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2018年7月13日金曜日

(1298)  プロの解説(2) ~メンタリティ~(サッカーW杯 ベルギー戦)

 
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(K0439) 「パートナーが先に死んだ場合、心配なこと」 / 「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」(3) <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/07/k043920183.html
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 サッカーW杯は、いよいよ決勝戦(フランス対クロアチア)を残すだけとなった。「にわかサッカーファン」の感心は、ベルギー戦での敗退で低くなってしまったと思う。少しは余韻の残っているうちに書いておく。
 
 臨床心理士という「プロ」がベルギー戦をどうみたか。
 
===== 引用はじめ
 試合の勝敗を分けたのは、サッカーの差ではなく、メンタリティーの差といえるかもしれません。そこで、本稿では日本中に感動を与えた戦いに感謝しつつ、心理面から足りなかったものを考えてみたいと思います。
===== 引用おわり
 
 メンタリティーがあると、自分にできることに集中して全力を出せる。だから、メンタリティーが勝敗に影響する。そして、メンタリティーには、「挑戦者のメンタリティー」と「勝者のメンタリティー」がある。

 

【起こっていたこと】

(1)  試合序盤は、日本の「挑戦者のメンタリティー」が強かった
(2)  日本が得点を入れた後は、日本の「挑戦者のメンタリティー」が弱くなった
(3)  ベルギーは終始、「勝者のメンタリティー」が強かった
(4)  失点をした時の日本は、恐れが強すぎ、「挑戦者のメンタリティー」を失っていた
(5)  日本に期待するところ


【二つのメンタリティー】

A)   「挑戦者のメンタリティー」の原動力は「恐れ」である
B)   「勝者のメンタリティー」の原動力は「誇り」である
 
 

【展開1】

A)   「挑戦者のメンタリティー」の原動力は「恐れ」である

 挑戦者のメンタリティーとは、良い意味で相手を恐れて、自分の全力を出せるメンタリティーです。実は、恐れというものは高い集中力を生む感情なのです。恐れは強すぎると人をうろたえさせるため、自らのパフォーマンスを下げてしまいます。しかし、恐れを適度に保てれば、自分にできることに集中して全力を出せる原動力になるのです。いわゆる「敵を知り、己を知れば」の心境です。敵の強さをよく知っているわけですから、苦笑いをする余裕も、足を止める時間もあるはずがありません。挑戦者のメンタリティーは一度ほころび始めると、なかなか戻ってきません。なぜなら、恐れは心身を疲れさせるからです。
 

B)   「勝者のメンタリティー」の原動力は「誇り」である

 勝者としての誇りのために、自分にできることを全力で行う。相手を恐れての集中力ではなく、楽に流される自分を嫌がるメンタリティーです。ですから、相手がどうあれ常に全力を出す準備ができていますし、相手の状況にかかわらず集中力が途切れません。
 
 

【展開2】

(1)  試合序盤は、日本の「挑戦者のメンタリティー」が強かった

===== 引用はじめ
 試合序盤、日本は挑戦者のメンタリティーがチーム全体を覆っていたように思えます。MF原口元気の先制点もそこから生まれたゴールに見えました。入った瞬間、原口の「信じられない」といった表情からも、無心で「自分にできること」に集中したシュートだったことがうかがえます。
===== 引用おわり
 

(2)  日本が得点を入れた後は、日本の「挑戦者のメンタリティー」が弱くなった

===== 引用はじめ
 試合の印象や考え方としては、「日本の限界だった」と捉えることもできるかもしれません。しかし、筆者には勝ち越しから失点までの間に、自分たちのパスミスに対して苦笑いして、足が止まっている選手がいたことが気になりました。勝ち越したことで一瞬、「挑戦者のメンタリティー」を失ってしまったように見えたからです。
===== 引用おわり
 

(3)  ベルギーは終始、「勝者のメンタリティー」が強かった

===== 引用はじめ
 勝ち越し後の日本は前掛かりになってきたベルギーをいなす形になりました。日本のパス回しのうまさが分かってきたベルギーは無理に追い回さなくなり、一見歩いているようでも、ボール奪取のチャンスとみると一気にスピードアップする場面もありました。
 筆者はそのようなベルギーに勝者のメンタリティーを感じました
===== 引用おわり
 

(4)  失点をした時の日本は、恐れが強すぎ、「挑戦者のメンタリティー」を失っていた。

===== 引用はじめ
 日本が最初に失点した場面を振り返ると、日本の選手はほぼ自陣に戻ってはいましたが、ニアサイドとパスの受け手になりそうな選手のマークに集中しすぎていました。ファーサイドのケアは、冷静に考えれば誰かがすべきだったのですが、失点に対する恐れの強度が強すぎたのかもしれません。
===== 引用おわり
 

(5)  日本に期待するところ

===== 引用はじめ
 ベルギー戦の日本に限れば、最後まで挑戦者のメンタリティーを途切らせるべきではなかったといえるでしょう。ただ、理想を言えば、勝ち越し後の日本は勝者のメンタリティーに切り替えて戦ってほしいところでした。
===== 引用おわり
 


<出典>

杉山崇、西野ジャパン 「恐れの心理」がほころびに変わった瞬間
【iRONNA発】 産経新聞(2018/07/06)
 
西野ジャパン 「恐れの心理」がほころびに変わった瞬間 杉山崇氏
https://www.sankei.com/premium/news/180708/prm1807080005-n1.html


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