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2018年10月3日水曜日

(1380)  オプジーボ(ノーベル賞)、薬価、高額療養費制度

 
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(K0521)  個人Blog 9月下旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/10/k0521-blog.html
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 本庶佑氏のノーベル賞受賞(オプジーボ)、おめでとうございます。
 
 これで、医学的・可能性としては、多くのがん患者の命が救われる希望が見えてきました。しかし、その先にあるものは何か。私は、健康保険制度の崩壊だと思います。
 
 健康保険制度を崩壊させるわけにはいきません。そこでオプジーボの使用(高額療養費制度の適用)を制限せざるを得なくなるのではないかと、私は心配しています。
 


 オプジーボは「一部のがんに劇的な効果が確認されている」と言われています。

 日本の有名人でオプジーボに命を救われたのは、森喜朗元首相(79才)です。
===== 引用はじめ
 昨年、森さんは肺がんの除去手術を受けた後、再発が見つかって抗がん剤治療を始めたものの副作用に苦しみ、体調が悪化していたそうです。ところが12月に保険適用されたオプジーボを投与すると、徐々に体力が回復した。今年初めは自力で階段も上れなかったが、春ごろから急激に改善して現在にいたります
===== 引用おわり
https://www.news-postseven.com/archives/20161018_457588.html
 
 

 お金の話をしないと、「オプジーボ・夢物語」になってしまって、現実にはなりません。
 
2016/10/18 時点で、オプジーボ治療には、年間3500万円かかるとされていました。

===== 引用はじめ
 最近、この「オプジーボ」という言葉を耳にした人は多いかもしれない。10月上旬、新聞各紙が1面で一斉に〈オプジーボ25%値下げへ〉と報じた。オプジーボは画期的ながん治療薬だが、100mgで約73万円という価格の高さがネックだ。体重60kgのがん患者が1年間使うと年3500万円かかる計算になる。
===== 引用おわり
https://www.news-postseven.com/archives/20161018_457588.html (再掲)
 

この価格は、ずいぶん引き下げられました(添付図参照)。
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/14616/

 薬価は100mg1瓶で当初(2014/9)729849円から、もうすぐ(2018/11)173768円まで下がります(76.2%安くなる)。
 また、オプジーボは2018821日、それまで患者の体重1kgあたり3mgとしていた用法用量を、体重に関係なく1240mgの固定用量に変更されました。
 


 体重60kgのがん患者が1年間使うといくらかかるかを確認します。
 
 先に、1年間で3500万円かかると書いてありましたが、それは次の計算によります。
3mg/kg/day * 60kg * 365day/year * (729849yen / 100mg) * 75% = 35963309yen/year
(約3600万円/年)
 
 最新の用法用量、単価で再計算すると、
240mg/day * 365day/year * (173768yen / 100mg)= 15222076yen/year
(約1500万円/年)
 
 つまり、年間3600万円だったのが、1500万円まで下がります。

 これでも高額なので、庶民は使えないかというと、そうでもないのです。
 日本には、「高額療養費制度」というのがあります(添付図参照)。
https://www.opdivo.jp/contents/materials/open/10/kougakuryouyou_mel.pdf
 

 これは、個人にとって、ありがたい制度です。しかし、それが故、制度としては危ういものです。個人として高額の療養費を援助してもらえるということは、制度として高額な出費があるということです。高額な出費が多数でると、制度は経済的に破綻します。
 
 しかも、日本の健康保険制度は甘いので、保険金をまともに払っていない外国人も使え、彼らは高額療養費制度も利用できます。その結果、「日本・高額療養費・ツアー」で、治療目的で日本に来て、ただ乗りして帰っていく外国人が今でも多くいます。彼らが、どっと日本に来ても、今の制度では防げません。
 

 心配しすぎなのかも知れませんが、今回のノーベル賞受賞が日本の健康保険制度崩壊の引き金になるかもしれません。

(「それは違うよ」という記事があったら、教えて下さい。私は専門家ではありません)
 
 めでたい話に水を差すようで、恐縮です。



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