心配されていた安倍・トランプ会談は、先ずは順調に進み始めたようである。
会談後の19秒の握手については、いろいろ言われている。例えば、
===== 引用 はじめ
ボディランゲージの専門家による分析では、堅い握手は「あなたと共にある」というメッセージを発しているらしいが、両氏の今回の映像を見る限り、堅い握手という範疇を逸脱しているようにも見え、相手の手をグイッと自分の方に手繰り寄せるほどの強い握手は、普通ではないことだ。
さらに、そのようなかなり強い握手と、2度のタップ(トランプ氏が安倍首相の手を両手でカバー)は、トランプ氏による”自分が上”という上下関係を、無言で表現しているボディランゲージのようだった。
===== 引用 おわり
私は、違う見方をした。
私が思い出したのは、韓国の元大統領である。韓国の大統領の末路は、悲惨なことが多い。全斗煥、盧泰愚大統領は民主化宣言後に不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕・投獄された。その時、手を握り合って法廷にたった姿を思い出した。
私は、驚いたのを覚えている。手をつなぐのは幼稚園児だと思っていたからである。投獄されたとはいえ、二人は元大統領、れっきとした大人である。
二人ともとても不安で、手をつなぐことにより、心が落ち着いているのだろう、と私は解釈した。これが、私の中で、トランプ大統領の握手と重なった。
トランプ大統領はとても強いというイメージである。しかし、私の経験では、人間である以上、強さの裏に弱さ、不安さ、頼りなさがある。それを認めたくない、見せたくないので、かえって強く出ることがある。
入国禁止令で、トランプ大統領は、世界中から非難を浴びている。その中で安倍首相一人は、国内問題だとして責めなかった。
「頼りにしているぞ」というボディランゲージだろうと、私は読み取った。
もちろん、これからどうなるかは分からない。いつ、ちゃぶ台返しされるか分からない。「可愛さ余って憎さ百倍」とばかり、将来憎悪を向けられるかもしれない。そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。誰にもわからない。その時はその時で最善をつくすしかない。根拠のない将来の不安をかきたてて「今仲良くしてはいけない」というのはおかしい。今仲良くすることが、今できる最善のことだろう。
「必要なのは、正しく恐がることだ」(花田紀凱、産経新聞 2017/2/11)
その通りだと思う。
「今回、完全に(ジャイアンにこびへつらう)スネ夫になった」(野田佳彦幹事長)、「猛獣に従順なチキン(卑怯者)ですよ」(前原誠司元外相)と、建設的な意見もなく悪口を言うだけで終わるのでは、情けない。明確な説明無く、トランプ大統領をジャイアンや猛獣に見たてたり、安倍首相をスネ夫やチキン(卑怯者)に見たてたりするのは、政治家としてどんなものだろうか。
なお、写真を二つ並べたのを「今はこうだが、そのうちこうなるぞ」と解釈する人もいるかもしれないが、そのような意図は毛頭ない。
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