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2017年1月26日木曜日

(764)  拡大家族(3)


(762)では、「定位家族」「生殖家族」「血縁家族」「同然家族」よりなる「拡大家族」について述べた。

(763)では、「核家族総数」「三世代世帯」「その他世帯」「単独世帯」よりなる「世帯」について述べた。

この二つを突き合わせて整理すると、次のようになる

 

    「定位家族+生殖家族」と「核家族総数」は完全に対応する

    「三世代世帯」は「血縁家族」であるが、「三世代世帯」でない「血縁家族」もありえる

    「兄弟姉妹よりなる、その他世帯」は「血縁家族」である

    「グループホームのような、その他世帯」は「同然家族」になりえる

    「単独世帯」が集まって「同然家族」を形成することがありえる

    「単独世帯」は「家族」ではない

 


次に、弱体化してしまった家族を強化する方法について考察する。

二つの方向、「血縁家族の回復」「同然家族の形成」がある。

 
「血縁家族の回復」としては、「定位家族の復元」と「近住による疑似世帯」がある。

「定位家族の復元」とは、かつて定位家族であったが一度離散し、再び寄り合うことである。例えば「家族をもったが子が離れ夫を亡くして一人になった姉」と「未婚のままの妹」が年老いてから同居生活を始める。

「近住による疑似世帯」とは、「スープの冷めない距離」で、親子が別世帯を構えるパターンである。頻繁に行き来するケースも、必要な時だけ行き来するケースもあろう。部分的ではあるがあたかも同じ世帯のように暮らす。

 
「同然家族の形成」としては、「個を中心とした同然家族」ど「場を中心とした同然家族」がある。

「個を中心とした同然家族」とは、自立できなくなった人に友人たちが集まり、家族同然に世話をするパターンである。Facebook(763)に頂いたコメントに対し、私は「上野千鶴子さんも、絶対に親と同居するなと言っているようです。問題は、自分のことを自分でできなくなった時の備えをどうするかですね」と返した。千鶴子さんは「おひとり様で大丈夫」と言っているが、著作を見ると、私の言っている「個を中心とした同然家族」の形成という備えが前提としてある。しかし、誰にでも可能とは思えない。

「場を中心とした同然家族」とは、例えば施設なり居場所に集まった人たちが、親密に助け合うようになるパターンである。「同然家族を形成した」というより、「同然家族に近づいた」「同然家族の機能が一部発揮された」が正確な表現だろう。

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