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(K0438) 個人Blog 7月上旬リスト <サイト紹介>
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第3回 16日放送/18日再放送
タイトル: 昔話と神話の深層
『昔話と日本人の心』に出てくる日本の昔話
第1章
『うぐいすの里』 <消え去る女性>
第2章
『飯食わぬ女』 <あわれな女性>第3章 『鬼が笑う』 <二人の女性>
第4章 『白鳥の姉』 <再生し結婚する女性>
第5章 『浦島太郎』 <結婚する女性・結婚しない女性>
第6章 『鶴女房』 <異類の女性>
第7章 『手なし娘』 <耐える女性>
第8章 『火男の話』 <翁と女性と童>
第9章 『炭焼長者』 <意志する女性>
【ここで取り上げる三つの項目】
A)
欧米のモデルに従う必要はない
B)
昔話を素材として、日本人の生き方を探るC) 変化する女性像こそ、日本人の心を表すのにふさわしい
【展開】
A)
欧米のモデルに従う必要はない
===== 引用はじめ
近代的自我の確立が「正しい」前提であり、この統合過程が「絶対」だと考えるのであれば、異性像が希薄な日本人のこころの統合は難しく、ゆえに人として劣っている、あるいは遅れているということになりますが、河合隼雄の考え方は少し違います。実際に自分が日本人として生きていることや、欧米人の生き方などを通じて感じる実感としては、近代自我の確立が人類にとって極めて重要であることは認めるにしても、それを唯一絶対とは言い難いのである。
日本人、あるいは、非キリスト教圏の人々の生き方も、それぞれの価値と意義を有し、必ずしも、欧米のモデルに従う必要はない、と徐々に考えるようになった。
===== 引用おわり
B)
昔話を素材として、日本人の生き方を探る
===== 引用はじめ
この本では、生き方の礎となる心の構造を理解する手がかりとして、日本の昔話に注目し、そこに登場する「女性」に焦点を当てて読み解いています。昔話を素材として選んだのは、古くから人々に親しまれ、連綿と受け継がれてきた物語には人々が共有している本質が含まれており、従って事例を通して摑めるもののエッセンスが伝えられると考えられるからです。… それが実際にあったことかそうでないかは問題ではない。「心の現実」として物語を捉えることに意味があるのです。それはある意味で事例を物語として捉えることと同じです。これを西洋の類話と比較しつつ、著者は日本人の深層心理について大胆な持論を展開していきます。
===== 引用おわり
C)
変化する女性像こそ、日本人の心を表すのにふさわしい
第一章の「消え去る女性」から最終章の「意志する女性」までを、一つの大きな物語として読み進めていくことができるのも本書の大きな特徴の一つです。
① 恨みを残しつつ消え去った「あわれな女性」は、
第1章 『うぐいすの里』 <消え去る女性>
② すべてを呑みこむ山姥となって人間の世界に戻り、
第2章
『飯食わぬ女』 <あわれな女性>
③ それでも追い払われると「二人の女性」として分離したり、
第3章
『鬼が笑う』 <二人の女性>
④ 「耐える女性」として留まろうとしたりしながら
第7章
『手なし娘』 <耐える女性>
⑤ 「意志する女性」へと展開していきます。
第9章
『炭焼長者』 <意志する女性>ここに登場する女性たちは、重なり合いながら「見事な全体をつくりあげている」。
出典
河合俊雄(2018/7)、河合隼雄スペシャル、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)添付は、この本からの転載。
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