【 読書 ・ 100分de名著 】第二次世界大戦中、 ソ連軍 に従軍した女性たちの姿を、五百人を超える 証言者の声 によって描き出した作品。戦争の「事実」を歴史として確定させるのではなく、「 感情の歴史 」がつづられている点が重要
「100分de名著」 アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』が、8月9日(月)から始まります。Eテレ。 今月は、第二月曜日から開始!
放映は、 月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、 水曜日 午前 05:30~05:55
及び 午後 00:00~00:25
講師は、沼野恭子(ロシア文学研究者)
<全4回のシリーズ> 8月(最終回再放送は9月1日)。
【はじめに】 「声」のコラージュで戦争を伝える
第1回 9日放送/ 11日再放送
タイトル: 証言文学という「かたち」
第2回 16日放送/ 18日再放送
タイトル: ジェンダーという戦争
第3回 23日放送/ 25日再放送
タイトル: 戦争に翻弄された人々
第4回 30日放送/ 9月1日再放送
タイトル: 「感情の歴史」を描く
【はじめに】 「声」のコラージュで戦争を伝える
『戦争は女の顔をしていない』は、第二次世界大戦中、ソ連軍に従軍した女性たちの姿を、五百人を超える証言者の声によって描き出した作品です。
過去のノーベル文学賞の受賞者たちとは異なる形式で書くアレクシエーヴィチが文学賞に選ばれた理由は、「ポリフォニック(多声音楽的)な作品は、現代の苦しみと勇気にささげられた記念碑である」「入念に人間の声のコラージュを作るという独創的な創作方法を用いて、時代全体に対する私たちの理解を深めてくれる」というものでした。証言記録が「文学」であると認められたという点で、大変大きな出来事だったと思います。
戦争の「事実」を歴史として確定させようとするのではなく、その時代の出来事を人々がどう感じたのか、その「気持ち」に重きを置く。いわば「感情の歴史」がつづられているという点が重要なのです。
<出典>
沼野恭子(2021/8)、アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
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