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2018年10月31日水曜日

(1407)  寛容・不寛容、メルケル首相・トランプ大統領 / NC(3)

 
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(K0548)  筋均質の改善 : 人参養栄湯 <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/10/k0548.html
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1.   直近のニュースから
1.1.  「欧州の盟主」逆風に勝てず メルケル独首相引退表明…政権、一気に不透明感
1.2.  ブラジル新大統領、外交は「トランプ流」 ボルソナロ氏、政策一変の可能性
 
2.   ユマニストの系譜。寛容の本質
2.1.  ユマニスト系譜
2.2.  寛容の本質
 
3.   メルケル首相とトランプ大統領
3.1.  メルケル首相
3.2.  トランプ大統領
 
4.   寛容の時代から不寛容の時代へ
4.1.  「タイム」誌「今年の人」
4.2.  ドイツ、アメリカ、ブラジル、フィリピン、欧州、ヒトラー
4.3.  論争に優位を保つのは不寛容の側
 
5.   不寛容の行きつくところ
5.1.  日本の現状
5.2.  戦争と平和
5.3.  国を滅ぼす
 


【展開】
 
1.   直近のニュースから
 
1.1.  「欧州の盟主」逆風に勝てず メルケル独首相引退表明…政権、一気に不透明感
===== 引用はじめ
 ドイツのメルケル首相は29日の記者会見で、2021年秋での首相引退と与党のキリスト教民主同盟(CDU)の党首選不出馬を表明した。

 メルケル氏は05年に首相に就任以降、近年は「欧州の盟主」と称されるほどに存在感を高め、欧州を見舞った相次ぐ危機の対応のかじ取り役を担った。
 だが、転機となったのは15年の難民・移民大量流入問題。メルケル氏の寛容政策をたたえる声が上がる一方、難民・移民の受け入れ反対を掲げる右派、ドイツのための選択肢(AfD)が台頭。自身の与党内でも批判が高まった。
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/world/news/181029/wor1810290023-n1.html
 
1.2.  ブラジル新大統領、外交は「トランプ流」 ボルソナロ氏、政策一変の可能性
===== 引用はじめ
 28日に投開票されたブラジル大統領選の決選投票で、右派のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)が初当選した。ソーシャルメディアを駆使して「ブラジルを偉大に」とナショナリズムを鼓舞する姿勢は、心酔するトランプ米大統領にうり二つ。中国に対して強い態度を示し、2国間協定を重視するなど、通商・外交方針でもトランプ氏のひそみにならう。地域連合や途上国との関係を重視してきた過去の左派政権の政策が一変する可能性がある。
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/world/news/181029/wor1810290010-n1.html
 

2.   ユマニストの系譜。寛容の本質

2.1.  ユマニスト系譜
===== 引用はじめ
 この寛容の土台を成しているのが、ヒューマニズムです。ヒューマンとは「人間」の意ですから、ヒューマニズムは「人間尊重」の考え方と言えます。
 この考え方を歴史的に辿っていくと、ルネッサンス期のユマニストに行きつきます。

 エラスムス、ラブレー、モンテーニュ
===== 引用おわり
 
2.2.  寛容の本質
===== 引用はじめ
 ユマニストの系譜を辿っていくと、ひとつの道筋が浮かび上がってきます。それは、ものの道理、人を人として尊ぶ考え、過度に一方に与する行為への制止、行き過ぎた行為への警告という、静かな道筋です。決して仰々しくはありません。大向こうを唸らせるような思想でもありません。あくまでつつましやかな、目に見え難い考えです。これが寛容の本質です。
===== 引用おわり
 

3.   メルケル首相とトランプ大統領

3.1.  メルケル首相
 一年の間に三度もあったEUの危機で、メルケル首相は敢然とした態度を取りました。
===== 引用はじめ
   EUの一国ギリシャが財政危機に瀕した際に、あくまでもギリシャを排除せず、救済策とともに改革案を突け …
   ロシアのプーチン大統領が指揮したウクライナ領クリミア半島への侵攻に際し、直ちにロシアへの経済封鎖という対抗策を打ち出し、 …
   中東からの避難民に対していち早く受け入れを表明した決断 …
 
 非難されながらも一線は譲らず、相手を静かに説得し、理性をもって結論を導くやり方に、時が経つと反対派もいつの間にか矛を収めているのです。
===== 引用おわり
 
3.2.  トランプ大統領
===== 引用はじめ
 メルケル首相と全く対照的なのが、アメリカ合衆国の大統領になったドナルド・トランプ氏です。

   アメリカ第一主義に徹して偉大なアメリカを取り戻す
   防衛をアメリカだけが担うのは不公平、ドイツや日本にも応分に負担してもらう
   怪しいテロリストはすべて捕え、イスラミック・ステートも叩きのめす
   中国はアメリカから金を抜き取って、国を立て直した
   イスラム教徒は一切アメリカ国内に入れない
   メキシコからの違法入国を防ぐため、国境に壁をつくる
   対抗馬のマルコ・ルビオは小物、テッド・クルーズは嘘つき、ジェブ・ブッシュは低エンジン

 大統領選挙中に吐いたこうした言葉のどれひとつとっても、そこに寛容さのひとかけらもないことが分かります。
===== 引用おわり
 

4.   寛容の時代から不寛容の時代へ

4.1.  「タイム」誌「今年の人」
===== 引用はじめ
 「タイム」誌が、2015年「今年の人」しとて、29年ぶりに女性を選んだのが、メルケル首相でした。
 「タイム」誌が2016年の「今年の人」に選出したのは、奇しくもトランプ大統領でした。メルケル首相とトランプ大統領が象徴するように、これからは寛容と不寛容のせめぎ合いの時代に突入していきます。
===== 引用おわり
 
4.2.  ドイツ、アメリカ、ブラジル、フィリピン、欧州、ヒトラー
   (寛容)ドイツのメルケン首相は引退
   (不寛容)アメリカのトランプ大統領は健在
   (不寛容)「ブラジルのトランプ」ボルソナロ氏は大統領に当選
   (不寛容)「フィリピンのトランプ」ロドリゴ・ドゥテルテ大統領も健在
   (寛容)欧州の難民受け入れ派は、苦戦
   (不寛容)トランプ大統領の演説は、ヒトラーとそっくり
 
4.3.  論争に優位を保つのは不寛容の側
===== 引用はじめ
 寛容を切り捨てた態度は、大統領選でのトランプ氏の言動から容易に分かるように、どこか勢いのよい外見を呈します。片やヒトラーは、第一次大戦後の疲弊したドイツ国民を熱狂させ、片やトランプ大統領は、発展に取り残された中流以下の白人層の支持をとりつけたのです。論争において優位を保つのは、十中八九、不寛容の側です。
===== 引用おわり


5.   不寛容の行きつくところ

5.1.  日本の現状
===== 引用はじめ
 悲しいことに、現在は不寛容が社会に深く根をはりつつあるのです。格差や貧困、差別が存在するときこそ、寛容の精神が発揚されなければいけないのにもかかわらず、喧嘩腰の不寛容さが世の中を支配しています。
 障害者は世の中のお荷物だとうそぶいて、重度の障害者を19人殺害した若者の考え方は、ナチスが障害者を抹殺した思想の丸写しです。
===== 引用おわり
 
5.2.  戦争と平和
===== 引用はじめ
 不寛容の行く先は、いったい何でしょうか。私はそれが戦争だと考えています。そして平和を支える精神こそが寛容だと心の底から思うのです。
===== 引用おわり
 
5.3.  国を滅ぼす
===== 引用はじめ
 … そんな政治の混乱のなか、頭角を現したのが元軍人のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)だった。
 かつての軍事独裁政権を称賛する姿勢や社会的少数者を中傷する発言には、批判の声が上がる。とはいえ、汚職の蔓延(まんえん)と治安の悪化に疲れ果てた有権者の心を巧みにつかみ、ついに28日の大統領選決選投票で初当選を決めた。
 ブラジルに暮らす約200万人の日系人は、「ブラジルのトランプ」とも呼ばれる新大統領をどう見ているのか。現地の邦字新聞「ニッケイ新聞」のホームページをのぞいてみた。故山本夏彦さんの名言を引用するコラムが目に留まった。「汚職は国を滅ぼさないが、正義は時に国を滅ぼす」
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/column/news/181030/clm1810300003-n1.html
 


<出典>
帚木蓬生、『ネガティブ・ケイパビリティ』、朝日新聞出版、P.203 , P.212-P.213 , P.216 – P.220

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