(1302) ユング心理学と仏教 / 河合隼雄スペシャル(4-1) / 100分de名著
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=====(K0443) シニア世代の幸・不幸に影響するのは、子か、孫か、妻か <心の健康>(生きがい)
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第4回 23日放送/25日再放送
タイトル: 「私」とは何か
【第4回の目次】
(1) ユングか仏教か
(2) 「牧牛図」と「賢者の薔薇園」にみる東西の違い
(3) 私の知らないことに満ちた「私」
(4) 「かなしみ」の深みに身を置くということ
(5) 「1000の風」に寄せて
今回の投稿は、(1)について。
A)
『ユング心理学と仏教』は、どんな本か
B)
臨床の場面に感じた、仏教の強い影響C) 仏教の意味
D) 華厳経
E) ユングか、仏教か
【展開】
A)
『ユング心理学と仏教』は、どんな本か
「私」とは何か。私の「個性」や「個別化」とは何か。それは西洋人の個性と、どう違うのか。こうした問いに、河合隼雄が一つの答えを示したのが『ユング心理学と仏教』です。
B)
臨床の場面に感じた、仏教の強い影響
夢分析をしていると「重要なときに重要な意味をもって」マンダラが出現したり、そろそろ治療を終えられるという段階で、仏教にはまったく無関心なクライエントの夢に菩薩が現れたりする。
C)
仏教の意味
心理療法で最も大切なことは、二人の人間が共にそこに「いる」ことであります。(略)そうなると、いったい治療者は何をしているのでしょうか、治療者の役割は何なのでしょうか。このあたりのことを真剣に考えはじめたところで、私にとって仏教ということが大きい意味をもちはじめました。
D)
華厳経
経典「華厳経」を読み、「はじめて仏教に対して親近感をもつようになった」といいます。仏教のことを知れば知るほど、「自分の心理療法が仏教の経典に述べられていることと深く関連している」ことがわかり、それによって著者の分析も変わっていきました。
E)
ユングか、仏教か
しかし、そうなると新たな問題が浮上します。「ユングか、仏教か」という問題です。
仏教の説く意識は西洋の自我と逆方向にその在り方を洗練させていったのではないでしょうか。そこには、能率とか操作とかの概念がまったく存在しません。何の役にも立たないと言いたくなりますが、近代自我の罹っている病を癒す力をそれはもっているのではないかと思われます。曖昧で矛盾した自分の立ち位置を示した上で、著者はユング心理学と仏教の相違や親和性を掘り下げて考察しています。
出典
河合俊雄(2018/7)、河合隼雄スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)添付は、この本からの転載
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