(502) 「五輪書」(2)自己を磨く鍛錬の道(2/2)(5月9日(月) 22:25- Eテレ放送)
(499)の続きです。
テキスト(一番下参照)から抜き書き出させていただきます。
<目次> 自己を磨く鍛錬の道
(1) 術の基礎となること
①「心持(心の持ち方)」、②「兵法の身なり(姿勢)」、③「目付(目の付け方)」
(2) 太刀の構え方と太刀遣いの原理、そして稽古法
①「五方の構え」、②「太刀の道(太刀遣い)」、③「有構無構のおしへ」
(3) 敵と打ち合う際の実践的な心得
①「拍子」、②「一人で大勢と戦う」、③「今日は昨日の我に勝つ」
<各論>
(1)
術の基礎となること
①
「心持(心の持ち方)」
心を広く真っすぐにして強く引っ張らず、少しもたるむことなく、心が片寄らないように、心を真ん中に置いて、心を静かに揺るがせて、その揺るぎの刹那も揺るぎやまないように、よくよく吟味すべきである。
②
「兵法の身なり(姿勢)」
顔はうつむかず、傾かず、歪まず、目を乱さず、額に皺を寄せず、眉の間に皺を寄せて、目の玉を動かさないようにして、瞬きをしないように思って、目を少しすくめるようにして、周りを広く見るようにする。
③
「目付(目の付け方)」
「観の目」は、心の動きにより状況全体を見る目です。他方「見の目」は、普通に目で追って物を見る目です。観の目を強くして状況を的確に把握し、敵の太刀を見ずに敵の攻めを見知ることが大事
(2)
太刀の構え方と太刀遣いの原理、そして稽古法
①
「五方の構え」
五方の構えは、上段、中段、下段、右脇、左脇に構える、この五方である。… いずれの構えであっても、構えるとは思わず、切るためだと思うべきである。
②
「太刀の道(太刀遣い)」
むやみに太刀を振り回すのではなく、その都度の敵に応じて、究極的にはただ一つに極まるはずの太刀筋を求めていく
③
「有構無構のおしへ」
「構はありて構はなき」。初めに太刀をどこに置くかという意味で構えはあるが、本来決まった太刀の構えというものはなく、敵を切りやすいように構えることこそが肝要だ。
(3)
敵と打ち合う際の実践的な心得
①
「拍子」
敵の拍子の逆をとって打つ心得。ゆっくりした敵には、自分の方から速く打つ「一拍子(イツビョウシ)の打(ウチ)」、気の早い敵には、自分が打つと見せて相手が打ってきたところをかわして打つ「二越(コシ)の打」、敵も自分も打とうする時、打つ気配を見せずに強く打つのは「無念無相の打」、そして、あえて遅れた拍子で打つこともある
②
「一人で大勢と戦う」
大勢と戦う時は、場や障害物などをうまく利用し、集団が崩れるようにして勝てばよい
③
「今日は昨日の我に勝つ」
昨日より今日、今日より明日と、毎日少しでも自分の技量を高めていくこと、それを千日、万日と積み重ねていってこそ、鍛錬である
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