前回(757)、「日本国・日本国民が直面している4つの危険」を整理した
(1)
アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮、韓国などが理不尽に日本を害する
(2)
日本国内において、根拠が希薄な、情緒的な自虐的な発言・行動を繰り返す人たちがいる
(3)
日本は人口ボーナス期から人口オーナス期に移行したが、まだ適応できていない
(4)
家族力と地域力が弱体化したままである。また、家族を形成しない人(単独世帯)が増えている
ここで、(1)と(3)は、我々の意図とは関係なく「外」で起こっていることである。「外」で起こっていること自体を直接変えることは難しい。(2)と(4)は「内」で起こっていることであり、変えるのは我々自身をおいて他にない。
また、(1)と(2)がセットになっており、(3)と(4)もセットになっている。
私が注目しているのは、(3)と(4)である。
「日本は人口ボーナス期から人口オーナス期に移行したが、まだ適応できていない」のが「日本国・日本国民が直面している4つの危険」の一つと書いたが、「日本は人口ボーナス期から人口オーナス期に移行した」こと自体は現象であり、良いも悪いもなく、危険でもない。危険なのは「まだ適応できていない」である。ここで「危険」は、「悪い結果を招く可能性があること」(デジタル大辞泉)という意味であり、既に現実に起こっていると言っているのではない。
私は、「日本は人口ボーナス期から人口オーナス期に移行した」のは事実であり、それは我々にとって、ピンチにもチャンスなりえ、どちらかになるかは「適応」次第だと考えている。即ち、「人口ボーナス期」での考え方・やり方・体制のままでは「人口オーナス期」はピンチとなるが、適応できるように考え方・やり方・体制を変革できればチャンスになる。そしてそのキーは、「家族力と地域力」にあると考えている。ここで変革を起こすことが大切である。どのような変革が望まれて、それをいかに実現するか。
なお、「家族を形成しない人(単独世帯)が増えている」ことも無視できない。
2015年における単独世帯は1351.7万である(*1)。世帯総数は5036.1万世帯であり、単独世帯の割合は27%である。
単独世帯の人は1351.7万人である。この年(10月1日時点)の確定値の日本人の数は124,283,901人であり(*2)、単独世帯の人の割合は11%である。
無視できない。
(*1)
ただ、家族は普遍的な最小の塊であり、家族は世帯とは違う。両親を残して都会に出た子は別世帯ではあっても一つの家族であり、一人暮らしの親を思う子家族もまた別世帯ではあっても一つの家族と考えることができるだろう。「別世帯家族」というものを考えてもよかろう。そうすると、「家族」のカバー率が増える。
さらに、単身のお年寄りたちが一つの家で共同生活を始めたら「疑似家族」とよび、これも家族の一形態と見なせば、「家族」のカバー率は更に増える。
家族をベースとしたシステムを考え、その中に家族に属さない人も組み込むシステムを上乗せすればよい。<追記>「別世帯家族」「疑似家族」も含めて全ての人が「家族の一員」になれれば良いなと思う。勿論、本人の意思を尊重せねばならず、強制すべきことではない。
家族の自助とそれを支える地域をパッケージとした、人口オーナス期に適応した、考え方・やり方・体制の構築を模索してみたい。
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