【 バンデューラ ・ 傍観 】乱暴な行動に対して何も言われないという場面を見た子どもたちも、乱暴な行動をとった。大人の傍観するという態度を観察することは、それでよいのだ、罰せられないのだというのと、同じ意味を持っているようです
「身をもって」の学習に対し、バンデューラという研究者が興味深い考察をしました。彼は4歳3カ月の子どもを3グループに分け、異なる動画を見せました。どの動画でも、同じ部屋に人形が置かれています。
(a) 最初のグループの子どもたちは、人形をたたいたり投げたりする乱暴な行動が大人にほめられる(プラスの報酬を得る)という動画を見ました。
(b) 次のグループは、人形に乱暴な行動をしても大人は傍観しているだけの動画を見ました。
(c) 最後のグループは、乱暴な行動をして大人に叱られる(罰を受ける)場面を見ました。
いずれのグループの子どもも「自分が」直接行動するのではなくて、「他者が」行動するのと、それに対する働きかけを見ただけです。
3グループの子どもたちは動画の視聴後、同じ人形が置かれている別の部屋に移動し、そこで人形を使って遊ぶ様子が研究者によって観察されました。その時の子どもたちの行動が図に示されています。
(a) 乱暴な行動がほめられるという動画を観察した子どもたちは、罰せられた動画を見たグループに比べ、より多くの攻撃的な行動を示しました。
(c) さらに興味深いのは、乱暴な行動に対して何も言われないという場面を見た子どもたちも、同じように乱暴な行動をとったことです。大人の傍観するという態度を観察することは、それでよいのだ、罰せられないのだというのと、同じ意味を持っているようです。
<出典>
大人の行動 子どもは見ている
【子ども点描】産経新聞(2021/07/15)
大人の傍観が「罰せられない」という誤学習生む
https://www.sankei.com/article/20210725-QOVIOTBLIFMNRIKZOH4EWRURF4/
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