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2016年9月26日月曜日

(642)  エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、宮沢賢治『オツベルと象』


2016921日(水)放映済み BS朝日「あらすじ名作劇場」

   あらすじは、後述

 
(A)

『嵐が丘』は、「世界の三大悲劇」(『リア王』、『白鯨』、『嵐が丘』)や「世界の十大小説のひとつ」などと評されている


私の印象に残ったのは ”revenge” である(「リベンジ」ではない)。

英語の ”revenge” は、本来、おどろおどろしい(不気味で恐ろしい。すさまじい)言葉である。
1 :   to avenge (as oneself) usually by retaliating in kind or degree
2 :   to inflict injury in return for <revenge an insult>
Merriam-Webster Online

 
著者が29歳の時に発表した作品であるが、20歳のころには着想していたと言われている。これでもか、これでもかと人を恨み、貶める。著者の若い女性の心の中に似た感情がないと、書けないのではないか。圧倒されるとともに不思議に感じた。

 
 なお、最近、次のような【国語世論調査】が発表された。

同じような意味の漢字とカタカナ言葉で、どちらを主に使うか尋ねたところ、「リベンジ」は61.4%、「雪辱」は21.4%だった。30代以下では「リベンジ」派が8割を超えた。

「雪辱」という意味での「リベンジ」と、”revenge” は違う。

 

(B)

「オツベルと象」は、宮沢賢治の短編童話である。教科書にも広く収録されているほか、公文式の教材にもなっている。

 
 正直に言って、私は、何を言いたいのか分からない。インターネットで探してみたら、ブラック企業に入社した新入社員が、自殺する前に逃げ出した話だ、といったようなことが書いてあった。

 そうなのかもしれないが、それを教科書に載せてどうしたいのだろうかと、新たな疑問が湧いた。

 

次回「あらすじ名作劇場」は、
9月28日(水)22:00 23:00 BS朝日

「本のスペシャリストが選ぶ
未来に遺したい名作スペシャル」


 

<あらすじ>

(A)エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、

===== あらすじ はじめ

1801年、都会の生活に疲れた自称人間嫌いの青年ロックウッドは、人里離れた田舎にある「スラッシュクロス」と呼ばれる屋敷を借りて移り住むことにした。 挨拶のため「スラッシュクロス」唯一の近隣であり大家の住む「嵐が丘」を訪れ、 館の主人ヒースクリフ、一緒に暮らす若い婦人キャサリン・リントンや粗野な男ヘアトンといった奇妙な人々と面会する。 ヒースクリフは無愛想だし、キャサリン・リントンは彼の妻でもなさそうだ。 ヘアトンは召使の様な格好をしているが、食卓を一緒に囲んでいる。 しかもこの住人達の関係は冷え切っており、客前でも平気でののしり合っている。 彼らに興味を抱いたロックウッドは、事の全貌を知る古女中エレン(ネリー)に事情を尋ね、 ヒースクリフと館にまつわる憎愛と復讐の物語を聞かされることとなる。

昔、この「嵐が丘」では旧主人のアーンショーとアーンショー夫人、その子供であるヒンドリーとキャサリンが住んでいた。 ある日、主人は外出先で身寄りのない男児を哀れに思い、家に連れて帰ってきた。 主人は彼をヒースクリフと名づけ自分の子供以上に可愛がり、ヒースクリフはキャサリンと仲良くなった。 しかしアーンショー氏が亡くなり館の主人がヒンドリーになると、今までヒースクリフを良く思っていなかったヒンドリーはヒースクリフを下働きにしてしまう。 それでもヒースクリフとキャサリンは仲が良く、お互いに恋心を抱くようになっていた。 そんなある日、二人は「スラッシュクロス」の住人と出会うことになる。 当時、「スラッシュクロス」には上流階級の主人リントンとリントン夫人、その子供のエドガーとイザベラが住んでいた。 彼らの優雅な生活に衝撃を受けたキャサリンは上流階級に憧れを持ち、ヒースクリフを必要としながらも自分を下げることはできないとエドガーの求婚を受けてしまう。 ショックを受けたヒースクリフは姿を消す。

 やがてヒースクリフは裕福な紳士になって戻ってくるが、それは自分を下働きにしたヒンドリー、キャサリンを奪ったエドガー、そして自分を捨てたキャサリンへ復讐を果たすためであった。 まずは、「嵐が丘」のヒンドリー。 彼は妻を早くに亡くし、その悲しみから息子ヘアトンと共に荒れた生活を送っていた。 そこへ賭博の申し出をして、「嵐が丘」と財産をそっくり奪い取ってしまった。 その次は、エドガーと結婚したキャサリンの住む「スラッシュクロス」に訪れ、 一緒に住んでいたエドガーの妹イザベラを言葉巧みに誘惑し、一緒に駆け落ちさせて結婚。 だがそこに愛はなく、あるのは冷たい言葉と虐待だけだった。 耐えきれなくなったイザベラは「嵐が丘」を出て、一人でリントンを出産した。 その合間にもエドガーに内緒でキャサリンにたびたび会い愛を語っていたが、そのせいでキャサリンは発狂してしまう。 二人の間で板挟みになったキャサリンは苦しみ、ついには亡くなってしまう。 その時お腹にいたキャサリン・リントンは助かり、キャサリンの忘れ形見になった。

 こうして復讐を終えたヒースクリフだったが、その憎悪はとどまるところを知らなかった。 復讐はヒンドリーの息子であるヘアトンとエドガーの娘、キャサリン・リントンにも及んだ。 「嵐が丘」ではヒースクリフとヒンドリー、ヘアトンが住んでいたが、ヒンドリーは亡くなり、ヒースクリフはヘアトンと二人で暮らすようになった。 ヘアトンは元の素質が良く、本来は頭も顔も悪くなかったのだが、ヒースクリフはあえて野良仕事をさせ、悪態を覚えさせた。 そうしてヒンドリーの嫌うような、教養のない人間に育てることに成功した。 イザベラが亡くなり、ヒースクリフの息子であるリントンはイザベラの遺言によりエドガーに引き取られるはずだったが、ヒースクリフは無理やり引き取ってしまった。 しかしリントンは病弱で気弱、素質が悪いと見限ったヒースクリフは、彼を愛することはなかった。 「スラッシュクロス」ではエドガーとキャサリン・リントンが仲良く静かに暮らしていた。 ある日、キャサリン・リントンは「嵐が丘」に迷い込み、住人達と出会う。 過去の出来事を全く知らない彼女はヒースクリフ達に興味を持った。 特に前に少しだけあったリントンがいとこだとわかると、友達ができたと嬉しがる。 そこに目をつけたヒースクリフは、リントンとキャサリン・リントンを結婚させ、「スラッシュクロス」とエドガーの財産を自分のものにしようと企む。 この頃エドガーは衰弱しており、亡くなれば財産はリントンのものなのだが、リントンは病弱で、20まで生きられないのではないかと言われていたのだ[ 1] どちらが先に亡くなるか分からないのだから結婚させてしまおうと考え、ヒースクリフはリントンに入れ知恵をする。 ヒースクリフの策により、キャサリン・リントンはリントンに恋したと錯覚し、エドガーに内緒で会いに行くようになる。 しかしリントンの死期は迫っており、まともに相手をすることはできなかった。 キャサリン・リントンは目を覚まし始めるが「嵐が丘」へ行き、そこでヒースクリフに閉じ込められてしまう。 リントンと結婚しなければここから出さないと脅され、エドガーの死に目に会いたかったキャサリン・リントンは、リントンへの同情心も手伝って承諾する。 数日後、エドガーは亡くなり、しばらくしてリントンも亡くなった。 ヒースクリフは遂に、「スラッシュクロス」とエドガーの財産をも自分のものにしたのだった。

 エレンの長い話に納得したロックウッド。 しばらくここで過ごしていたが、あまりの退屈さに一年の契約期間を待たず都会へと帰って行った。 そうして時間が過ぎ契約が切れるとき、たまたま「嵐が丘」の近くを通り過ぎ、契約終了の挨拶でもしようと思い立った。 すると「嵐が丘」は前に来たときとまるで変わっていた。 キャサリン・リントンはののしり合っていたヘアトンと仲良く勉強しており、幸せそうにしている。 エレンに問いただしたところ、ヒースクリフは亡くなったのだという。 キャサリンに対する愛と憎しみにより、幻覚を見て発狂したと。 この「嵐が丘」と「スラッシュクロス」は本来の持ち主であるヘアトンとキャサリン・リントンに戻り、 二人は和解し、愛し合い、いずれ一緒になるだろう。 ヒースクリフはキャサリンの墓の横で、静かに眠っているのだろうか。 それとも二人で亡霊になって、今もまだ嵐が丘をさまよっているのだろうか。

===== あらすじ おわり
Wikipedia 『嵐が丘』

 

(B)宮沢賢治『オツベルと象』

===== 引用 はじめ

この物語は、「ある牛飼い」が物語るという形式になっている。

 ある日、地主のオツベルのところに大きな白い象がやってくる。オツベルは象をうまく騙して自分の所有物にし、過酷な労働を課す。そうとは露知らず、初めは労働を楽しんでいた白象だが、徐々に食べ物を減らされて弱っていく。白象は月の助言で仲間たちに手紙を書き、それを読んだ仲間の象たちはオツベルの邸へと押し寄せていく

===== 引用 おわり
Wikipedia 『オツベルと象』

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