===== 引用はじめ 本のカバー表側折り返し
佐藤初女さんは、1983年、自宅を改装して「弘前イスキア」を、92年、岩木山麓に「森のイイスキア」を開設。悩み苦しんで訪れる人に食事を供し、受け入れてきた。
===== 引用おわり
目指すものは何か、ということを明確にすることは大切である。
イメージを明確にする。
===== 引用はじめ (P.32)
イスキアとは、イタリアの南西にある火山島の名前です。「弘前イスキア」と「森のイスキア」はこの島にまつわるエピソードにちなんで名づけられました。
ナポリの大富豪の子息で、美しく教養の高い青年がいました。地位にも財産にも能力にも恵まれ、何不自由なく生きてきた青年でした。ある夜彼は、愛する美しい娘とボートで湖に漕ぎ出しました。娘が彼の愛を受け入れ、満ち足りた思いに至ったその瞬間に、彼はどうしようもない虚脱感と倦怠に襲われました。それ以後何もかもが退屈で何をする気にもなれなくなってしまった彼が、ふと思い出したのは、少年時代に父親に連れられて訪れたイスキア島のことでした。彼は、「みずみずしい感性で、すべてのものに好奇心を持ち、生き生きとしていた自分をもう一度取り返したい」と願い、一人イスキア島に出かけます。
今は廃墟となって誰も住む者もいない島の真ん中に教会があります。青年はその一角にある司祭館に住むことにしました。
地中海に浮かぶイスキア島から眺める風景は静寂に包まれ、夜になると塔も城壁も月光を浴びて光り、一幅の絵のような美しさでした。この美しい風景を眺めながら、青年は、自分自身を見つめ、新たな力を得て現実の世界に立ち戻ることができるようになりました。
この物語から、私たちも、どうにもならない心の重荷を感じたとき、そこへ行けば癒され、自分を見つめ、新たなエネルギーを得ることができる。そんな場になってほしいと、私たちの家をイスキアと名づけたのでした。
===== 引用おわり
最近、居場所づくりがよく話題になっている。
どんな居場所を作りたいのか。
問いただしていくと、人それぞれ違っていることが分かる。
違って良い。
イメージを思い浮かべているのならば。
イメージを思い浮かべたからこそ
違いが分かったのだ。
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