り、「好きな老人」について述べる。
基本的には、「好きな人」も「好きな老人」も同じだろう。
何十年も「人」として生きてきた。好かれたい、嫌われたくないと思って生きてきて、その結果が今の姿なのだ。それを今更変えろと言われても困ってしまう。と、居直りたいのだが、それでは身も蓋もない。
少しは、謙虚に身の振り方を考えて見る。
述べてきたが、基本は、「好きな老人」=「好きな人」、「嫌いな老人」=「嫌いな人」である。しかしあえて、『老人』と限定されると、どのように「老人」≠「人」なのかから検討を始めることになる。
「高齢者のイメージ」という調査結果(図示)がある。
図の出典
良いイメージと悪いイメージの両方ある。
これに則して「好きな老人」になる方法を二つ考えた
第一に、良いイメージは、期待されていることなので、応えよう。
①
「経験や知恵が豊かである」(43.5%)<多い>
②
「時間にしばられず、好きなことに取り組める」(29.9%)
③
「健康的な生活習慣を実践している」(11.3%)
④
「ボランティアや地域の活動で、社会に貢献している」(7.7%)<少ない>
⑤
「貯蓄や住宅などの資産があり、経済的にゆとりがある」(6.9%)<少ない>
このうち、⑤以外は、本人の心がけ次第で変えられる可能性がある。③は健康状態に、④は健康・資産状態による制約はあるが、その制約内ならできることもあろう。①や②はそれ自体に価値があるというより、社会に還元されて価値が出てくるだろう。そのためには、老人だけでかたまるのではなく、若い世代との交流を大切にしていきたいものである。良いイメージは、見えてこそ、役に立ってこそ、輝いてくる。
第二に、悪いイメージは、払拭しよう。
①
「心身が衰え、健康面での不安が大きい」(72.3%)<多い>
②
「収入が少なく、経済的な不安が大きい」(33.0%)<多い>
③
「古い考えにとらわれがちである」(27.1%)
④
「周りの人とのふれあいが少なく、孤独である」(19.4%)
⑤
「仕事をしていないため、社会の役に立っていない」(6.2%)<少ない>
このうち、③④⑤は、本人の心がけ次第で変えられる可能性がある。⑤については、ボランティアや地域の活動をすればよい。①の「心身が衰え」、②の「収入が少なく」は、いかんともしがたいところがあるが、問題は「不安が大きい」の方である。愚痴を言わないのが良い。この「不安」の実態としては、若い人が自分の将来を想像した時の「不安」も含まれるだろう。老人が「不安」を言うと、若者の「不安」を増長する。それは不快である。不安を歎いても良いことは起こらない、悪いことだけが起こる。
私の行く所には、老人集団が多い。悪いとは言わないが、老若交流の場があると「好きに老人」ななれるチャンスが増える。老人集団に若者に入ってこい、と言っても億劫なだけ、来てくれるのは奉仕精神に満ちた人である。
そうではなく、老人が若者・老人混在集団に入れることが望ましい。趣味の会などでは、意識して「若者・老人混在集団」に入り、「嫌いな老人」だとみなされないようにしたい。少し難しいかも知れないが、好循環を生み出すチャンスはある。「好かれる老人」になると、「より好かれる老人」になっていく。
私という人間は連続しているが、自分の置かれている環境は、加齢により変わっていく。私も変わり、周囲の目も変わる。それに順応していけば、自ずと「好きな老人」になれると思う。
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