前回に引き続き、以下の講演会について述べる。
2016/9/3、明石市民会館
講演「地域におけるコミュニティデザイン」
山崎亮 (株式会社 studio-L 代表)
配布資料なし
<(2/3) 主内容> 前回は(1/3) 形式、次回は(3/3)従内容
この講演のタイトルは、「地域におけるコミュニティデザイン」である。内容で直接関係があるものを「(2/3)主内容」、その他を「(3/3)従内容」とする。
「(2/3)主内容」
1. 展覧会「2240歳スタイル~時間を味方にする人生の先輩たち~」
~ 「先輩」として「高齢者」に接する
2. 地域力の外部化
~ 外部化により地域力が弱まった。地域力を取り戻さねばならない
3. 定住人口、交流人口、活動人口 ~ 縮充 ~
~ 定住人口が減るのはやむをえない。活動人口を増やそう
4. 香川県観音寺市の観音寺商店街
~ 押し付けでない、商店街の活性化
<各論>
29人の高齢者(「先輩」と呼ぶ)の暮らしを取材して、その生活の有り様について「衣」、「食」、「住」、「元気」のテーマに分けて、データや写真、展示パネル、そして実際の持ち物などをお借りして展示した。
「老人」→「高齢者」→「先輩」。響きが良くなってきた。
ご参考:
2. 地域力の外部化 (注:山崎氏は「外部化」という言葉は使っていない)
~ 外部化により地域力が弱まった。地域力を取り戻さねばならない
その昔、年貢は村単位で徴収されていた。ある一家が豊作であっても、他が不作で年貢を払えないと、その分を補わなければならない。村全体が豊かにならないと自分は豊かになれない、運命共同体となっていた。しかし、個人にかかる税金ではそのようなことが起こらない。
戦後、占領軍は日本の弱体化を図った。集落の結束の強さが日本の強さの要と考え、集落の解体を目指した。教育制度、社会福祉協議会を整備し、教育・福祉の機能を集落から切り離した。防犯・防災も、冠婚葬祭も、娯楽も切り離していった。今では運動会を開催している町内会もあるが、それらもしなくなると回覧板だけが残る。
歴史の中でバラバラになった地域の機能を集め直し、地域を復活させなければならない。
山崎氏の話には出て来なかったが、以下、ご参考
「惣村(そうそん)は、中世日本における百姓の自治的・地縁的結合による共同組織(村落形態)を指す。惣(そう)ともいう」
3. 定住人口、交流人口、活動人口 ~ 縮充 ~
~ 定住人口が減るのはやむをえない。活動人口を増やそう
定住人口を増やそうとしている自治体が多い。しかし、日本全体でみると、グロス・マイナスである。総合計が減っていくので、ある自治体の定住人口が増えるということは、
近隣自治体の定住人口が減ることであり、日本としては人口減に対し、何の解決にもならない。
交流人口(その地域に訪れる人口)を増やそうという動きもあるが、大切なのは活動人口(職業の有無に拘らず、「社会的・生産的活動」を行っている人口)の増加である。
定住人口が減っても、活動人口が増えれば、その自治体は、大丈夫である。「拡充」に対して、これを「縮充」という。「縮絨」は本来、「毛織物を水などに浸してもむと,織糸が縮んで布面が収縮すること,またこのようにする処理」を指すが、ここでは「縮んで充実する」の意味で使っている。
ご参考 活動人口とMEA(日本総研)
4. 香川県観音寺市の観音寺商店街
~ 押し付けでない、商店街の活性化
「ショップインショップ」の展開や、「今宵もはじまりました」というキャッチフレーズのインターネット配信などで、商店街を活性化した。
実は、あまり儲かってはおらず、経済活性化とは言えない。しかし、若い人たちが来るようになり、商店街店主の健康寿命が延びた。
ご参考
http://www.syoutengai-shien.com/case/report/article/dvmij3000000ctce.html?channel=main
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