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2017年2月4日土曜日

(773) 苦しみ・医療用麻薬・副作用・命の長さ / がんになった“僧医”の遺言(4)


 こころの時代

「 いのちの苦しみに向き合って
~ がんになった“僧医”の遺言 ~ 」

2017/1/29 Eテレ 放映済み
(写真は、テレビ画面より)

 

がんの症状としての苦しみ、医療用麻薬による緩和、医療用麻薬による副作用、残る命の長さへの影響。全ての面で良いという正解はない。何かを得るために、何かを諦めねばならない。納得できなくても、どれかを選択しなければならない。

長く生きることで苦しみが増え、苦しみを減らして生きる時間が減れば苦しむ時間が減るという側面もある。

「長く生きるのが良い」と決めつけるのではなく、「苦しむのは絶対に嫌だ」と決めつけるのではなく、「治療は無意味だ」と決めつけるのではなく、一人一人が模索しながら、自分の正解を決めなければいけないのだろう。

 
===== 引用 はじめ

(ナレーター)田中さんが今 力を入れているのは、再発や死の恐怖に悩むがん患者との交流です。去年4月から月一回、寺の集会場を開放し、語らいの場をつくっています。

===== 引用 おわり

 

===== 引用 はじめ

(田中医師・僧 → 乳がん患者) かなり副作用があっても、乳がんの場合はですね、効果が大きいですから生きていられる時間がかなり延びますので、抗がん剤の副作用に耐えて治療を受ける意味は大きいと思います。

===== 引用 おわり

 


===== 引用 はじめ

(田中医師・僧 → 肺がん(腺がん)患者) 現在は恐らく手術の後の症状で、再発しているための症状ではないんだと思います。確かに息苦しいのはつらいですね。オピオイド(医療用麻薬)は息苦しさを止めるほどに使うと副作用がかなり出ますね。だけど、たくさん使わないで副作用が出ない程度に抑えておくと、苦しい時間が延びるだけのように思いますので、最終的な段階では、副作用が出ても使ってほしいと思いますね。私、自分の時はそうしようと思います。

===== 引用 おわり

 


===== 引用 はじめ

(肺がん患者) 手術2年後に転移しました。現在、腫瘍が3つあります。私は実際に色々な病気がワッと来た時に、もう考えがまとまらなくなってきて、逃げてたんです。常にそんなに逃げていたんで。何とか生きよう生きようと思うと、そういう色々な(医療用)麻薬を使って副作用があっても(長く)生きようと。でもそれは、苦しみを長くするだけで、(発想を変えて)生きるのを短くする、苦しい時間を短くしようと思うと、ふと気持ちがすとんと落ちるんです。



(田中医師・僧) 本人の生き方が、本人の宗教だと思います。何かを信仰するという意味ではなく、キリスト教とか一神教ですと、なんか信仰するという感じですが、日本の宗教はそうではなく、こだわりを離れるというのが仏教の基本になっていますから、一人一人が皆違うというわけですね。その命を延ばす方法とか科学の世界ではどっちが正しいかというわけですが、そうではなくて、一人一人の人生、皆、一人一人が尊敬されているわけで、どの生き方も平等なのです。

===== 引用 おわり

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