画面の説明

このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2020年10月14日水曜日

(2121) 「警察の手による継続的な黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」発言 / 大坂なおみ選手の人種差別抗議マスク(2)

 

◆ 最新投稿情報

=====

(K1262)  東京都の超高齢化に備えよ <少子高齢化>

http://kagayakiken.blogspot.com/2020/10/k1262.html

=====

 

☆☆

大坂選手の声明は「警察の手による継続的な黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」という極端な言葉が躍るものであった。そしてもし多くの若者が大坂選手の言葉に影響を受けるなら、より多くが撃たれることになろう

☆☆

 

 世界的テニスプレーヤー、大坂なおみ選手の行動を安易に褒め称(たた)える評論家群が多い。しかし、大坂選手の声明は「警察の手による継続的な黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」という極端な言葉が躍るものである。

 米国の警察が黒人ジェノサイドに走る組織なら、ユダヤ人絶滅に邁進(まいしん)したナチスの親衛隊と同類となり、であれば被害者側の「殺される前に殺せ」が正当化されることになる。それこそまさに極左暴力集団が掲げる警察襲撃の論理そのものである。

 「大坂氏は、その見境なく、危険な、感受性を欠いた『ジェノサイド』非難によって警官たちを非人間的存在に貶(おとし)めた」と元外交官セミナラ氏は難じる。そしてもし多くの若者が大坂選手の言葉に影響を受けるなら、「警察との暴力的衝突がより多く生まれ、より多くが逮捕に抵抗し、より多くが撃たれることになろう」とし、「彼女の声明は、言語道断かつ不快な上、率直に言ってばかげている」と批判のトーンを上げる。

 

 「黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」という言葉が何を意味しているのか、発言することがどのような事態を招くかということを理解せず、煽情的に発言しているのだろう。

 

 大坂なおみ選手の発言は次の事件などに抗議するものだった。8月に米ウィスコンシン州で黒人男性が警官に撃たれ重傷を負う事件が起こった。この事件は、性暴力を振るう男が再び侵入してきたと助けを求める女性の通報を受け、警察が駆け付けたことに端を発する。男には性的暴行、家宅侵入等の容疑で逮捕状が出ていた。 … 「過剰対応」があったと言われている。

 しかしこの件を、警察による黒人ジェノサイドの一環と言うのは明らかに飛躍である。米国の凶悪事件で最も多いのは加害者、被害者共に黒人のパターンである。警察が間に入って止めた例も多い。その過程で殉職した警官もいる。この事件でも、被害女性は警察の介入で性暴力に遭わずに済んだ。救われたのは黒人女性で、救うために危険に身をさらしたのは、白人警官である。「黒人の命は大事」(BLM)だが、「白人の命は大事でない」のだろうか。

 

 全米オープンで大坂選手がマスクに「被害者名」を記した7事件についても、それぞれ複雑な事情があるという。「警察の手による継続的な黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」という発言は、実態を伴わず、暴力を喚起するものであり、責任の重い発言である。

 

 少し聞くぐらいでは分からないほど、アメリカの黒人差別に関しては、複雑な歴史があり、複雑な事情があるようだ。色々な問題が絡み合っているようだ。短絡的な発言は、暴力を誘発するものであり、かえって本質的な解決の妨げになるのではないかと、危惧している。

 

 因みに、NBA選手らも抗議したが、「警察の説明責任、警察の蛮行、刑事司法改革などで州議会が意味ある措置を取ること」を求めた。ボイコットという手法や「蛮行」の定義について論議を呼んだものの、議会(すなわち民主的手続き)による改革を求めた点で、それなりに理性的な行動と受け止められた。同じ抗議であっても、同列では論じられない。

 

<出典>

煽情的情報による分断に乗るな 福井県立大学教授・島田洋一

産経新聞(2020/10/05)

https://special.sankei.com/f/seiron/article/20201005/0001.html

会員記事(無料)



0 件のコメント:

コメントを投稿