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2022年2月28日月曜日

(2581)拡大自殺(6) セーフティーネットを拡充する必要がある

 【 拡大自殺 ・ セーフティーネット 】事件を引き起こすリスクを低減させるためには、欲求不満や孤立などの問題を抱える人々を受け止める社会のセーフティーネットを拡充する必要がある。経済的支援整備と孤立させない仕組みづくり。


 事件を引き起こすリスクを低減させるためには、欲求不満や孤立などの問題を抱える人々を受け止める社会のセーフティーネットを拡充する必要がある。

 

 まず、欲求不満が強まる理由の一つに、低収入や失業などによる経済的困窮がある。経済的困窮に陥った人が人生に絶望せずに済むよう、低所得者対策や生活保護などの制度を必要とする人が利用しやすくなるよう見直すべきだ。

 また、独り身など孤独を感じている人を社会から孤立させないことも重要だ。人は孤独や絶望を感じたとき、誰かに話を聞いてもらえるだけで落ち着くことが多い。家族や友人がいない場合でも、精神科や心療内科への受診のほか、自殺予防などの相談を受ける民間団体もある。電話相談は心理的ハードルが低く、深刻な話も打ち明けやすい利点がある。

 

<出典>

【タイトル】 他者巻き込む「拡大自殺」 社会全体で食い止め

【新聞】 産経新聞(2022/01/19)

【発信者】精神科医 片田珠美

 

添付写真は、

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a646ef3855f5dd2dba2d2a8bfad7e69384309b7?page=3



2022年2月27日日曜日

(2580) 『日蓮の手紙』(4-2) / 100分de名著

 【 読書 ・ 100de名著 】日蓮は仏教者として、病や死に苛まれる人を励まし、支え続けました。最終回は、手紙だからこそリアルに感じ取れる、日蓮の死生観を見ていきたいと思います。


第4回  28日放送/ 30日再放送

  タイトル: 病や死と向き合う

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

【テキストの項目】

(1)      病の人を励ます

(2)      子をなくした人に寄り添う

(3)      鬼神を叱り飛ばす

(4)      「霊山浄土でお会いしましょう」

(5)      旅路の途上の最期

 

【展開】

(1)      病の人を励ます

 病気がない人であっても、無常の道理を免れることはありません。ただし、尼御前は老齢の域にあるのではなく、「法華経の行者」です。寿命を全うしないで死ぬようなことは、あるはずがありません。《中略》

 尼御前は「法華経の行者」です。そのご信心は、月の満ちるがごとく、潮の満ちるがごとくであります。どうして病が消え失せず、寿命も延びないことがあろうかと強盛に思って、身体に養生を心がけ、心にはものごとをくよくよと嘆いたりしないようにしてください。 …(『富木尼御前御書』、建治2年〔1276227)

 何の病であったかは分かりませんが、この手紙からすると、富木尼は気鬱に陥っていて、死の不安にとらわれていたように思われます。 … 日蓮は、富木尼の不安と嘆き悲しみの心が最大の問題点だと見ていたのでしょう。不安と嘆き悲しみを吹き払うために、日蓮は懸命に富木尼を励ましています。

 

(2)      子をなくした人に寄り添う

 日蓮は、五郎の四十九日にも手紙を送っていますが、次に紹介するのは五郎が亡くなって四ヵ月後に送った手紙です。

 故七郎五郎殿は、年齢は十六歳で、心根も、容貌も、人に勝れておられた上に、男としてのオ能を備えていて、万人にはめられていただけでなく、 … 私〔上野尼〕が死んだら、この子に担われて埋葬場〔または火葬場〕へ行った後は、思い残すことはないと深く思っていたところに、不孝にして先立ってしまったので、どうしたことであろうか、夢か、幻か、覚める、覚めると思っても、覚めることはなく、年も改まってしまいました。いつまで待てばいいのかも分からず、再会できる場所だけでも言い残しておいてくれたならば、羽がなくても天にも昇ろう。船がなくても唐の国へ渡ろう。大地の底にいると聞けば、どうして大地をも掘らないでおられましょうかと思っておられることでしょう。(『上野尼御前御返事』、弘安4年〔1281113)

 上野尼の心情を汲んで、励ますというよりは、もはや日蓮が尼自身になりきり、五郎の面影をしのび、思い出をたどり、これは夢か幻か、どこへ行ったら五郎に会えるのかと行きつ戻りつしています。日蓮は、このように相手の身になってものを思うのが常でした。それとともに、悲しみに打ちひしがれ、何をどう考えていいのかも分からない母親に代わって、日蓮が母親の思いを表現してやったものとも言えます。

 

(3)      鬼神を叱り飛ばす

 また、鬼神のやつらめ、この〔南条時光という〕人を悩ますのは、〔お前たちは〕剣を逆さまにして呑む気か、大火を抱きかかえる気か、 … 恐れ多いことであろう。この人の病をただちに治して、逆にこの人を守る者となって、 … 〔南条時光を〕留めて末長く生きさせよ。末永く長生きさせよ。日蓮の言葉をさげすむならば、必ず後悔することになるであろう。(『法華証明抄』、弘安5年〔1282228)

 日蓮自身も病に冒されていながら、この人を死なせてはならないという、ほとばしるような思いをそのまま筆に任せて書いたものと思われます。 … これは、南条時光に宛てた手紙であるはずなのに、時光に取り憑いている鬼神に向かって物申す文章になっています。別の見方をすると、ここに言う「鬼神」とは、時光の弱気になった心を指しているのでしょう。 … 日蓮は「死ぬな」「生きろ」と、弱気になった時光の心を声を限りに叱咤し鼓舞しているように思えます。

 

(4)      「霊山浄土でお会いしましょう」

 私たちが居住していて、『法華経』というあらゆる人を成仏させる一仏乗の教えを修行する所は、いずれの所であっても、久遠の仏が常住する常寂光の都であるはずです。我らの弟子檀那となる人は、一歩も行くことなくして天竺の霊山浄土を見、本来有りのままに常住する仏国土へ昼夜に往復されることは、言葉で言い表すこともできないほど嬉しいことです。(『最蓮房御返事』、文永9年〔1272413)

 『法華経』を読誦し、実践する人のいるところが、そのまま霊山浄土であり、その人は、そこから一歩も動くことなく、日夜そこに往来できると説いています。

 『法華経』に説かれた永遠・常住の境地(霊山浄土)に立ち還ることによって、自己に永遠・常住の境地を体現することになります。永遠は、決して死後の世界にあるのではなく、「いま」「ここ」で、この「わが身」を離れることはないのです。

 

(5)      旅路の途上の最期

 いま残っている最後の手紙は、身延の日蓮の生活を支えてくれた波木井実長に宛てた礼状です。

 ついには、やがて戻っていく道でありますが、病の身であるので、思わぬこともあるでありましょう。そうであっても、日本国でいささか取り扱いに困っている身を、九年まで帰依された志は、言葉で言い尽くせないので、いずこで死んだとしても、墓は身延の沢にしてくださるべきです。(『波木井殿御報』、弘安5年〔1282919)

 悲壮感が漂うわけでもなく、仰々しくもなく、むしろ淡々としています。「日本国でいささか取り扱いに困っている身」などと言うあたりは、日蓮らしいユーモアも漂います。ほんのりと明るい感じすらあります。

 それは、生と死はひとつながりだからでしょうか。霊山浄土で会える人々がたくさんいるからでしょうか。

 『法華経』そのものの人生を生きた日蓮にとっては、生死をまたぐ瞬間も、また喜びであったのではないでしょうか。

 

<出典>

植木雅俊(2022/2)、『日蓮の手紙』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2022年2月25日金曜日

(2579) 「プライド詰め込んだ」北京で紡いだ 選手名言集

 【 北京冬季五輪 ・ 名言集 】(1)「仲間がいないと取ることができないメダル。誇りに思う」(2)「たくさんハグしてあげた」(3)「氷に嫌われちゃったな」(4)「え、最年少なの、みたいな感じ」(5)「…そういう怒りがうまく最後に表現できた」


 17日間にわたって、数々のドラマを繰り広げた北京冬季五輪が20日夜、閉幕した。新たに誕生したヒーローやヒロインは思い思いに歓喜を表現し、泣き笑いがあったレジェンドたちは心に響く言葉を残した。

 

(1)     「仲間がいないと取ることができないメダル。誇りに思う」

(2)     「たくさんハグしてあげた」

(3)     「氷に嫌われちゃったな」

(4)     「え、最年少なの、みたいな感じ」

(5)     「点数は納得いっていなかった。そういう怒りがうまく最後に表現できた」

 

【展開】

(1)     「仲間がいないと取ることができないメダル。誇りに思う」

 連覇を狙った団体追い抜きで菜那が転倒し、銀メダルに終わった。…終始うつむく菜那を、美帆は「仲間がいないと取ることができないメダル。誇りに思う」とかばった。

 

(2)     「たくさんハグしてあげた」

 ノルディックスキー混合団体では、高梨沙羅(25)がスーツの規定違反で1回目に失格となりながら、猛追して4位に。泣き崩れる高梨を抱きとめた小林は「たくさんハグしてあげた」とはにかんだ。

 

(3)     「氷に嫌われちゃったな」

 ショートプログラム冒頭のジャンプでミスが出て、「氷に嫌われちゃったな」。それでも、フリーではクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑み、「今できる羽生結弦のベスト。挑戦し切った、自分のプライドを詰め込んだ五輪だった」と前を向いた。

 

(4)     「え、最年少なの、みたいな感じ」

 ビッグエア女子で銅メダルに輝いた村瀬心椛(ここも)(17)は冬季五輪の日本女子最年少のメダリストになったが、「え、最年少なの、みたいな感じ」と平常心だった。

 

(5)     「点数は納得いっていなかった。そういう怒りがうまく最後に表現できた」

 ハーフパイプ男子の平野歩夢(あゆむ)(23)は大技連発で3回目に逆転し、金メダル。2回目の得点の低さが物議を醸し、「点数は納得いっていなかった。そういう怒りがうまく最後に表現できた」と王者の矜持(きょうじ)をのぞかせた。

 

<出典>

【タイトル】 17日間冬のドラマ終焉 生まれた名シーンと言葉

【新聞】 産経新聞(2022/02/21)

【タイトル】 「プライド詰め込んだ」北京で紡いだ 選手名言集

URL】 

https://www.sankei.com/article/20220220-V6OOW4PSQVNN7HKFDS3WZE2Y24/?outputType=theme_beijing2022

 

添付写真は、

https://www.nishinippon.co.jp/item/o/874215/



(2578) 『日蓮の手紙』(4-1) / 100分de名著

 【 読書 ・ 100de名著 】家族を失って絶望の底にいる人々にはとことんまで一緒に悲しみ、自らの死や病についても端然としてありのままを受け入れていく。その背景には日蓮独自の深い死生観(「生死不二」)がある。


第4回  28日放送/ 30日再放送

  タイトル: 病や死と向き合う

 

 日蓮ほど、弟子たちの「死の悲しみ」や「病の苦しみ」に向き合った人は稀だ。家族を失って絶望の底にいる人々にはとことんまで一緒に悲しみ、自らの死や病についても端然としてありのままを受け入れていく。その背景には日蓮独自の深い死生観がある。日蓮は生と死が生命の二つのあり方であると考えた。波が生まれたり消えたりしても海そのものがなくならないのと同じように、人間はある時は生きているというあり方をとり、ある時は死というあり方をとるが、その人の「生命本体」は一貫している。この「生死不二」という立場に立つとき、私たちは死というものと本当の意味で向き合うことができるという。第四回は、日蓮の「死生観」を通して、人間は、病や死とどう向き合っていけばよいか、真の意味で人生を全うするとうはどういうことかを考える。

https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/prWy9qVl18/

 

【テキストの項目】

(1)      病の人を励ます

(2)      子をなくした人に寄り添う

(3)      鬼神を叱り飛ばす

(4)      「霊山浄土でお会いしましょう」

(5)      旅路の途上の最期

 

<出典>

植木雅俊(2022/2)、『日蓮の手紙』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2022年2月24日木曜日

(2577) 「安心感」が柔軟な行動のカギ(4) 内弁慶を卒業する

 【 安心感 ・ 内弁慶 】仲間関係や先生との信頼関係が形成され、安全基地ができてくると、活動性は高まります。このような視点から子どもの行動を理解すると、内弁慶も発達の一つの証しと思えるのではないでしょうか。


===== 引用はじめ

 内弁慶という言葉があります。「家ではやりたい放題しているのに、よそではまるで借りてきた猫みたいになってしまいます。心配なのですが、どうしてそうなるのか教えてください」というような相談を受けることがあります。

===== 引用おわり

 

 この仕組みについての説明を紹介してきました。

 

===== 引用はじめ

 幼児期から児童期の初めに見られる「内弁慶」は、その子どもにとって、家以外の環境が未知で不安な場所と感じられていることとも関係しているのです。仲間関係や先生との信頼関係が形成され、安全基地ができてくると、活動性は高まります。このような視点から子どもの行動を理解すると、内弁慶も発達の一つの証しと思えるのではないでしょうか。

===== 引用おわり

 

 「内弁慶はよくない」ではない。内弁慶は、発達していく過程に通る、一つの通過点であり、発達してきたからこそ、内弁慶になった。

 

 そして、「内弁慶はいけません」と教え諭しても、子どもは動けない。「安全基地」「信号機」としての働きを十分に繰り返し提供することにより、信頼関係と安心感を得、こどもは、ごく自然に内弁慶を卒業し、次の発達段階に進んでいくのでしょう。

 

このシリーズ、終わり。

 

<出典>

【タイトル】 「安心感」が柔軟な行動のカギ

【新聞】 産経新聞(2020/02/03) 子ども点描





2022年2月23日水曜日

(2576) 北京五輪、グレースノート社が予想していた個数のメダル

 【 北京五輪 ・ グレースノート社 】グレースノート社が今月2日付で公表した各国・地域のメダル獲得数予想で、日本は金3、銀7、銅9の計19個とされたが、実際は金3、銀6、銅9の計18個と、一つしか違わなかった。


 北京五輪が、終わった。グレースノート社がメダル数を予想していたが、日本の獲得メダル数は、見事に一致した。(パラリンピックは、これからだ)

 

 日本は

予想 金3、銀7、銅9の計19個

実際 金3、銀6、銅9の計18個

 

メダルの色はさておき、個人・種目ごとに予実を比較すると、

  メダルを期待されていて、実際にメダルを獲得      …12個

  メダルを期待されていなかったが、実際にはメダルを獲得 … 6個

  メダルを期待されていたが、実際には獲得できなかった  … 7個

 

 金メダル候補の誰も、金メダルを得られなかった。

 メダル候補でなくても、メダルを得られた人がいる。

 

 合計数が当たったといっても、個々人レベルで見れば、予想は予想に過ぎない。

 候補になったら取れるというものでもないし、候補にならなかったら取れないというものでもない。

 

===== 引用はじめ

 米国の大手データ会社グレースノート社によるメダル予想の正確さが注目を集めている。同社が今月2日付で公表した各国・地域のメダル獲得数予想で、日本は金3、銀7、銅9の計19個とされたが、実際は金3、銀6、銅9の計18個と、一つしか違わなかった。

 同社は4年前の 平昌ピョンチャン 五輪以降の世界選手権、ワールドカップなどのデータを統計的に処理し、全種目の金、銀、銅を「バーチャル・メダル・テーブル」として予想。日本の金メダルはスピードスケート女子1500メートルの高木美帆(日体大職)、スキージャンプ男子ラージヒルの小林陵侑(土屋ホーム)、同女子の高梨沙羅(クラレ)と予測しており、種目こそ異なっていたが、総数はほぼ一致していた。

 同社は昨夏の東京五輪前にも、日本のメダル総数を60個と予想し、実際は58個とほぼ的中させた。

===== 引用おわり

https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2022/20220221-OYT1T50130/

 

<出典の表のデータ元>

予想  産経新聞(2022/02/23)

実績  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220220/k10013480161000.html



2022年2月21日月曜日

(2575) 令和4(2022)年 2月中旬 の 組織Blog リスト

 【 組織Blog ・ 旬報 】 令和4(2022)年2月11~2月20日 組織Blogリスト


(K1697) 令和4(2022)年 2月上旬 個人Blog リスト

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1697.html

 

(K1698) 古くなれば老人力、というわけではない / 「 老人力 」(33)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1698.html

 

(K1699) 白内障手術で認知症を予防できる。その科学的根拠

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1699.html

 

(K1700) Z世代が社会を変える(12) Z世代(2) 中村輪夢(19)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1700.html

 

(K1701) 五感 満足させるケアを。医療はほんの少しお役に立てる

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1701.html

 

(K1702)「 認知症の語り 」(34)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1702.html

 

(K1703) Z世代が社会を変える(13) Z世代(3) 塗野直透(21)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1703.html

 

(K1704)「賃貸」という選択 ~ 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1704.html

 

(K1705) アメリカは老人力理解不能の国だと思う / 「 老人力 」(34)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1705.html

 

(K1706) Z世代が社会を変える(14)Z世代(4) 加藤路瑛(15)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1706.html

 

(K1707) ごみ屋敷(1) ディオゲネス症候群

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1707.html

 

(K1708) Z世代が社会を変える(15)Z世代(5) 古井康介(26)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1708.html

 

(K1709)「 認知症の語り 」(35)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1709.html

 

なお、前回の紹介は、

(2562) 令和4(2022)年 2月上旬 の 組織Blog リスト

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2562.html



2022年2月20日日曜日

(2574) 『日蓮の手紙』(3-2) / 100分de名著

 【 読書 ・ 100de名著 】冬は必ず春となります。 … 《中略》疑ってはなりません。間違いなく、皆さんの守りとなっておられるでしょう。さらには、きっと生まれ変わって来訪されているに違いありません。


第3回  21日放送/ 23日再放送

  タイトル: 女性たちの心に寄り添う

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

【テキストの項目】

(1)     弱った心を勇気づける

(2)     月経など当たり前

(3)     女性は穢れているのか

(4)     女性に「聖人」という最高の称号

 

【展開】

(1)     弱った心を勇気づける

 日蓮の信奉者の特徴としては、女性が多いということを挙げることができます。日蓮は男性だけでなく、女性にも大変に慕われました。女性信徒に送った書簡も多く、四分の一以上が女性宛てです。

 男性も女性も、正法を真摯に求める者は等しく覚りを得られると説いた『法華経』――女性の心をつかんだ理由はそこにあります。けれどもそれだけではなく、日蓮自身の人間的魅力も相乗効果となっていたと私(=解説者)は考えています。

 日蓮が厚情に感謝し、また夫に先立たれた尼の悲しみを思いやり、励ましの言葉を贈った手紙です。

 『法華経』を信ずる人は、冬のようなものです。冬は必ず春となります。冬が秋に逆戻りしたことを、昔からいまだに聞いたことも、見たこともありません。《中略》

 御主人は、『法華経』に命を捧げた功徳があるので、大月輪の中か、大日輪の中かにあって、妻子〔あなたがた〕の姿を天の鏡に浮かべて二十四時間にわたってご覧になっているでしょう。しかし、妻子は凡夫(仏法の道理を理解していない者)であるので、それを見ることも、聞くこともありません。譬えば耳が不自由になった人が雷の音を聞くことがなく、失明した人が太陽を見ることがないようなものです。疑ってはなりません。間違いなく、皆さんの守りとなっておられるでしょう。さらには、きっと生まれ変わって来訪されているに違いありません。(『妙一尼御前御消息』、建治元年〔12755)

 

(2)     月経など当たり前

 かつてこの国には、「女性は穢れている」という考え方が抜きがたくありました。その偏見の理由として最たるものが、月経でした(当時は「月水」と称しました)。女性はしょっちゅう血を流して穢れているので、覚ることができないと言われたり、女性に触れてはいけないと忌避されたりしました

 「月経のときにお経を読んだり題目を唱えたりすることは慎んだほうがよいのでしょうか」という質問に対し、全く何の障りもありませんと日蓮は手紙で回答しました。

 月経というものは外からやってくる不浄〔穢れ〕ではありません。単に女性の体に生理現象として周期的に現れる変調であり、生命の種を継承する原理に基づいたものであり、また〔その時に体調が崩れるのも〕長病のようなものにすぎません。それは、例えば屎尿が人体から排泄されますけれども、浄化し、清潔にすればなんの忌み嫌うこともないのと同じです。〔月経というものは〕その程度のものではないでしょうか。(『月水御書』、文永元年〔1 264417)

 「単なる生理現象」「生命の種を継承する原理」…いまから750年も前にして、このように科学的、かつ合理的な考え方をされます。

 

(3)     女性は穢れているのか

 釈尊が存命であったころ、および直弟子たちが活躍していたころの仏教(原始仏教)には、不合理な女性差別はありませんでした。ところが、釈尊の死後百年、二百年とたつうちに、西北インドで勢力を振るっていた小乗仏教の差別主義と権威主義によって、本来の仏教が改ざんされて、女性は穢れていて成仏できないとされてしまったのです。

 日蓮は、千日尼に「『法華経』は女人成仏を最優先とする経典です」と教示していました。女性を差別しないどころか、女人成仏を最優先としているという。

 小乗仏教は女人成仏を全く許していません。

 大乗経は、あるものは成仏、あるものは往生を許しているようであるけれども、それは仏の仮の言葉であって、その事実はありません。ただ『法華経』こそが、女人成仏をかなえ、悲母〔産み育ててくれた慈悲深い母親〕の恩に報いる真実の報恩の経であると見ましたので、悲母の恩に報いるためにこの経の題目をすべての女性に唱えさせようと願いました。(『千日尼御前御返事』、弘安元年(1278)728)

 日蓮の言葉のとおり、真に女人成仏を実現させているのは、『法華経』のみだと思います。

 

(4)     女性に「聖人」という最高の称号

 文永9(12712)5月ごろ、日妙尼という女性この尼が幼い娘とともに鎌倉から信濃の山を越え荒波を渡り、はるばる佐渡の日蓮を訪ねてきました。この人は夫と早くに離別し、苦しい暮らしの中、女手一つで子を育てていました。

 教団全体が厳しい弾圧にさらされ、幕府の役人に呪まれたら、どんな目に遭うか分かりません。山路には山賊、海路には海賊が横行しています。そんな危険をものともせず、幼な子の手を引いて訪ねてきてくれたのです。

 日蓮は、日妙尼を「聖人」とまで称しました。「聖人」の号はとりわけ徳が高く、高潔な人格の教祖や高弟にしか用いられません。当時の他の宗教者ならば、貧しく、身分があるわけでもない寡婦にこんな称号を与えることはないでしよう。

 これは、人間の価値は生まれで決まるのではなく、その人の行いによって決まると説いた釈尊の教えをそのまま実行していることでもあります。目蓮は、実に言行一致の人でありました。

 

<出典>

植木雅俊(2022/2)、『日蓮の手紙』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



(2573) 4位で準決勝に進んだ私たちの最大のアドバンテージ

 【 カーリング ・ アドバンテージ 】 サードの吉田知那美選手は3点をとられた第7エンドについて。4位で準決勝に進んだ私たちの最大のアドバンテージは、予選でほかの3チームよりもたくさんのミスやたくさんの劣勢を経験できていることだ

 サードの吉田知那美選手は3点をとられた第7エンドについて「4位で準決勝に進んだ私たちの最大のアドバンテージは、予選でほかの3チームよりもたくさんのミスやたくさんの劣勢を経験できていることだ。私たちは3点や4点とられることもすでに経験しているので、驚くことなく、冷静にその後の展開を作れたのがすごくよかった」

 

 こういうアドバンテージなら、私でもいくつも持っている。そのアドバンテージを生かせる人と生かせられない人とで、差ができるのかな。

 

【第7エンド 日本 6-5 スイス(後攻)】

 先攻の日本は相手の複数得点を防ぐためハウスの中心付近にストーンを置いていきました。

 狙いどおりに日本のストーンとスイスのストーンが2つずつという状況を作りましたが、スイスのフォースに1投目で日本のストーンだけをはじき出す「ダブルテイクアウト」を決められました。

 これで円の中にスイスのストーンが3つと変わり、スキップの藤澤選手は最後の1投で1つでも多くはじき出そうとしますが、結局、2つは残ってしまいます。

 スイスは最後の1投で日本のストーンもはじき出し、3点を獲得。

 スイスが底力を見せ、ビッグエンドを作りました。

 

<出典>

【タイトル】 カーリング【詳細】日本 スイスを破り初の決勝進出 銀以上確定

URL】 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220218/k10013491501000.html



2022年2月19日土曜日

(2572) サル団子が気になる(2/2) 新聞記事に書いていないこと

 【 サル団子 ・ 一番外側 】一番外側のサルは不利だ。「どのようなサルが一番外側にいるのか。いつも同じサルが一番外側なのか」「一番外側のサルは、どう感じ、どう思っているのだろうか」。サルを見ていると人間固有の習性が見えてくる。


 サル団子が気になる。いくつか知りたいことが出てきた。

(1)     サルは集団を形成するが、必ずしもサル団子を作らないのではないか

 どのようなサル集団がサル団子を形成するのか

(2)     サル集団にはボスがいるはずだ

 サル団子の真ん中にボスザルいそうだが、どうか

(3)     一番外側のサルは不利だ

 どのようなサルが一番外側にいるのか。いつも同じサルが一番外側なのか  ←←←

(4)     一番外側のサルは不利だ

 一番外側のサルは、どう感じ、どう思っているのだろうか  ←←←

 

【展開(B)】新聞記事に書いていないこと ~ 自分で考え、想像するしかない

 

(3)     一番外側のサルは不利だ

 どのようなサルが一番外側にいるのか。いつも同じサルが一番外側なのか

可能性としては、

  「第1位オスが内側にいる割合が高い」「できている団子に優位オスが割り込む」(前述)ということは、劣位のサルが外側に回される

  「小さなサル団子に親密でない個体も参加して巨大化」(前述)ということは、機敏なサルが先ず集まり、鈍重なサルが後から参加する。その結果、機敏なサルは内側に、鈍重なサルは外側になる

  「サル団子はメス猿の方が作りやすく、小猿を抱えて参加することも多い」。弱い子猿を内側に入れてやれば美談になるが、動画を見ているとそうはならず、子猿を抱えた母猿が外側にいる。機敏に動きにくいからではないか

 

(4)     一番外側のサルは不利だ

 一番外側のサルは、どう感じ、どう思っているのだろうか

 これは、わからないが、動画を見ていると、ともかく寒くて、一番外でもサル団子にくっつけば、体の半分は暖かくなる。子ザルを胸に抱いて、母猿が背中を外に向けてサル団子に入れば、子ザルはスッポリと暖かい環境に入れる。一番外側でも「少しは快適になった」と満足しているのではないか。

 「ボスザルがいつも真ん中にいるのは、権力の横暴だ」「いつも外側になるサルがいるのは、不公平だ」「子猿や老猿は弱いので、中心に入れてあげるべきだ」「福祉を充実させよ、親子猿を守れ」「誰かが一番外になる。若くて元気な私は一番外側でもいい」などとは、サルたちは考えない。

 人間固有な習性のため、外に回されると、不公平感を覚え、怒り、不平を言うのが人間だ。もっともなことである。一方、深く考えない猿は「一匹でいるより一番外でもくっつくほうが温かくてうれしい、しあわせ」と。猿の方が主観的幸福感は、高いかもしれない。サルからアンケート回答を得たわけでなく、実証実験はしていない。想像だ。

 

 私は、どうも、一番外のサルが気にかかる。

 

<出典>

【タイトル】 暖とる「サル団子」 優位オスはヌクヌク

【新聞】 産経新聞(2022/02/01 )

【タイトル】 人間社会と酷似 「サル団子」優位なオスほど内側に

URL】 https://www.sankei.com/article/20220131-RCS7ILSVEROUBOUUBWJDVYKWSA/

動画があります。 ↑




2022年2月17日木曜日

(2571) 『日蓮の手紙』(3-1) / 100分de名著

 【 読書 ・ 100de名著 】第三回は、日蓮が女性たちの心に寄り添った手紙を通して、弱い立場の人々に寄り添うことの大切さを考える。日蓮は、当時弱い立場にあった女性たち一人ひとりにも深く寄り添っていく。


第3回  21日放送/ 23日再放送

  タイトル: 女性たちの心に寄り添う

 

 日蓮は、当時弱い立場にあった女性たち一人ひとりにも深く寄り添っていく。夫や子供を失って悲しみにくれる女性には、大いなる自然の運航を譬えにした心深く届く言葉で励まし、不浄のものとして差別され自己卑下しがちな女性たちに対しては、法華経に説かれる「女人成仏」の原理を丁寧に説明して、女性こそ最も救われるべき存在だと力づける。日蓮の手紙には、弱い立場、差別される立場の人たちに徹底的に寄り添う温かい言葉に溢れているのだ。第三回は、日蓮が女性たちの心に寄り添った手紙を通して、弱い立場の人々に寄り添うことの大切さを考える。

https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/prWy9qVl18/

 

【テキストの項目】

(1)     弱った心を勇気づける

(2)     月経など当たり前

(3)     女性は穢れているのか

(4)     女性に「聖人」という最高の称号

 

<出典>

植木雅俊(2022/2)、『日蓮の手紙』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2022年2月16日水曜日

(2570) サル団子が気になる(1/2) 新聞記事に書いてあること

 【 サル団子 ・ 形成 】 瀬戸内海の小豆島(香川県)の冬の風物詩は、標高約350メートルの銚子渓自然動物園「お猿の国」(土庄(とのしょう)町)で多数のニホンザルが体を寄せ合って暖をとる巨大な「サル団子」だ。


 サル団子が気になる。いくつか知りたいことが出てきた。

(1)     サルは集団を形成するが、必ずしもサル団子を作らないのではないか

 どのようなサル集団がサル団子を形成するのか  ←←←

(2)     サル集団にはボスがいるはずだ

 サル団子の真ん中にボスザルいそうだが、どうか  ←←←

(3)     一番外側のサルは不利だ

 どのようなサルが一番外側にいるのか。いつも同じサルが一番外側なのか

(4)     一番外側のサルは不利だ

 一番外側のサルは、どう感じ、どう思っているのだろうか

 

【展開(A)】新聞記事に書いてあること

 

(1)     サルは集団を形成するが、必ずしもサル団子を作らないのではないか

 どのようなサル集団がサル団子を形成するのか

 サル団子は、親密な数頭が体を寄せ合い暖をとる行動だ。日本各地で見られるが、100匹規模は小豆島と淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市)でしか見られないという。サルはヒトよりも「他者への寛容性」が低いとされるが、石塚さんは「小豆島や淡路島の猿は他個体に対して温厚に接し寛容性が高いことが他の研究で示唆されており、寛容性の高さが巨大サル団子を可能にしているのかも」と推測する。

 

(2)     サル集団にはボスがいるはずだ

 サル団子の真ん中にボスザルいそうだが、どうか

 サル団子は①親密な少数個体が小さなサル団子を作る②小さなサル団子に親密でない個体も参加して巨大化―の2段階で形成されることが多い。優位オスが動いた先にサルたちスが集まることで形成されるか、できている団子に優位オスが割り込むパターンがあるというが、「第1位オスが内側にいる割合が高いが、必ずしも中心に近いというわけでもない」という。

 

<出典>

【タイトル】 暖とる「サル団子」 優位オスはヌクヌク

【新聞】 産経新聞(2022/02/01 )

【タイトル】 人間社会と酷似 「サル団子」優位なオスほど内側に

URL】 https://www.sankei.com/article/20220131-RCS7ILSVEROUBOUUBWJDVYKWSA/

動画があります。