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2017年2月10日金曜日

(780) 移民問題。「多様で変化に富むアメリカ」と「純粋でまじりけがない日本」


 前回(779)、「純粋」(まじりけがない)と「多様性」(変化に富む)とについて述べた。国レベルで民族を考えると、日本とアメリカに対応する。


 アメリカは元来、移民を積極的に引き受け、多様性を確保し、それがアメリカの魅力であり、強みになっていると思う。「アメリカはそれでうまくいっているから、日本も真似をせよ」ではないだろう。日本には「純粋」で生きて来た2000年以上の歴史があり、アメリカにそれはなかった。アメリカには広い国土と豊富な資源があるが、日本にはない。日本は、ずっと移民を制限してきた。多少緩和することがあっても、基本的にはその方向でよいと思う。

 美味しいホットコーヒーと美味しいアイスコーヒーを混ぜると、生ぬるい不味いコーヒーになる。「純粋」の良さ、「多様性」の良があるが、「純粋」と「多様性」半々の国になると、どちらの魅力もむ失せてしまうだろう。
 

 アメリカのトランプ大統領が強権を発動して7カ国からの入国を禁止し、ヨーロッパ各国が非難を浴びせている。一方、日本は内政問題として干渉していない。それは弱腰外交でないし、対米追従でもない。日本の移民制限を続けるためには、その道しかない。

 

 二つの問題が生じてくるのではないだろうか


(1)   日本は、義務を果たしていないという非難

世界中に困った人が大勢いるのに、日本はほおかぶりしていると非難されたら、どうするか。この問題に我々は、どのように寄与できるか。

日本が先ずすべきは、「直面している急速な高齢化」を最小限の移民で乗り越えることだと思う。これは自国内の対応であるが、将来、国際貢献に寄与すると思われる。
 
アジア各国の高齢化状況を見ると日本がトップランナーであり、韓国、シンガポール、タイ、中国が続き、近い将来、現在の日本と同じ課題をかかえる。ここに「日本が高齢化を乗り越えられたシステム」を移入し機能させれば、彼らも高齢化を乗り切れる可能性が高まる。
 
 
内戦や弾圧などにともなう難民については直接関われないが、経済システムや社会システム等では、日本はアジア各国に貢献でき、そこからの移民をかなり抑制できると思う。
 
図は、「平成28年版高齢社会白書(全体版)  5 高齢化の国際的動向」より

 

 

(2)   将来、中国、北朝鮮、韓国で難民が多量発生した場合

ヨーロッパが移民に神経質になっているのは、中東や北アフリカの難民がヨーロッパを目指すからである。そこから日本に移り住もうという移民は少ない。しかし、中国、北朝鮮、韓国から大量に難民が発生したら、日本に向かって来る可能性が高い。現在、日本では移民問題を「よそ事」のように振舞って直接は困らないが、中国、北朝鮮、韓国から難民が発生すると、「よそ事」では済まなくなる。

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