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2020年7月27日月曜日

(2043)  ミヒャエル・エンデ『モモ』(0) / 100分de名著



(2043)  ミヒャエル・エンデ『モモ』(0) / 100de名著


◆ 最新投稿情報
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(K1184) (過食/拒食)食事はまだ出てこないのかな(1) / 認知症の人の不可解な行動(25) <認知症>
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時間泥棒である「灰色の男たち」は、物語の舞台となる町の人たちをうまく説得して時間を節約させ、その時間を時間貯蓄銀行に預けさせる。この男たちの企みにより、町の人たちは次第に心の余裕を失っていく
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100de名著」 ミヒャエル・エンデ『モモ』が、83()から始まります。Eテレ。
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
講師は、河合俊雄(京都大学教授、臨床心理学者)


<全4回のシリーズ>  いずれも8
【はじめに】  子どもと大人の物語

第1回  3日放送/ 5日再放送
  タイトル: モモは心の中にいる!

第2回  10日放送/ 12日再放送
  タイトル: 時間を奪う「灰色の男たち」

第3回  17日放送/ 19日再放送
  タイトル: 時間とは「いのち」である

第4回  24日放送/ 26日再放送
  タイトル: 「受動」から「能動」へ


【はじめに】  子どもと大人の物語

 『モモ』は、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデが1973年に発表したファンタジー作品です。『モモ』はいわゆる児童文学ですが、特に大人向きの本であるように感じます。なぜかというと、この作品には強いメッセージ性があり、構造がクリアだからです。

 『モモ』が持つ強いメッセージ性――その象徴が、時間泥棒である「灰色の男たち」という登場人物です。灰色の男たちは、物語の舞台となる町の人たちをうまく説得して時間を節約させ、その時間を時間貯蓄銀行に預けさせます。この男たちの企みにより、町の人たちは次第に心の余裕を失っていく。灰色の男たちとは、いったい何を表しているのでしようか


 私(=講師=河合俊雄)は臨床心理学者です。文芸評論家でも作家でもありません。そんな私が『モモ』という作品に関心をもつ理由は大きく三つあります。

(1)        この物語がファンタジー作品だからです。私の行っている心理療法では、夢や箱庭などのイメージの表現、つまりファンタジーを大切にします。
(2)        『モモ』には、ファンタジーの描き出すこころの深層と現実、こころの古い層と、現代のこころのあり方の対立が見られるからです。
(3)        『モモ』には「主体が立ち上がる」というテーマが描かれているからです。物語の主人公モモは身寄りのない、けれどユニークな女の子で、最初はずっと受け身の存在です。しかし、彼女は最後に自分から立ち上がり、灰色の男たちから町の人たちを救います。


<出典>
河合俊雄(2020/8)、ミヒャエル・テンデ『モモ』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



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