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2021年1月26日火曜日

(2226)  フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(0) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

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(K1367)  2020/12/18オンライン / 「未来をつくるkaigoカフェ」(1) <介護>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1367-20201218kaigo1.html

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人種差別的な現実に、ときに目を覆い、耳を塞ぎたくなります。しかし現実から逃げることはできませんし、逃げてはいけません。ファノンはみずからが体験した、そして彼が目撃した人種差別から目を背けませんでした

☆☆

 

100de名著」 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』が、21()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

講師は、小野正嗣(作家、仏語文学研究者、早稲田大学教授)

 

 

<全4回のシリーズ>  いずれも2

【はじめに】  問い続ける勇気を与える書

 

第1回  1日放送/ 3日再放送

  タイトル: 言語をめぐる葛藤

 

第2回  8日放送/ 10日再放送

  タイトル: 内面化される差別構造

 

第3回  15日放送/ 17日再放送

  タイトル: 「呪われたる者」の叫び

 

第4回  22日放送/ 24日再放送

  タイトル: 疎外からの解放を求めて

 

 

【はじめに】  問い続ける勇気を与える書

 

  人種差別はどうして起こるのか。

  それはどのように個々人の心と身体、その生き方に、そして集団の振る舞いに影響を与えるのか。

  どうして黒人は劣等感を抱かされ、自人はその優越を疑わないのか。

  どうすれば黒人は人種差別から解放されるのか。

  どうすれば黒人と白人はともにたがいを尊重し、わかりあうことができるのか。

  どうすれば人間は人種差別のない世界を実現できるのか。

 

 そうした問いを、まだ20代の半ばの医学生フランツ・ファノンは、みずからの差別体験を出発点に、精神医学の知見を支えに、哲学や精神分析を参照し、例としてふんだんに文学作品を引用しながら考察しました。それが1952年に刊行された『黒い皮膚・白い仮面』です。

 人種差別は、海外だけの問題ではありません。残念ながら僕たちとも無関係ではありません。無関係どころか、僕たちの問題そのものです。日常生活のあらゆるところに人種差別はあります。

 

 この世界に人種差別が存在する以上、そして人種差別は決して他人事ではない以上、僕たちは「どうすれば人種差別をなくすことができるか?」と絶えず問わなければなりません。それは「どうすれば僕たちは〈人間〉の名に値する存在となれるか」と言い換えることができるかもしれません。

 『黒い皮膚・白い仮面』から聞こえてくる若きファノンの声は、ときに抑えきれず発せられる怒りに満ちたその叫びとともに、僕たちが世界に向かって、自分自身に向かって問いを投げかけ続ける勇気を与えてくれるのです。

 

<出典>

小野正嗣(2021/2)、フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



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