◆ 最新投稿情報
=====
(K1345) 14歳が見た、長生きの秘けつ <長寿>
http://kagayakiken.blogspot.com/2021/01/k1345-14.html
=====
☆☆
新型コロナウイルス禍の中、新年を迎えた。戦後70余年や大恐慌以来90余年というような1世紀くらいのタイム・スパンでは収まらない、もっと長い歴史の感覚で捉えなければならない文明の転換が起きつつある
☆☆
長く慣れ親しんだ「現代」が終わろうとしている。別の「新時代」が始まるのであろう。20世紀前半に活躍したロシアの哲学者、ベルジャーエフの著書に『現代の終末』(日本語版は、荒川龍彦訳)がある。
ベルジャーエフは、「我々の誰もが、現代とローマ帝国末期の時代が似ている点を認めない訳にはいかない」という時代認識を抱いていた。
この本の第1章は「ヒューマニズムの終末」であり、「ルネッサンスの終末」と副題されている。
第2章「新しい中世」では、「我々の時代は現代の終末にあたり、新しい中世の始まりである」と言っている。古い中世に戻るのではなく「新しい中世」に前進することを訴えているのだ。
そして、この「新しい中世」という章を「夜が来つつある」として、その「夜」の中では「精神的な武器をとって立ち上がらなくてはならない。悪を認識する力をもっと鋭くしなければならない。我々は新しい騎士道を樹立しなければならない」と結んでいる。
因みに
・ ベルジャーエフは、中世を夜の時期であったと言う。しかしその夜は単なる暗黒を指しているのではない。数々の星の輝きによって照らされ昼の知り得ないことがらを我々に見せる深い時間と捉えている。 … 我々の「新しい中世」は、この「夜」の中で覚醒し、隠れたるものを感じ取り、希望の輝く星を遥(はる)かに仰ぐ深い魂の時代なのである。
・ ベルジャーエフは「新しい騎士道」と言ったが、我々日本人にとっては、今年は「新しい武士道」の形成が始まる年となる。近代日本において武士の精神を保持し続けた内村鑑三の書に「畏神不恐人」というものがある。「神を畏れ
人を恐れず」である。世界の中心に「人」を置いたヒューマニズムは、ついに終焉(しゅうえん)を迎えこの艱難(かんなん)を機に「神を畏れる」という精神の姿勢が深く静かに浸透していく。そこから「新しい武士道」が形成されていくのだ。
即ち、ここでは、中世、夜、ヒューマニズムの終焉を肯定的に捉えている。
<出典>
文芸批評家・新保祐司、“年頭にあたり 「新しい中世」の到来に備えよ”
【正論】産経新聞(2020/01/04)
https://special.sankei.com/f/seiron/article/20210104/0001.html
0 件のコメント:
コメントを投稿