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2018年10月6日土曜日

(1383)  モンゴメリ「赤毛のアン」(2-2)(解説2) / 100分de名著

 
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(K0524)  減らぬ介護離職 <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/10/k0524.html
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第2回  8日放送/ 10日再放送
  タイトル: 異なる価値を認め合う
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 


ここでは、5個のテーマを取り上げます。
 
A)  長所も短所もあるのが人間
B)  相手を認めること・自分を認めること
C)  赤毛コンプレックスが象徴するもの
D)  アンを通して自分を見る
E)  『赤毛のアン』に学ぶヒューマニズム
 

【展開】
 
A)  長所も短所もあるのが人間

 マシュウもマリラもリンド夫人も、長所も短所もあり、それぞれが補い合って生きています。短所と長所が表裏一体になったのが、人間の「個性」です。 … すべての個性が、それぞれ「正解」だと言えます。
 

B)  相手を認めること・自分を認めること

 アン自身の語るアンの外見はいかにもよろしくなさそうな表現なのですが、ダイアナはしばしばアンの外見を褒めます。 … アン自身の自己認識も、良い方向へ補正されていったのではないでしょうか。
 

C)  赤毛コンプレックスが象徴するもの

 赤毛はアンの「生涯の悲しみ」の象徴なのかもしれません。アンは、孤児であること、両親の顔さえ知らないこと、誰からも愛されたことがないこと、 … すべてをぎゅうぎゅうと赤毛に詰め込んだのではないでしょうか。
 …「生涯の悲しみ」は赤毛だけ、幸福になれないのは赤毛だからだと思うことにしたのでしょう。 … 他人からふいに悪口として投げつけられると、赤毛に象徴されたすべての悲しみが突かれて、制御できないほどの悲しみが体を駆け抜けるのではないでしょうか。
 

D)  アンを通して自分を見る

 人の脳にはミラーニューロンがあって他人という個性に映った自分の個性を通して、自分を見つめることができます。アンを読んでいる時の僕(=茂木健一郎)の感じは、鏡に映る自分を見つめる状態に近い気がします。
 

E)  『赤毛のアン』に学ぶヒューマニズム

   マインドフルネス
 その人を良いとか悪いとか決めつけるのではなく、ただこの人はこういう個性を持った人なのだと、ありのままに認識して受け入れることをマインドフルネスと言います。この物語では、主人公アン以外の登場人物一人一人にも光が当たっています。価値観も考え方も異なる人々が登場しますが、誰が正しいと決めつけることはありません。マインドフルネスが実践されているこの物語には、ヒューマニズムが表現されています。

   相手のために行動する
 マシュウは「わしらのほうであの子になにか役に立つかもしれんよ」と言いました。自分の意図と関係なく入ってきたものをそのまま受け入れています。自分のためではなく、相手のために行動することで自分も幸福を感じるという、『赤毛のアン』におけるヒューマニズムの最大のメッセージでしょう。
 


<出典>
茂木健一郎(2018/10)、モンゴメリ「赤毛のアン」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
 
 
  『赤毛のアン 初恋』 105日より、全国順次ロードショー
  http://anne-movie.jp/part2/


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