前回からの続き。
では、「インクルーシブな地域創生」をどのように追求していくか。
検討してみる。
今よく話題になっているのは、居場所。居場所を作って、そこに人を呼び寄せる。こども食堂も、対象を限定しているが、居場所の一形態と考えていいだろう。「こども食堂だけれど、誰が来てもいいよ」というところは「賄い付居場所」と考えてもよいだろう。
地域連携強化の観点から見ての居場所の限界は、参加者として来るのは、そこに来なくても繋がっている人が多いということである。ただし、それだけではない。
①
繋がっている人の繋がりを広げたり深めたりできる可能性がある
②
ボーダーラインの人、今はあまり繋がっていないが繋がりの必要があると感じている人が、勇気をもって自主的に参加してくることもある
③
参加者が繋がりを必要な人を連れてくることもある
④
第三者が繋がりを必要な人を紹介するケースもありえる
地域連携強化に向けての二つのルートがあろう。
一つ目のルートは、「居場所づくり」をして、繋がっている人、繋がりそうな人からアプローチし、繋がりを増やしていくというルートである。正攻法と言えよう。ただし、繋がりにくい人にまで繋がることは稀で、どうしても孤立している人に注目すると取りこぼしが多い。
二つ目のルートは、「繋がりにくい人を繋いでいくのだ」という強い意識をもち、積極的にその層に働きかけるというルートである。勿論、無理に連れ出すことはできないので、十分カバーできないだろうし、効率も悪いだろう。それでも、ある程度の効果は期待できるのではないか。この場合、形としては「居場所づくり」から始めるのもよい。
このように考えた経緯を。以下に説明する。
「外国人」「高齢者」「障害者」の3つのキーワードが二つの会議で繋がった。
「地域の交流連携」のために、何をすればよいか、考えた。
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第一番目の会議 : だんらん きょうよう・きょういくカフェ
2月9日のNPO法人福祉ネットワーク西須磨だんらんの「きょうよう・きょういくカフェ」に、神戸市住宅政策課と神戸市すまいとまちの安心支援センター(すまいるネット)から計4人来られた。借家をなかなか借りられない人たちを支援したい、意見を聞きたい、との事であった。困っているのは特に、外国人、高齢者、障害者だそうである。
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第二番目の会議 : 神戸地域夢会議
2月18日、神戸地域夢会議~「楽しい町神戸」みんななで描こう10年後の神戸~に参加した。グループワークのテーマでは、私は⑩「地域の交流連携」を選んだ。
私は、次のような発言をした。「外国人、高齢者、障害者は、なかなか借家を貸してもらえないそうだ。これらの人は、同時に地域で交流連携をとりにくい人でもある。難しいとは思うが、彼らと交流連携できるよう目標設定し、挑戦してはどうか。それがうまく行けば、とてもすばらしい地域の交流連携が実現するだろう。神戸はもともと多文化都市である。異質な人たちを受け入れる基盤はあるだろう」
この提案は賛同をいただき、グループのメインテーマとして取りあげていただいた。
「最も生きづらい人が幸せになるような社会は、全ての人が幸せになる社会だ」と私は信じている。だから、彼らが幸せになる働きかけは、彼らだけではなく、私達も幸せになる働きかけでもある。
この話は、三つの方向に広がる。
第一に、そうは言っても、例えば、外国人に家を貸したが、夜中に大声を出したり、ごみ捨てなどで問題を起したり、家賃を払わないままいなくなってしまったりする人もいる。高齢者に家を貸したが、亡くなり身寄りがなくて家主が葬式の手配をせざるを得なくなったり、亡くなった部屋の借り手が付かなくなったりして困ることもある。障害者のためにバリアフリーの工事を家主がせざるを得なくなることもある。それでも、彼らに寄り添おうとする人たちには、行政から支援・バックアップしてほしい。
第二に、彼らが地域と交流連携するためにも、「えんがわ事業」を広めることができないか。例えば、
===== 引用 はじめ 立花えんがわプロジェクト」とは?
えんがわ(縁側)
それは日本の伝統的な家屋にあるウチ(私)とソト(公)をつなぐ場所
立花えんがわプロジェクトは、再開発で美しくなった立花のまちに
「新しいえんがわ」を作り、たくさんの人とひとのつながりを作りたい
そんな想いではじまりました
地域の多くの人が交流できる場所としての「えんがわ」
地域の人とひとをつなげたり、一緒に楽しんだりするために活動する人が織りなす「えんがわ」
地域で暮らす人、さまざまな活動、お店、団体をあらためて見出す情報の「えんがわ」
新しくなったまちに、穏やかで自然な新しいにぎわい、新しい豊かさを生みだしていくための
「地域のえんがわ」がたくさん生まれれば良いなと考えています
===== 引用 おわり
少しでも障壁を低くする方法はないだろうか。
第三に、外国人といっても、真面目でちゃんとした外国人がいるとともに、我儘で勝手な事ばかりする外国人もいる。彼らを同一視してはならない。
「真面目でちゃんとした外国人」と、しっかり交流連携することが先決だろう、また、留学生ともしっかり交流連携したい。
外国人と共存共栄する実績を、一つひとつ積み上げていくことが大切だろう。
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