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2018年7月7日土曜日

(1292) 「夢」 / 河合隼雄スペシャル(2-2) / 100分de名著

 
      最新投稿情報
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(K0433)  老老介護、低所得は長時間 生活保護受給者は2.7倍  <インクルーシブ社会>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/07/k0433-27.html

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放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 
第2回  9日放送/11日再放送
  タイトル: 人間の根源とイメージ
 


【第2回の目次】 「人間の根源とイメージ」
 
(1)  ユングが追求した「イメージ」の心理学
(2)  様々なかたちで現れる「イメージ」

(3)  夢に現れる豊かなイメージを生きる
(4)  夢は何を語っているか
(5)  「心の現実」としての夢

(6)  心の中の「異性像」が語りかけるもの
(7)  アニマとアニムスの違い
(8)  東洋の心と西洋の心
 


【展開 1】 今回の投稿は、(3)(4)(5)

3.   夢に現れる豊かなイメージを生きる
3.1.  イメージを軸として展開されるユング派の心理療法で重視されている夢分析<再出>
3.2.  夢から得られた自画像(心の状態)/夢分析による心理療法の要諦

4.   夢は何を語っているか
4.1.  夢のタイプ
4.2.  夢と自己実現

5.   「心の現象」としての夢
5.1.  フロイト派とユング派では、夢分析が違う
5.2.  夢と箱庭
5.3.  夢の効用


【展開 2】
 
3.   夢に現れる豊かなイメージを生きる
 
3.1.  イメージを軸として展開されるユング派の心理療法で重視されている夢分析<再出>

 イメージを軸として展開されるユング派の心理療法の中でも、治療手段として特に重視されているのが「夢分析」です。意識と無意識が交錯する夢の世界は、イメージの宝庫だと著者は指摘しています。
 

3.2.  夢から得られた自画像(心の状態)/夢分析による心理療法の要諦

 夢はそのときの意識に対応する無意識の状態が何らかの心象によって表現した自画像であるともいうことができる。
 夢から得られた自画像(心の状態)を注意深く検討し、これを意識の核となる自我に統合して、発展させていくことが夢分析による心理療法の要諦である。

 

4.   夢は何を語っているか

4.1.  夢のタイプ

 私たちの見る夢には、その機能によって、いくつかのタイプがあります。

   意識に対して補償的に働く夢
 最も多い。意識に対して補償的に働く夢。その人の普段の行動や態度とは逆のものが夢に出て、一面的な意識を訂正したり補ったりする。意識に足りないものを補う。

   「逆補償」
 普段の意識の態度を引き下げようとする否定的な夢。

   「予想夢」
 将来の出来事を仔細に予見するような夢。一般に正夢と呼ばれるもの

   「展望的な夢」
 将来のプランや可能性を示すような夢。例えば現実の問題や課題を打開するヒントとなるような夢をいい、しばしば心理療法の初期に現れます。

   「反復夢」
 震災などショッキングな経験をした人が、その光景を繰り返し夢にみる。受け入れがたい経験を意識の中に取り込んでいくことができれば、夢の内容は少しずつ変化し、次第に消失していく
 

4.2.  夢と自己実現

 夢の提出した方向に向かって努力を続けるための意識の関与の大切なことを忘れてはならない。(略)夢より得た知見やプランをもとにして、意識的努力を積み、そのような意識の態度に対して、また無意識の動きも補償的になる。このような意識と無意識の絶え間のない相互作用によってこそ、ユングのいう自己実現が可能となるのである。
 



5.   「心の現象」としての夢
 
5.1.  フロイト派とユング派では、夢分析が違う

 心理分析における夢の意義を、最初に明示したのはフロイトです。彼は夢を「ある(抑圧された)願望の、(偽装した)充足」(『夢判断』)ととらえ、ファサード(建築物の正面)である夢の背後に隠された願望を見つけ出すことが重要だと考えていました。
 これに対して、ユングは、夢はその背後に何かを隠しているファサードとしてではなく、夢自体を一つの現実として、夢そのものを大切にしなければならぬと主張する。
 

5.2.  夢と箱庭

 重要でありながら、なかなか理解が得られにくいことを考慮して、夢療法を『ユング心理学入門』では終盤の第7章に据えた。ユング派の心理療法を日本で展開していくにあたって、彼がまず箱庭療法の導入に力を入れたのも、心の中のイメージが目に見える箱庭のほうが、夢分析よりも理解・納得が得られやすいと考えたからでした。
 

5.3.  夢の効用

 夢は自分の知らない“自分の心”の声に気づかせてくれます。無意識からのメッセージを意識してみると、自分の偏りや意外な側面に気づいたりして、生き方を考えたり変えたりするきっかけにもなると思います。
 



出典

河合俊雄(2018/7)、河合隼雄スペシャル、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
 
添付写真は、この本からの転載。分析家のシュピーゲルマンから夢の分析をすると言われた河合は驚いてしまい、「そんな非合理なことは信用できない」と抗弁した。


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