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2016年11月22日火曜日

(700) 高齢者のお金に関する恐怖


Facebook友達であり、
何かとお世話になっている楠木新さんから
問いかけられた。

> でも多くの人が経済的なことに比重を置くのは
> なぜでしょうね。

日頃はお金に関心のない私だが、考えてみた。

  

【高齢者のお金に関する恐怖】

 
1.貯金が目減りしていくことへの恐怖

(1)   定常的な目減り

(2)   高額急性期医療、慢性期医療

(3)   介護保険の範囲では、在宅介護ができなくなったとき

【追記】
(4)  地震など被災、火事、詐欺など特殊な「資産の減少

 
2.前提条件崩壊の恐怖

(1)   インフレ

(2)   円安

(3)   医療制度、介護制度の弱体化と崩壊き

 
3.「段階世代下」固有の恐怖

(1)   施設が枯渇している

(2)   人材が枯渇している

(3)   資金が枯渇している

 

<各論>

【高齢者のお金に関する恐怖】


1.貯金が目減りしていくことへの恐怖

 働くのを止めると、基本的な収入が無くなる。低金利なので、利息収入は見込みにくい。年金もそんなに期待できない。すると(収入<支出)となり、貯金が減っていく。貯金が底をついたのに、まだ生きていたら、どうしよう?

 
(1)   定常的な目減り

夫婦二人で普通に暮らすと一月の生活費はこれぐらいかかる、といった数字はある。少しリッチな生活をしたいならこれぐらい、一人生活ならこれぐらい。シミュレーションしてみて、安心できた人は良いが、足りないようだとわかると、暗くなってしまう。給料はとんでもなく減ってしまうが、再就職せねば

 
(2)   高額急性期医療、慢性期医療

    高齢急性期医療
たとえば癌になって高額な治療を受けたいと思った時、受けられるか。「定常的な目減り」で計算した貯金では、当然足りない。対策としては、がん保険(掛け金は高い)、高額療養費制度など

    慢性期医療
例えば、寝たきりになって、胃ろうを受けて、介護してくれる人がいなくなったら、介護保険を払い続けられるか。介護保険の範囲で、必要なケアができるか(介護保険適用外費用の発生)【追記】認知症を発症したときに援助を受けられるか

 
(3)   介護保険の範囲では、在宅介護ができなくなったとき

老人ホームに入ろうとして、入所費を払えるか、月々の入居費を払えるか。特養(特別養護老人ホーム)入所のハードルは、どんとん高くなっている。


【追記】
(4)  地震など被災、火事、詐欺など特殊な「資産の減少」

 地震やなどの被災で家を失ってしまったとか、詐欺にあって貯金が無くなってしまったとか





 
 
 
 
2.前提条件崩壊の恐怖

「1.貯金が目減りしていくことへの恐怖」は、個人の範囲である。個人の枠を超えて、どうしようもなく大きな変化が、計画を無意味化する。

(1)   インフレ

日本では現在インフレがなくて困っているが、将来大きなインフレになると、貯金が実質目減りする。計算して大丈夫だとおもっていたのが、大丈夫でなくなる

 
(2)   円安

グローバル化しているので、円安になると海外の物資の購買力が低下する。
今の円は高すぎると思う

 
(3)   医療制度、介護制度、年金制度の弱体化と崩壊

    医療制度、介護制度、年金制度の弱体化
掛け金の増大、支給額の減少、支給要件の制限強化など

    医療制度、介護制度、年金制度の崩壊
そもそも制度が成り立たなくなってしまう

 

3.「団塊世代下」固有の恐怖

 「団塊の世代は、厳密には第一次ベビーブームである1947年から1949年の間に出生した世代を指す」。私は1951年生まれで、「団塊世代下」(私の造語)である。「団塊世代に食いつぶされてぺんぺん草もはえない」(城仁士:「do for から do with へ  高齢者の発達と支援」の著者、関連→(661)(662)

(1)   施設が枯渇している

 「団塊世代下」が老人ホームや病院に入ろうとしても、
 「団塊世代」で満室のため入れない

 
(2)   人材が枯渇している

 「団塊世代下」が医療や介護を受けようとしても
 医療者や介護者は「団塊世代」で手一杯。医療や介護してくれる人がいない

 
(3)   資金が枯渇している

「団塊世代」には国のお金でなんとかしてきたが、
 そのお金も無くなってしまい、「団塊世代」のために使える金が無い

 
国が何もしてくれないなら、自費でなんとかするしかないが、
需要と供給の関係で、施設費も介護費も暴騰している。

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