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2016年11月10日木曜日

(688) 良寛 / 「苦しきは人を隔つる心 私にとっての良寛」(1/2)


「苦しきは人を隔つる心 私にとっての良寛」

放送 116日(日曜)  午前500分~ 午前600
NHKEテレ1
【出演】アートディレクター  北川フラム

※ 再放送 1112日(土曜)  午後100分~ 午後200
NHKEテレ1

 

(1)   苦しきは人を隔つる心

(2)   悟りの境地

(3)   花咲けば

 

<各論>

 
(1)   苦しきは人を隔つる心

 ===== 引用 はじめはじめ

いかなるが
苦しきものと問ふならば
人を隔つる心と答へよ

    良寛 

==== 引用 おわり

 
「人間は平等だ」などとは、良寛は思っていなかった。


皆、違う。平等とは関係なく、違う
その違いがあること全てを受け容れる
その違いこそ、素晴らしい

 
違いというものは、往々にして
世間の平均より劣っているところで現れやすい
そういうところで、人が切られていく


人間にくっついている修飾語みたいなもの
肩書や、お金や、らしさを、良寛は嫌っている
これが、良寛の人間観である

 
 
(2)   悟りの境地

 ===== 引用 はじめ

生涯懶立身  生涯、身を立つるに懶(ものう)し
騰々任天真  騰(とう)々、天真に任(まか)す
曩中三升米  曩(のう)中三升の米
炉辺一束薪  炉辺一束の薪
誰問迷悟跡  誰か問わん、迷悟の跡
何知名利塵  何ぞ知らん、名利の塵
夜雨草庵裡  夜雨、草庵の裡(うち)
双脚等閑伸  双脚、等閑に伸ばす

   良寛 

===== 引用 おわり

 
生涯、立身出世しようという気にならず
自由自在、あるがままにまかせてきた

袋の中には三升の米
炉端には、一束のたきぎがあるのみ

迷いや悟りの業績など気にかけない
名声や利益などという塵すらない

雨の降る夜中、草庵の中で
両足をのびのび伸ばしている

 

(3)   花咲けば

===== 引用 はじめ

花咲けば
待つには久し ひさかたの
雪ふみわけて わが出でて来し

   良寛 

===== 引用 おわり

 
半年雪の中で暮らしていると、
花や人を待つ心、喜び、期待は、並ではない

 
半年、雪しか見えない。抽象的空間に閉じこもる
そこで考えたことは、抽象絵画に似ている

雪の大変さ、真っ白な雪で覆われた世界
厳正でありながら、透明な世界である

雪の持っている強烈さを、自分の中で意識する
激しさを、取り込もうとする

 
雪があって、春がある

 社会的厳しさや大変さ
どうにもならない雪
自分の考えのベースとしている

 
大変さ、この中にも面白さを見出す
 

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