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2020年7月27日月曜日

(2042)  前棋聖の後ろ姿が語るもの



◆ 最新投稿情報
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(K1183)  日本の勝因は高齢者施設(コロナ) <高齢者施設>
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手付き、仕草、息遣いなどで相手が形勢をどう判断しているか、なんとなく分かるようになりますが、自信ありという感じで△86桂を指されて、そこでこっちも手が止まったので、この将棋は負けたなと覚悟しました
☆☆  「渡辺明ブログ」より

 将棋は残酷なゲームだ。対局者のどちらかが投了を告げて終局を迎える。負けを認め、頭を下げるという最もつらい手続きを経なければ、どんな名局も完成しない。

 国民的な話題となった第91期棋聖戦五番勝負は、藤井聡太新棋聖の初々しい笑顔がコロナ禍に渇いた世を潤す一方で、渡辺明前棋聖(棋王・王将)の潔さにも胸を打つものがあった。

 「負けました」と通る声で投了を告げ、「すごい人が出てきた」と主催者インタビューに包むことなく答え、敗北の痛みをなぞる感想戦にも真摯(しんし)に応じていた。ネット中継に映った後ろ姿が、印象に強い。

 「負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです」

 新棋聖をたたえる言葉には、不思議と自虐の響きも悲愴(ひそう)感も見当たらない。むしろ勝負師としての哲学、懐の深さ、他日を期す決意のすごみを覚える。負けを受け入れるとは、そういうことなのだろう。


<出典>
森田景史
 前棋聖の後ろ姿が語るもの
【日曜に書く】産経新聞(2020/07/26)

添付図
「渡辺明ブログ」



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