Facebookの “(684) アンデルセン童話 「人魚姫」「赤い靴」” (11/6投稿)
に関するコメントで次のようなやりとりがあった。
===== 引用 はじめ
Q :
西洋独特の恐ろしさが隠れている様に思えます。日本むかし話はいかに単純で素直かですね。むかし話も童話ですね?
A :
「昔話は作者不明、童話は作者がいる」らしいです。
・ 日本の昔話は、昔話
・ アンデルセン童話は、童話
・ グリム童話は、昔話に基づく童話
(グリム童話というものは、グリム兄弟が昔話などを元にして作っているというものなので、ルーツは昔話)
===== 引用 おわり
私の回答に間違いはないと思うが、
このまま放置するのは気になるので、コメントを追加する。
(1)
昔話と童話は違う
(2)
「日本むかし話は、単純で素直」とは、単純に言えない
(3)
子どもには二種類の読書が必要ではないか
<各論>
(1)
昔話と童話は違う
「昔話を元にして童話に仕立てたものが多い」という関係以上の関係はないと思う。昔話は本来、子供向けのものではない。昔話は、数ある物語のうち、生き残ったものである。生き残ったのは、その中に真実があるからだろう。真実は、ポンと直接そのまま子どもに投げかけられる代物ではない。
(2)
「日本むかし話は、単純で素直」とは、単純に言えない
本屋を探したら、すぐ見つかった
大人もぞっとする 原典『日本昔ばなし』
「毒消し」されてきた残忍と性虐と狂気
由良弥生、王様文庫
===== 引用 はじめ (表紙折り返し)
誰の心の奥底にもある、残忍性と禁断(タブー)
隙間から漏れ出し、生き延びてしまう…
『日本昔ばなし』の中の子殺しや子捨て、山姥(ヤマンバ)の子ども食いの話、
そして奔放な性の匂い…表立って語るのがはばかれるような
人間の暗い面を炙り出す話には『グリム童話』同様、
人間の深層心理として世界に共通する面があります。
日本の風土にじっとりとしみ込んだ人間の本性の恐ろしさと
巧みな知恵、その豊かな「泉」を心ゆくまで堪能してください。
===== 引用 おわり
(3)
子どもには二種類の読書が必要ではないか
一つは、図書館などで子どもが一人で読む、「毒消しされた」童話
もう一つは、親や教師や大人と読む、「毒消しされていない」昔話
しかし、現実は、残酷なものもあり、性的なものもある
その準備としての読書は有益であり、必要でもあるのだが、
それらを排除してしまった結果、成人へ移行するときに不適合が起こっているのではないか。
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