以前、「(545) ライフサイクル後半での生き方の転換 / ルソー『エミール』(3-3)」で、
===== 引用 はじめ P.72
「あわれみ」は、「人間愛の最初の種子」であり、「他者への共感能力」のことである。
===== 引用 おわり
と書いた。
Face Book 上で、3人から同じ趣旨のコメントをいただいた。
・ 共感能力=あわれみ?
・ 私の中では憐れみ。哀れみ。上から見下ろすイメージがありますが真逆ですね。
・ やっぱり、あわれみは私には、ぴったり来ませんね。Pity is akin to love .
私は、翻訳上の問題だと思った。
ルソーはフランス語で「●●●」と書いた。訳者はそれに「あわれみ」という言葉を当てはめ、「共感能力」のことであると解説した。
先ず、●●●とは何か。新しいFace Book 友達に聞いたところ、すぐに「憐れみはフランス語でpitie 」と返信いただいた。英語の pity と同じ語源のように思われる。仏英辞典で調べたら、予想通り、pitie の英訳は、pity であった。
フランス語は分からないので、系統の近い英語で調べることにした。
pity:
①
a strong feeling of sadness or
sympathy for someone or something
②
something that causes sadness or
disappointment
< Merriam-Webster Online >
一気に謎が解明した。pity にsympathyの感情が含まれている !
英語圏の人には、pity = sympathy に違和感はないのだろう(仏語圏の人も多分、同様だろう)。しかし、pity を「あわれみ」と訳し、sympathy を「共感」と訳し、その二つを対で見た日本人は、「あわれみ
≠
共感」と感じた。こういうことが起こったのだろう。
①
かわいそうに思う心。慈悲。同情。「―をかける」
<デジタル大辞泉>
あわれみ【哀れみ】
①
pity, compassion (▼pityはかわいそうに思う気持ち,compassionは哀れんで何かしてあげたいと思う気持ち); 〔慈悲〕mercy
<プログレッシブ和英中辞典>
次回に続く。
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