別の話。
「(浄瑠璃の)人間国宝の大夫(具体的には最近引退された竹本住大夫さん)は、全然違う」と聞いて、どこが違うかを訊ねた。例えば「未練」という言葉が出てきたときに、素人だと「ミレン」という言葉しか聞こえない。しかし、住大夫さんのを聞くと、その三つの音を聞くだけで、「未練の思いがひしひしと伝わってきて、自分の心の中に未練の情が沸き起こる」という。
これは発信者のことだが、受信者についても同様なことが言える。「未練」という言葉を情念として受け止められる(心が動く)人と、「未練」=「執心が残って思い切れないこと・あきらめきれないこと」(デジタル大辞泉)と字句としてしか受け取れない人とがいる。これを「未練」課題と名付けてみた。
「Yes / No 」課題も、「未練」課題も、訓練や経験でよりよく対処できるようになることは可能だし、その努力は必要だろう。しかし、所詮、得意・不得意は残る。
結局は「さまざまな人がいることを前提にし、生きていけ」ということだろう。
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